表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蘇生魔術と空間管理者たち  作者: なー
黒羽の視点
9/33

形勢

第2広域空間群・第2空間・開闢空間。

すなわち法術師、空間管理者REFの拠点。


そこに撤退し、呪詛システムの確認を進めようとするREFの背後から、

第2広域空間群管理者である白洲が音もなく現れる。

その登場は、空間歪曲すらほとんど感じさせず、

自然な流れの中での出会いとなる。

双方は驚きもなく、ごく自然に会話を始める。


REFは作業を進めながら、白洲は背中を伸ばし、くつろぎつつ。


「で?どうだったんだ彼らは」


「まあ、早晩壊滅するだろう。

……俺にすら拮抗するようなら神坂には勝てん」

視線を向けずにREFが応じる。

その目には空間全体の歪曲マトリクス図が浮かんでいた。


「ま、俺が出てもよかったんだけどさ。

神坂と同格の俺が評価したほうが早かっただろ。

REFにはそれもあるしな?」

――それとは今REFが作業している空間管理だ。


「いや。こんな面白そうなのに関われないのは断る。

というか手加減できたのか?」


白洲は肩をすくめる。

「まあな。──何を使おうか。手札が多いのも困るな」


「だろう?白洲が最近戦闘していたイメージないぞ。

何ならお前ストレンジレット初手ぶっぱだったと予測がつくぞ」


「そういうREFはまあまあいろんな事が出来て楽しそうだったな?」


「──まあまあ、楽しめはしたさ

久しぶりのこれ以外の魔術行使はな」


「ふー。ホントにこの空間の趣味の欠乏はひどいよな」


「……作ってくれてもいいんだぞ?

こんな反乱も防げただろうに」


「作ってはいるんだがなあ」


「へえ?どんな」


「広域空間群管理者以上での構想だがな。

開闢空間に自然発生する文明の観察……とか、

仮想紛争……とかな」


「ほう。基底世界を舞台にするのと何が違うんだ?」


「空間開闢時に高度条件を設定して、

多様な生物を期待する。って感じだ。

──なんなら神坂が個人保有開闢空間にウイルス文明を確認したらしいからな」


「ウイルス文明……?」


「詳細は不明。これもうっかりxectが漏らした情報だよ。

──いつの時間軸だろうな。遠未来かもしれん」


「xectは本人すら時間感覚が迷子になるからな。

で、周りは頭を抱える。いつもの流れ来たな」


「ま、そんな構想があるんだよ。

成果が出る前にこの反乱軍事件が発生したけどな」


REFは画面に浮かぶ歪曲マトリクスを眺めながら呟く。

「惜しいな。南下以下反乱軍には情状酌量の余地はある気がしてくる。

まあ、ここには帰さんが」


白洲は笑みを浮かべる。

「相変わらず冷徹だな」


◇◇


REFが姿を消した後。

黒羽の開闢空間に5人の反乱軍が集まっていた。


「あー……元のREFの空間には帰れないな。

対転移膜だ。まあ、戻れちゃっても追われるだけだろうがな」


「で?どうするんだ」


「いったん別空間に接続できるか?黒羽」


「……まて、それはやめておけ。最悪接続した瞬間に攻撃をくらうぞ」


「なら、この時点で要塞化か」


「予定より早いが致し方ない」


「──しかし、情報量が少ないな。

要塞にできそうな物資がほとんどない」


「まあ仕方ない。要塞化前提の空間開闢なんてしないだろ。むしろ当然」


「まあ、魔力が潤沢な法術師がいるんだ。

物質変換でどうにかしよう」


「……俺は第3広域空間群に行ってみる」


「まあ、まだそこでは波風立ててないからね」


「胞構造全体に波風が波及してたら終わりだけどな」


「ついでに物資、できれば基底世界の深宇宙の惑星あたりを持ってきたいね」


「じゃあ俺はこの空間で再度空間創生・開闢するよ。

情報量・物質質量を増やせたらいいんだけど」


「了解。まずはゆっくり休め。

──というかみんな休め。REF戦後だぞ」


「まあ俺だけは指名手配される前に物質をかっぱらってこないとだけどな」


「南下は……まあ後でだ」


◇◇

方針会議後。

糸代は黒羽に呼び出されていた。


「なんだよ、俺一人だけ呼んで?

……。南下には恥ずかしくて言えない話か?生暖かく聞いてやるぜ?」


「……。いや、アンタにあることを頼もうと思うんだ」


「なるほど?」


「俺の罪悪感を消してくれ。

糸代はそういう……。マインドコントロールが得意だと南下に聞いた」


「ま、確かにな。で、どう弄ってほしい?」


「今からの反乱。元弟子の根鈴との衝突が予想される。

元は彼女のために始めたのに、……。いや、自分のためか?

目前にすると手が止まると思う。

その、迷いを消してほしい」


なるほど。皮肉だなあ。とりあえずハンカチを出して。

「大変だったんだなあ……!」


「あっ。そういうのはいい」


……。そうか。まあ、

拳が震えているしな。切実な悩みだろう。


とりあえず何をすればいいかは分かった。結局まだ迷ってるんだな、お前。

「じゃあ、幾つか聞く。

・自意識は残すか?

・目的であるADRIへの攻撃を法術師に妨害されたらどうするんだ?

無力化か?殺害か?完全分解か?……そこまで殺意があるのか?

・最後に、根鈴はどうするんだ?

例外にするのか?容赦しないのか?」


「俺は──」


──黒羽の意思を聞いた。それじゃあ。始めるか。

“マインドコントロール”を。


黒羽の昏倒を確認。

まあ、脳を弄ったからな。


……あることを仕掛けた。それがどうなるか。

口角が上がるのを自分でも感じる。


◇◇


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