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アイコン三国志  作者: 小金沢
第三章 人中の呂布
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19/126

〇一八   強襲!人中の呂布

~~~濮陽(ぼくよう)~~~



挿絵(By みてみん) 夏侯惇(かこうとん)

「鉄球ごときで俺に勝てると思ったか!

俺に勝ちたきゃ呂布をつれてきな!」



挿絵(By みてみん) 高順(こうじゅん)

「くっ! これが夏侯惇か。なんという強さだ!」



挿絵(By みてみん) 張遼(ちょうりょう)

「どけ高順! オレがやってやらあ!」



挿絵(By みてみん) 郝萌(かくぼう)

「張遼待つですの。

まともに打ち合ったら夏侯惇ちゃんには勝てないですの。

そんな時は彼ですの。狙撃の名人、曹性ちゃーーん!」



挿絵(By みてみん) 曹性(そうせい)

「任せろ萌タン! 喰らえ夏侯惇!」



挿絵(By みてみん) 夏侯惇(かこうとん)

「ぐわあッ! ひ、左目を射抜かれたか……」



挿絵(By みてみん) 高順(こうじゅん)

「一騎討ちに水を差してすまぬな。

だがこれも戦いだ。――捕らえよ!」



挿絵(By みてみん) 夏侯惇(かこうとん)

「ちきしょう……」



~~~譙(しょう)~~~



挿絵(By みてみん) 程昱(ていいく)

「夏侯惇が捕らえられたじゃと?」



挿絵(By みてみん) 荀彧(じゅんいく)

「あはは。さすがは呂布軍、強い強い」



挿絵(By みてみん) 韓浩(かんこう)

「ずいぶんと余裕だな。何か策でもあるのか?」



挿絵(By みてみん) 荀彧(じゅんいく)

「いいえ、とんでもない。相手はあの呂布ですよ。

留守番の少ない兵力じゃ太刀打ちできません」



挿絵(By みてみん) 韓浩(かんこう)

「……せめてここから逃げ切れる策だけでも

出して欲しいものだな」



挿絵(By みてみん) 荀彧(じゅんいく)

「ああ、そのくらいならお安い御用です。典韋!」



挿絵(By みてみん) 典韋(てんい)

「呼んだが? ジュンイグ?」



挿絵(By みてみん) 荀彧(じゅんいく)

「いいか典韋。

この線から先に、敵を通すな。一人もだぞ」



挿絵(By みてみん) 典韋(てんい)

「わがっだ!」



挿絵(By みてみん) 荀彧(じゅんいく)

「じゃあ後は典韋に任せて我々は逃げましょう。

殿も徐州から戻っていると連絡が入りました。

まずは殿と合流です」



挿絵(By みてみん) 程昱(ていいく)

「あ、あ奴は大丈夫なのか?」



挿絵(By みてみん) 成廉(せいれん)

「いたぞ! 逃がすな!」



挿絵(By みてみん) 荀彧(じゅんいく)

「そら典韋! 線を踏んだぞ!」



挿絵(By みてみん) 典韋(てんい)

「ごのおぉぉぉぉぉ!!」



挿絵(By みてみん) 成廉(せいれん)

「こ、これは……短刀? 短刀を連射しているのか?」



挿絵(By みてみん) 郝萌(かくぼう)

「と、とても近づけないですの!」



挿絵(By みてみん) 高順(こうじゅん)

「落ち着け。短刀など無限に持っているわけではない。

投げ切った所に攻め込めば……」



挿絵(By みてみん) 典韋(てんい)

「ぞらぞらぞらぞらぞらぞら!!」



挿絵(By みてみん) 張遼(ちょうりょう)

「……今度は石ころを投げ始めたぜ。

しかも短刀と変わんねー威力だ」



挿絵(By みてみん) 成廉(せいれん)

「い、石が無くなったら我が軍の兵を投げています」



挿絵(By みてみん) 呂布(りょふ)

「gfkkl;f778zcx!」



挿絵(By みてみん) 陳宮(ちんきゅう)

「彼に関わるのはやめなさい! 彼を迂回して進むのです!」



挿絵(By みてみん) 典韋(てんい)

「あれ? えーど。

線のずっど向ごう側を通られぢゃっだら、どうずんだろ?

