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鬼と狼と吸血鬼
昔、神楽の地には村人を困らせる鬼が住み着いていました。
村人たちは、鬼を追い出そうと狼神に祈りました。
祈りは聞き届けられ、狼神によって鬼は神楽の地を追われることになりました。
「昆布か、シャケの方が好みだけど」
地蔵に備えられたおにぎりを、小柄な少年が頬張ると
「グルルル……」
残りのおにぎりを奪おうと、茂みから狼の唸り声。
「人間の姿にもなれない低脳が」
少年が皿を投げつけると
「ギャン」
気弱な若い狼は逃げ出して行った。
「……瑠架よ、あまり大神のやつらにちょっかい出すでない」
嗜めるように、一つ目の黒猫。
「だって、あいつら嫌いだ」
手足が凍てつくような寒さ。
そして、吹雪で視界は最悪。
「な、なんだよこりゃ……」
一気に変わった天候に、
「さ、寒い……」




