↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アイコン三国志  作者: 小金沢
第一章 黄巾の乱
PR
2/126

〇〇一   桃園の誓い

~~~黄巾党 本部~~~



挿絵(By みてみん) 張角(ちょうかく)

「馬元義よ、馬元義はおるか」



挿絵(By みてみん) 馬元義(ばげんぎ)

「おう、ここだ教祖様」



挿絵(By みてみん) 張角(ちょうかく)

「ぬしに任務を与える。

洛陽(らくよう)の都に潜入し、協力者と連絡を取るのだ。

そして我の合図を受けたら、都を火の海にするのだ!」



挿絵(By みてみん) 馬元義(ばげんぎ)

「任せておけ教祖様!」



~~~涿郡(たくぐん) 楼桑村(ろうそうそん)~~~


挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「ふむふむ。これが噂に聞く黄巾賊(こうきんぞく)さんの求人広告か。

ほんで隣に貼られとるのが、黄巾賊さんと戦う義勇軍の求人じゃな」



挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「ううむ。黄巾賊に……義勇軍か……」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「なんだいなんだい景気が悪いねえ。

往来の真ん中でため息なんてついちゃってさ」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「いや、物騒な世の中になったものだと思ってな。

わしにも平和のために何かできることはないものかのう」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「そんなの簡単さね。義勇軍に入ればいいんだよ。

大の男のくせにだらしないったらありゃしないね。

ため息なんかついてる暇があったらさっさとお国のために働きなさいよ」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「しかしわしは腕っ節も頭もたいしたことがない。

義勇軍に入ってもすぐにおっ死ぬのがオチじゃ。

……見れば、あんたはガタイもいいし腕も立ちそうじゃ。

あんたこそ義勇軍に入ったらどうじゃ?」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「言われなくてもアタイは昔、官軍にいたのさ。

張飛将軍って名前を聞いたことはないかい?

でもお役所仕事に嫌気がさして辞めちまったんだよ。

もう軍隊なんてまっぴらごめんだね」



挿絵(By みてみん) 関羽(かんう)

「……………………」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「なんだいアンタは、いきなり割り込んできて。

……うん? よく見たら知ってる顔じゃないか。

そのヒゲ! その頭! その青龍刀!

官軍にいた頃に手配書が回ってきたよ。

アンタ、噂の関羽だね!

悪徳商人を殺してそこら中、逃げ回ってるって噂の豪傑の!」



挿絵(By みてみん) 関羽(かんう)

「……………………」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「ち、ちょっと、何をするんだよ。アタイをどこにつれてく気だい。

離しなさいよアンタ!」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「お、おい。わしもつれていくのか?

わしはあんたとケンカする気はないぞ。おい、何をするんじゃ」



~~~義勇軍 官舎~~~



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「おいおい関羽さんとやら。

どこにつれてくのかと思ったら、ここは義勇軍の受付じゃないか」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「何よアンタ。まさかアタイたちに義勇軍に入れって言うの?

いつから官軍の手先になったのよ」



挿絵(By みてみん) 関羽(かんう)

「……………………」



挿絵(By みてみん) 鄒靖(すうせい)

「誰だ、官舎の前で騒いでいるのは」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「ゲ。鄒靖将軍だわ。嫌なヤツに見つかったわ」



挿絵(By みてみん) 鄒靖(すうせい)

「ほほう、これは珍しいお客さんだ。

張飛元将軍に、お尋ね者の関羽じゃないか。いったい何の用だ?」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「いや、何の用と聞かれても、

わしらはこの関羽さんとやらに無理矢理つれてこられただけでのう」



挿絵(By みてみん) 朱儁(しゅしゅん)

「鄒靖、何を油を売っておる! 黄巾賊が攻めてきたぞ!」



挿絵(By みてみん) 鄒靖(すうせい)

「おっと、仕事の時間だ。積もる話はまた後にしよう。

……それよりお前たち、せっかくここに来たんだ。

少し手を貸してくれないか」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「アタイたちはそんなつもりで来たわけじゃ――」



挿絵(By みてみん) 鄒靖(すうせい)

「そうか、故郷が黄巾賊に踏みにじられて、

火の海になってもいいと言うのか。

話はわかった。臆病者は早く逃げなさい。しっしっ」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「……わしは腕も頭もからっきしじゃが、

そこまで言われて、はいそうですかと逃げ出すわけにはいかんのう。

張飛さん、関羽さん、ここはいっちょ手を貸してくれんか」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「なんでそういう話になるのよ!

関羽、アンタまさかこういうことになるとわかってて、

つれてきたんじゃないでしょうね」



挿絵(By みてみん) 関羽(かんう)

「……………………」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「なんとか言ったらどうなのよ!

もう、めんどくさいったらありゃしないわね。

やるわよ。やればいいんでしょ。

黄巾賊なんてアタイが踏んづけてやるわ!」



~~~楼桑村 近郊~~~



挿絵(By みてみん) 程遠志(ていえんし)

「がっはっはっ! この村も俺たち黄巾党のものだ!