……ジュンイグに聞いでごよう」



~~~譙(しょう) 呂布軍~~~



挿絵(By みてみん) 薛蘭(せつらん)

「今日は大活躍だったな曹性!

あの夏侯惇を捕らえちまうなんてよ!」



挿絵(By みてみん) 曹性(そうせい)

「ひゃっひゃっひゃっ。夏侯惇なんて大したことなかったぜ。

俺が左目を射抜いてやったら、ヒイヒイ泣いてやがった!

そう考えると夏侯惇に苦戦してた高順も、

実は大したことないんじゃねえかって――」



挿絵(By みてみん) 薛蘭(せつらん)

「ゲェェッ!?」



挿絵(By みてみん) 曹性(そうせい)

「んん? なんだよ、変な声を出して後ろを指差して。

後ろに何がいるってん――」



挿絵(By みてみん) 夏侯惇(かこうとん)

「左目を返せ」



挿絵(By みてみん) 曹性(そうせい)

「ば、バカな!? どうやって牢屋を抜け出したんだ!」



挿絵(By みてみん) 夏侯惇(かこうとん)

「抜け出すのなんかどうってことはねえ。

お前を探すほうが骨が折れたぜ。

――で、誰がヒイヒイ泣いてたって?」



挿絵(By みてみん) 薛蘭(せつらん)

「た、助けてくれええっ!!」



挿絵(By みてみん) 曹性(そうせい)

「お、おい、俺を置いて逃げるなよ。や、やめろ夏侯惇。

ヒイイイイイイイイ!!」



挿絵(By みてみん) 夏侯惇(かこうとん)

「左目を引っこ抜いただけで泣き叫んでんじゃねえよ。

……ったく。死にやがったぜこいつ。

目ん玉一つがそんなに痛いかねえ」



~~~譙(しょう) 曹操軍~~~



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「僕が戻るまでよく持ちこたえてくれたね。礼を言うよ。

なあに、奪われた城は取り戻せばいい。被害が最小限でよかったよ」



挿絵(By みてみん) 夏侯惇(かこうとん)

「…………」



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「なんだい夏侯惇君。

男前になったからって、それを見せつけないでくれたまえ」



挿絵(By みてみん) 夏侯惇(かこうとん)

「俺はもとから男前だ!」



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「冗談だよ、そう怒るな。

自分で脱出して、ついでに左目の仇も討ってくるなんて

さすが夏侯惇君だ」



挿絵(By みてみん) 夏侯惇(かこうとん)

「フン。そんなことより呂布軍はどうする。

俺を捕らえるような強者ぞろいだぜ」



挿絵(By みてみん) 郭嘉(かくか)

「張邈(ちょうばく)」



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「そう、厄介なのは呂布軍の強さだけじゃない。

呂布軍が張邈君の大軍を擁していることだ」



挿絵(By みてみん) 荀彧(じゅんいく)

「それならば、張邈と呂布を切り離しましょう。

もともと張邈は殿と同盟を結んでいましたし、臆病な性格です。

今回もきっと、呂布に無理強いされて兵を挙げたのでしょう」



挿絵(By みてみん) 程昱(ていいく)

「離間の計か。ワシの得意とするところじゃな。

任せてくれれば、百の計略で

張邈と呂布を疑心暗鬼に陥れて見せよう」



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「いや、それには及ばない。

ここに来る途中に、北の空を見てきた。

僕らが動かずとも、天が張邈君の裏切りを許さないようだ」



挿絵(By みてみん) 曹洪(そうこう)

「どういうことだ?」



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「つまり、これから忙しくなるのは

君や曹仁君、夏侯淵君じゃない。韓浩君、君だよ」



挿絵(By みてみん) 韓浩(かんこう)

「俺が? ……そうか、読めたぞ。イナゴだな」



挿絵(By みてみん) 曹操(そうそう)

