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我が家の飼い猫

作者:

今回は短めにしてみました。

ペットと暮らすのが、こんな状況だったら面白いだろうなぁと思いながら書いてみました。


さらっと軽く読んじゃってください。


ではでは、どうぞ

我が家にはいつの間にか居座ってる猫が居る。


「ねーねー、きょーやぁ、お腹すいたー」


そしてしゃべる。


すごい舌足らずな喋り方だ。


「はいはい、ちょっと待っててね」


「わーい」


小日向 京夜(こひなた きょうや)は、言われるがままに猫にご飯を用意する。


「はいどうぞ」


「ありがとう。きょーや」


「どういたしまして」


「じゃあいただきまーす」


京夜は目の前で嬉しそうに食事をする猫を見ながら、初めての出会いを思い出していた。


―――初めて会ったのは、自分の家の中だった。


自宅に着いてドアを開けてまず目に入ったのが真っ白な猫だった。


「うわっ!? お前どこから入ったんだ?」


驚いて声をかけると、それ以上に驚く事があった。


「わわ!? 人が来た!」


「……え?」


一瞬思考が回らなかった。


どこから声が聞こえたのかと辺りを見回すが人らしきものは見当たらないし、まさか奥で泥棒でも居るのかと、足音をたてないようにゆっくりと家の奥へと進むが、誰かが居た形跡もない。


そうして猫のほうを振りかえると。


「あっ!?」


一目散に猫は逃げ出していた。


これが初めての出会いだった―――


(本当に最初は驚いた……)


じっと猫を見続けていたのに気付いたのかどうしたのー?と言いたそうに首をかしげてこっちを見ている。


「ああ、ごめん。なんでもないよ。さ、ゆっくり食べててユキ」


ユキと呼ばれた猫は、言われた通りまた食事にもどった。



(ユキ)と名付けたのは


出会った日が冬だったからというのと色が真っ白だからと安直な理由だったがユキもそれを嫌がらなかったので、そのままにしておいた。


―――最初の突然の出会いから、ユキはちょくちょく家の中に忍び込んでいて、京夜と鉢合わせになったり、入り込んでくるところを見たりもした。


進入経路がわかってからも京夜はそのままにしておいた。


京夜自身も少しだけユキが来るのを楽しみにしていたのだ。


最初はユキも警戒していたのか、京夜を見るとすぐに逃げ出したが、京夜が何もしてこない事を知ると。


ユキも警戒しなくなり家の中で座ってたり寝てたりしていた。


京夜がさりげなく食べ物をユキの近くに置いておくと、ユキもさりげなく食べた。


そんなこんなを繰り返しているうちにいつの間にかユキがずっと居着くようになり、京夜もそれを気にしないようになっていた。


そして……ユキが人の言葉を喋った。


「お腹空いた……」


京夜はそれを聞いて驚いた。


猫が人の言葉を喋ったのだ、しかも一番最初に出会った時に聞こえたのと同じ声だった。


普通だったら誰でも驚き、気味悪がって追い出したりするだろう。


しかし京夜はそれをしなかった。


内心ではかなりビビっていたが、それを顔に出さずに。


「―――ご飯食べる?」


そんな一言を発していた。


それからというものユキは普通に京夜と会話をするようになり、京夜も自然に受け入れられるようになっていった。


「お前、名前なんて言うんだい?」


「名前って何?」


「えっ、えっと……」


返答に困る質問だった。


どう説明したものかと考えて、何とか答えを出した。


「僕のことを皆は京夜って言葉で言うんだ」


伝わるかどうかは分からなかったけど、精一杯考えた結果がこれだった。


「きょーや?」


「そう、僕の言葉」


「きょーや!」


「うん」


「きょーや!きょーや!」


嬉しそうに京夜の名前を連呼するユキを見ていて微笑んで。


京夜は猫にも名前を考えた。


「じゃあお前は、冬に出会ったし真っ白だから(ユキ)だな」


「ユキ?」


「そう、お前はユキ」


「ユキ……」


ユキはしばらくじっとなにか考えてるようだった。


「きょーや、ユキ……うん! 覚えた!」


「よろしくね、ユキ」


「えへへー」


こうして不思議な喋る猫のユキとの生活が始まった。


猫を飼うのは大変だと聞かされていた京夜だったが、ユキの場合は意思疎通が出来るのでさほど大変でもなかった。


まるで人間みたいな猫だなあと思った時もあった。


しかし猫は、猫であって……


「お風呂いやーーー」


「でも入らないと汚いよ」


「いーやーー」


時には、猫の本能が勝る時もあった。


そのほか以外では躾も言い聞かせるだけでよかったし、楽だった。


そんな生活から結構な日にちがたって、今に至るわけだが―――


たまに自分の下に置いて良いのかとも思ってしまう。


「……ねえユキ、今の生活は楽しい?」


ユキは元々野良だったので、自由にさせてあげたほうがいいのかとも。


ずっと食事に夢中だったユキは京夜に質問されて、顔を上げた。


「うん! きょーやと一緒だと楽しい!」


「そっか」


どっちにしろ戻ってきてしまうのだろうという予感はあった。


だけど、その言葉を聞いて、心のどこかでほっとしたような自分もいた。


「今度どっかに散歩に行こうか」


「うん!」


猫の表情は分からなかったが、ユキは楽しみにしているようだった。



空は晴れ良い散歩日和だった。


約束していた散歩の日が来た。


朝からユキはわくわくしっぱなしだった。


「ユキー、行くよ」


「はーい」


猫の散歩は大変だ。


気まぐれさんはいろんなものに気を取られる。


ユキも例外じゃなく、あっちこっちにとび跳ねたりしていた。


追いかけるのは大変だったが楽しそうだったので、自由にさせた。


帰り道には散々遊びまわったからなのか


「きょーや、おなか空いたー。つかれたー、だっこー」


ユキを抱いて帰る事になった。


「はいはい、家帰ったらご飯にするから、待っててね」


こういう生活も悪くないなあと思いながら、日が沈んでいく帰り道を歩いて行った。


連日投下

今度は猫ネタです。

ほのぼのネタと、主人公僕っ子多いです。

ふと面白そうだと思って浮かんだ事をそのまま書いてみたのですがやっぱりなんか物足りない感じもします。

もっと精進しよう。

うん


今回も結構ボツになったネタとかもありましたが

読めるようにまとめたつもりです。




さてさて、本編関係で話すと本当にこんなことがあったらやっぱりびっくりしちゃうだろうけど、でも慣れれば面白いかもしれませんね。

現実ではありえない事だからこそかもしれませんが。

本当だったら最終的に人間になって会いに来るというのも考えたのですが、猫のままでもいいか―という結論に至ってここで終りました。


この後はどんな生活を送ったのかも気になる一人と1匹ですが、良い生活を迎えられる想像をしてあげてください。


では、今回もありがとうございました!


また次回の更新で~

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