出会い
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私は気付かなかった、後ろに迫る陰に…。
「ねぇ、君が北川奈々ちゃんだね」
「え……?」
不意に掛かった声に振り向いた時には遅かった。軽い衝撃を受けて私の意識は闇に沈んでいった。
「少し眠っていてもらうよ……」
背中にフワフワとした感触を感じる……。あれ? 私どうしたんだっけ……? 家に帰ろうとしていて、それで……。それで……それで、誰かに殴られたんだ!
ガバッと勢いよく起き上がる。どうやら私は寝かされていたみたいだ。
「気が付いた?」
ベッドの脇の椅子には見知らぬ男が腰かけていた。
「誰?」
シーツをしっかりと握りしめてわずかに男と間を取った。
「ははっ。そんなに警戒しないでよ。って無理な話だよね」
ニコニコと胡散臭い笑みを浮かべて、立ち上がる。そしてスタスタとベッドの傍まで歩み寄って来た。
「だって君を攫ってここに連れて来たの僕だしね」
「え!?」
さ、攫った!? 私、攫われたの!?
「あれ~、もしかして気付いてなかった? そっか、奈々ちゃんが僕の顔見たの一瞬だったしね」
何やら楽しそうに男はベッドの上に乗り込んできた。