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信じるな

「みんな騙されているんだ。やめろ。なんだその注射は。この女の言うことを信じるな。殺される。死ぬ。助けてくれ」


 必死だった。この状況から逃れたくて、大声で泣き叫んだ。しかし、助けは来ない。


 逃げようにも、僕の二倍はあろうかという大きな女に手足を押さえつけられて、身動きがとれない。


 一番信じていた人に裏切られた。なんでこんなことになってしまったんだ。涙が頬を流れていく。


 白ずくめの男が注射器を持って近づいてきた。そして、ちらりと女(僕が最も信頼していた女だ)の方を見やる。


 女が「一思いにやっちゃってください」と言うと、白ずくめの男は黙って頷いた。


「大丈夫。痛いのは一瞬だけだから」


 そして、その小児科医はこう続けた。


「それはそうと、ママのことを『この女』とか言っちゃダメだよ」

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