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6年制高校の超能力者  作者: ZIP
前半
11/20

新学期Ⅴ

『生徒の皆さんに連絡します。30分後に臨時集会が行われます。

至急、各寮の1階へ集合してください』

あのテロから8日、数日は大事をとって入院を続けて無事に退院し、

2ヶ月も延期された学校が始まるのを、幸いにも全く被害の出なかった

寮で待っていた。俺も香織も大した外傷はなく、退院から数日にも

関わらず今もこうして1階に向かうことが出来た。

「学年は関係なく全員階数ごと並んで、各階で一番部屋番号が若いやつ、

点呼確認な。確認したらその場に着席。オーライ?」

常にテンションが高めの石田先生によると、1101に住んでる俺が

11階全員の点呼を確認することとなる。

「ねえ、1103の高橋夫婦と1105のリトルは?」

「伝説の学生結婚SMカップル、高橋夫婦なら俺たちより

先に降りたはずだけど」

「微妙に酷い言い方するわね、一応先輩なんだから。

いや、大体合ってるんだけどね……」

「あ、いたいたリトル。小さいから気付かなかったぜ」

「ああそうだよ! リトルだよ。アメリカ人の癖に日本の中学生並みに

小さいよ! 親父は2メートル近いってのに……もしかして俺が日本に

どっぷり浸かりすぎたからか? 畜生め!」

リトル、リトルというのはあだ名で、名前は

リトルマイクジュニア・ダラス。元アメリカ大統領の息子で、

同じ寮の兄と小学生の頃から日本に、今年からは

二分へ留学しに来ているらしい。

「あ、あの、私を忘れて……ないですか?」

「界斗酷い! 安奈ちゃんかわいい……かわいそうでしょ」

「いやいや、忘れてないから。てか、お前こそ会うたびに

頭を撫でるのやめてあげろよ、困ってるだろ」

「な、なんで私、頭を撫でられているんですか……」

PSI事務員の天日さんは、聞けば一族がほとんど二分の政府やら

会社などなどの重要なポストに就いていて、彼らは天日ファミリー

とも称されているという。そして、リトルと同じくらいの

ちょうどいい(?)身長と保護欲をそそるそのルックスのせいで香織を

筆頭とする女子生徒たちに現在進行形で愛玩小動物のごとく

扱われているこの子もまた天日ファミリーの1人、天日安奈さんだ。

さて、これで来ていないのはは高橋SM夫婦だけなんだが……

「神坂に真崎、11階はまだ集まらないのか? 誰だ? いないのは」

「はい、1103の高橋夫婦です」

「チッ、またあいつらか。あいつらにはこっちから伝えておく。

もう座っていいぞ」

休業期間、寮監を兼ねて通年寮に常駐している教師は呆れた顔で

ため息を吐いた。

「あー、皆さん集まったようなので臨時集会を始めたいと思います。

えー、まずね、先日のテロの続報です。えー、犯人は二分島の外に

逃亡したということにするっていう決定がされたそうです。

でー、学校のね、始業日が正式に決まりました、11月4日から始業です。

えー、次に、政府からのお知らせです」

周りでは、なぜ政府からのお知らせをわざわざ集会で伝える必要が

あるのかという議論が始まった。

「えー、先日のテロを受けて、来年から開始予定だった

超能力運用指数、PK指数の運用と測定を今月末からに前倒し

することになりました。えー、これは二分における非PKの総数把握と、

将来的な超能力者の発展を目的に行われます。でー、本校の全生徒は

9月18日にモルモ……モデルケースとして測定を、

することになりました。えー、PK指数によっては、測定にかなりの

期間を有する見込みだそうです。はい、これで、臨時集会を終わります」


周りの議論は最終的に、私語を注意する鬼教師の鉄拳によって

中断させられた。

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