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体力測定

垂直飛びの片思い

作者: ロミ
掲載日:2026/10/05

前作、『踏み台昇降の片思い』を読んだ方がわかりやすいです。

レトロ体力測定です。

 


 ※垂直飛びとは、直立姿勢から助走せずにその場で両足の力で垂直に飛び上がるジャンプ。

 壁面の測定板の前に立ち、指先にチョークの粉をつけて、出来るだけ高く跳躍。測定板に指先で印をつけジャンプした距離を測る。





 俺はドキドキした踏み台昇降を離れ、体育館に来た。

 体育館では、いろんな体力測定が行われている。

 握力、背筋力、垂直飛び、反復横跳び、立位体前屈、状臥上体そらし。


「お~い、お前ら、垂直飛びが空いてるから、垂直飛びから測定しろ」

 体育館の入口にいた俺のクラスに、顧問の先生の指示が飛ぶ。


 俺のクラスは、垂直飛びの列に並んだ。


 前のクラスの垂直飛びがすぐに終わり、俺のクラスが跳ぶ番。

 俺のクラスは、小さい背の順で跳んでいく。


 バン!

「低く!跳んだのかよ」

「うっせー」


 バン!

「おおー、さすがバスケ部、めっちゃ跳ぶ」


 バン!

「お前より跳びたかった~」

「残~念」


 指にチョークの粉を付け、跳んで測定板を思いっきり叩く。

 前に跳んだ人の指跡がどんどん測定板に重なっていく。




「握力測定が終わった女子は、垂直飛びに並べよ~」

 顧問の先生の指示が遠くから聞こえた。



 振り向くと、咲のクラスの女子達がこっちに来る。


 咲は俺の3つ後ろに並んだ。


 かっこいいとこを見せたい。

 ヘマはしたくない。


 俺は頭の中でシュミレーション。

 大きく腕を振って、膝を使って高く跳ぶ。

 よし!


 俺の番が来た。緊張する。

 指にチョークの粉を付けて、いざ測定板の前へ。


「あ~。ちょっと待って前田君。あなた身長高いから、先に測定板を拭いてくれる」

 記録をしている先生から、雑巾と小さな椅子を渡された。


 俺は、出鼻をくじかれたが、言われた通り小さな椅子に乗り、雑巾で測定板を拭いた。




 バン!

「おおー。凄い」「めっちゃ跳んだじゃん」「最高記録じゃね」

 チョークの後がない、綺麗になった測定板に高く跳んだ俺の記録が残った。


 俺は、チラッと咲の方を見ると、咲と目が合った。

 咲は、俺と測定板を交互に見て、笑顔で拍手してくれた。


 よし!好感触。







 ◇◇◇






 前田君凄かった。すごく跳んでた。

 跳んでる姿が、スローモーションみたいに見えた。

 その後、目が合ったけど、前田君めっちゃ笑顔だった。




 さて、私の番。


 測定板の前に立つ。


 測定板には、前田君の指跡がしっかり付いている。


 背伸びして腕を伸ばしても、もちろん届かない。

 あんなに高く跳んだんだ~。



 バン。

 思いっきりジャンプしたけど、前田君の指跡は、はるか上。


 やっぱり、前田君かっこいい。もっと惚れてしまうよ~。





 おしまい


 ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~


 〈あとがき〉


 それから、前田君は隣の反復横跳びの列に並びます。

 列に並んでいる間、咲を見ています。


 思春期の前田君は、咲が垂直跳びしたとき、体操服の隙間から、お腹がチラッと見えたのを見逃しません。

 無言でもだえる前田君。

 近くの友達はあきれ顔です。





お付き合いくださりありがとうございました。

最近の体力測定に、踏み台昇降も垂直飛びもないなんて…ガーン!。

平成生まれの読者様、小説のような事はあったり、なかったり想像にお任せします。

昭和生まれの読者様、懐かしい~と共感していただけると幸いです。

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