「そう、イナゴの大群が北からやってきているんだ。

イナゴは張邈君の兵糧を食い尽くすだろう。

だが僕らは屯田策で大量の米を蓄えておいたし、

もともと民兵の青州黄巾軍は、イナゴの害をさほど受けはしない。

僕らが手を下すまでもなく、これで呂布君の快進撃はおしまいさ」



~~~譙(しょう) 呂布軍~~~



挿絵(By みてみん) 呂布(りょふ)

「…………jhfhsfal;990」



挿絵(By みてみん) 陳宮(ちんきゅう)

「私の故郷にはこのような虫はいませんでした。

彼らはまるで悪魔です。

それともこれは、天が私に怒っているのでしょうか。

ミスター張邈を無理やり動かし、戦いへと向かわせた私にです」



挿絵(By みてみん) 張遼(ちょうりょう)

「おいおい大将、しっかりしてくれよ。

これは天意なんかじゃねーよ。

単なる虫だ。虫がお天道様の使いのわきゃねーだろ」



挿絵(By みてみん) 高順(こうじゅん)

「ああ、虫がたまたま通りかかっただけだ。

そこに誰かの意思は介在していない」



挿絵(By みてみん) 薛蘭(せつらん))

「もともと小勢の俺らは、

多少の兵糧を失っても影響は無いけどよ……」



挿絵(By みてみん) 張邈(ちょうばく)

「……………………」



挿絵(By みてみん) 張超(ちょうちょう)

「……………………」



挿絵(By みてみん) 張遼(ちょうりょう)

「立ったまんま失神してんなこりゃ」



挿絵(By みてみん) 高順(こうじゅん)

「無理もない。張邈殿らの軍は壊滅的状態だ。

仲間同士で兵糧の奪い合いも始まっているらしい」



挿絵(By みてみん) 郝萌(かくぼう)

「もう張邈ちゃんたちの兵は借りられないですの。

ぼくらだけで曹操ちゃんと戦うことになるですの」



挿絵(By みてみん) 侯成(こうせい)

「黒山賊だって、俺たちだけで倒したんだ。同じことだろ」



挿絵(By みてみん) 呂布(りょふ)

「fghjsdkals;;999」



挿絵(By みてみん) 陳宮(ちんきゅう)

「いいえ。それは違います。

ミスター曹操とブラックマウ……黒山賊は比べ物になりません。

ミスター曹操はずっと強いのです。

我々だけでは勝てないでしょう」



挿絵(By みてみん) 高順(こうじゅん)

「どこかに落ち延びるしかあるまい」



挿絵(By みてみん) 張遼(ちょうりょう)

「つくづく根無し草だなオレらは。

で、今度はどこに行くよ?」



挿絵(By みてみん) 呂布(りょふ)

「ldghalsda98810」



挿絵(By みてみん) 陳宮(ちんきゅう)

「徐州の領主はとても心の広い方だと聞きました。

彼を頼りましょう」



挿絵(By みてみん) 成廉(せいれん)

「なるほど。我々が曹操の背後を攻めたおかげで、

徐州が救われた面もあります。受け入れてくれるかも知れませんね」



挿絵(By みてみん) 呂布(りょふ)

「mvklzxiaso81cvjk」



挿絵(By みてみん) 陳宮(ちんきゅう)

「ミスター張邈、ミスター張超、とてもお世話になりました。

あなた方ご兄弟の親切は忘れません。どうかご無事で」



挿絵(By みてみん) 張邈(ちょうばく)

「……………………」



挿絵(By みてみん) 張超(ちょうちょう)

「……………………」



~~~徐州(じょしゅう)~~~



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「だからこの予算はこっちに回して、ここを削ればいいのよ。

まったく帳面も満足に書けないのかしらここの連中は」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「徐州に来て以来、張さんはイキイキしとるのう」



挿絵(By みてみん) 簡雍(かんよう)

「姐御肌の世話好きな性格だからな。

徐州はだらしない連中ばかりでうれしいんだろ」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「曹操軍が引き上げてからも、

なんやかやと手伝ってるんじゃから驚くわ」



挿絵(By みてみん) 陳珪(ちんけい)

「劉備殿! 張飛殿! 陶謙様がお呼びです」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「おう、陶さんは寝込んでたけど大丈夫か?」



挿絵(By みてみん) 陳珪(ちんけい)

「実はそのことで……とにかくお越しくだされ」



~~~徐州(じょしゅう) 陶謙の寝室~~~



挿絵(By みてみん) 陶謙(とうけん)

「ほっほっごほげほ。年は取りたくないものだな、劉備殿。

単なる風邪をこじらせて、このザマじゃ」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「おいおい、起き上がらんで寝とくんじゃ。

それで、わしらに何の用じゃ」



挿絵(By みてみん) 陶謙(とうけん)

「他でもない、私が死んだ後のことだ。私はもう長くあるまい。

だが曹操は引き上げただけで脅威は去っておらんし、

何より私には跡継ぎがない。そこで、だ」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「そ、そこで?」



挿絵(By みてみん) 陶謙(とうけん)

「誰にこの徐州を任せればいいかを、私はつぶさに観察してきた。

皆をまとめる統率力、豊富な知識、曹操の大軍にも引かない武勇、

その全てを兼ね備えたのは一人しかいない」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「いやあ、そこまで褒められたら照れるのう」



挿絵(By みてみん) 陶謙(とうけん)

「私の亡き後、どうか徐州の刺史になってくれ……張飛殿」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「                         」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「………………え? アタイ?」



挿絵(By みてみん) 簡雍(かんよう)

「まあ、そりゃそうだろうな」



挿絵(By みてみん) 糜竺(びじく)

「はっはっはっ。張飛殿ならば我々に異存はありませんよ」



挿絵(By みてみん) 孫乾(そんけん)

「徐州は張飛殿に救われたようなものですからな」



挿絵(By みてみん) 曹豹(そうひょう)

「陶謙様、ご安心下さい。我々が張飛殿を支えます」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「………………」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「なんだいなんだいアタイをそんなに持ち上げちゃってさ。

アタイはそんな大した人間じゃありゃしないよ。

でも、そこまで言うんだったらアタイも女さね。

腹をくくって、この徐州を守ってやろうじゃないの!」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「………………」



挿絵(By みてみん) 関羽(かんう)

「めでたい」



挿絵(By みてみん) 張飛(ちょうひ)

「おっ。関羽、やっとまともなこと言ったじゃないの!」



挿絵(By みてみん) 劉備(りゅうび)

「………………わしが張さんの家臣に……」



~~~~~~~~~



かくして張飛は新たなる徐州刺史となった。

一方、献帝は董卓に続き李傕らによって傀儡の座についていた。

だが幼き皇帝は、胸にある決意を秘めていた。


次回 〇一九   献帝脱出

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