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愛援奇縁  作者: 七賀ごふん


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7/9

#7



「何言ってんだ」

照れくさいを通り越してる。でも偶然じゃないことがとてつもなく嬉しい。

捜してまで会いたいと思ってくれてたなんて、俺はどんだけ幸せ者なんだろう。


この力と秘密を唯一を打ち明けた相手が、俺を一番捜してくれていた。

「あの子か……」

病弱な彼を少しでも笑わそうと、御伽噺を聞かせるように縁の話をした。信じてくれて、喜んでくれて、その笑顔は俺の希望にもなっていたのに。


その子と離れて、いつしか人と距離を置くようになってしまった。


あの時から何かが眠ってしまっていたのかもしれない。


「いやー、照れるな。そんなに俺に会いたいと思ってくれてたんだ」

開き直ってるし、嬉し過ぎる。せめて口元がにやけるのを全力で隠したけど、腕を掴まれ簡単に顔を晒してしまった。


「恋愛できないんですよ。新しい恋に踏み出そうとしても、気付いたら貴方のことを考えてる。僕が独りだった時に必ず会いに来てくれた人のことを、中々忘れられなかった」


彼の両親が遅くまで家を空けていることは知っていた。それでうざったいほど構ってしまってんだろう。

隣合ってるのに家に一人で閉じこもることもない。どうせ一人なら、二人で過ごした方が絶対に良い。その感情と脆い記憶を。


「ごめん。俺も……」


忘れていたけど、失くしてはいなかった。


「嘘ついた。しばらく恋人いないみたいに言ってたけど、今まで一度も恋愛できなかったよ。やばいだろ」

「やばいですね。……俺達って」


言い直して笑う彼の顎を指で弾いて、肩を寄せた。

ずっと「縁」は見るものだと思っていたけど、そうじゃないみたいだ。

知ってる場所から動けない俺に彼が教えてくれた。縁は自分で手繰り寄せるものなんだ。


その夜も、いつもと同じ速さで時間が流れた。



「久宜さん、俺も無事社会人一年目なんだけど」





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