殺せ殺せ! 略奪しろ!」



挿絵(By みてみん) 鄧茂(とうも)

「ケケケーッ! 俺たちにかなう者なんていない! 皆殺しだ!」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「いたぞ張さん、関さん! あいつらが頭目じゃ。

あいつらさえ倒せば黄巾賊はひとたまりもないぞ。やっちまうんじゃ!」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「やっちまうんじゃって、アンタは何してるのよ。

アンタも戦いなさいよ。

だいたい張さんだなんて馴れ馴れしいじゃないのよ」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「じゃからわしは腕には自信がないと何度も言っておるじゃろ。

剣の一本も持ってきておらんしな。

任せたぞ、張さん! 関さん!」



挿絵(By みてみん) 関羽(かんう)

「……………………」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「ま、待ちなさいよ。アンタ一人で突っ込む気なの?

官軍に任せてうしろにいれば……って。

ちょっと、もう、なんなのよこいつらは!

ひとの話を聞きなさいよね!」



挿絵(By みてみん) 程遠志(ていえんし)

「んん? なんだこいつは? 俺様と戦う気か?」



挿絵(By みてみん) 関羽(かんう)

「……………………ッ!」



挿絵(By みてみん) 程遠志(ていえんし)

「ギャアーーーーーッ!!!!!」



挿絵(By みてみん) 鄧茂(とうも)

「て、程遠志! ば、馬鹿な! 程遠志が一撃でやられた!?」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「関羽ーーッ! 待てって言ってるでしょ!

邪魔よアンタ!!」



挿絵(By みてみん) 鄧茂(とうも)

「ギェーーーーッ!?」



挿絵(By みてみん) 朱儁(しゅしゅん)

「す、鄒靖。何なのだあいつらは?

黄巾賊の頭目を一撃で倒してしまったぞ!」



挿絵(By みてみん) 鄒靖(すうせい)

「聞いたことはありませんかな?

千人の官軍に囲まれながら、ただの一人も殺すことなく

悠々と逃げ延びた男・関羽。

一度の戦で808人の敵を殺した男・張飛の名を」



挿絵(By みてみん) 朱儁(しゅしゅん)

「あ、あいつらが、あの関羽と張飛だったのか……。

で、では、もう一人のあの耳の長い男は誰だ?」



挿絵(By みてみん) 鄒靖(すうせい)

「さあ? 誰ですかなあれは」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「すごいぞ張さん、関さん!

黄巾賊は散り散りになって逃げていったぞ!」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「ふん、あんな連中アタイの敵じゃないわよ。

それより関羽! アンタどういうつもりなのよ!」



挿絵(By みてみん) 関羽(かんう)

「……………………」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「一言くらいしゃべんなさいよ!」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「まあまあ張さん。勝ったんじゃからいいじゃないか。

それよりほれ、ここらはいい桃の木がたくさん生えとる。

桃の木を見ながら、戦勝祝いに一杯どうじゃ」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「アンタは戦場に剣の一本も持って来てないくせに、

酒瓶はしっかり持ち歩いてるのね……」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「それにしても二人は強いのう。

二人が一緒にいてくれるなら、

わしも義勇軍に入ってもいいと思ってしまいそうじゃ」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「アタイはもう懲り懲りよ。

無口男に無能男と一緒になんて戦ってらんないわ。

鄒靖に褒美をもらったら、アンタたちとはお別れだからね」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「そうつれないことを言うなって。

こうして桃園で一緒に酒を飲んだ仲じゃないか。

わしらはもう兄弟も同然じゃ!」



挿絵(By みてみん) 関羽(かんう)

「……………………」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「ほれ見い。関さんもうなずいてるぞ」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「誰が兄弟よ!

だいたいアタイはアンタの名前も聞いてないんだからね!」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「そうじゃったか? これはうっかりしとった。すまんすまん。

わしの名は劉備! いずれは皇帝になる男じゃ!」



~~~~~~~~~



かくして劉備、関羽、張飛の三人は出会った。

彼ら三人が乱世を動かす存在になるとは、

このとき誰も予想だにしなかった……。


次回 〇〇二   北門の鬼

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。