表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
蘇生魔術と空間管理者たち  作者: なー
最終決戦
27/33

要塞中枢へ

結界で包んだ根鈴のところに気化肉体をまとめる。

細胞レベルのベクトル干渉は今更お手の物。

滑らかに肉体を圧縮して人型に戻る。


ドン引きしてる根鈴。

視線が心なしか、いや、明らかに冷たい。

自分の意思で戻れる以上まったく気にしないが。

まあドン引きするか、仕方ない。


現状恒星近くの宙域。

単体で飛んでくるマスドライバーは脅威ではない。


無視して要塞の構造体に接近する。

恒星フレアが要塞を回析して襲い掛かる。

……だからこそ人型に戻ったが。どっちのほうが良かったんだろうな。


まあいい。マスドライバーを回避しつつ恒星フレア、すなわち荷電粒子を防御。


そうして要塞に侵入する。


◇◇


近代的な内部装飾だな。

といいつつ恒星光をフィルタリングして自然光を確保。

開放的でまあまあ快適な生活空間じゃないか。


魔力反応。足音。誰かが来る。

先ほど登場しなかった糸代だろうか。ここで来たか。


が反応するより早く両手をあげて無抵抗をアピールしてくる。

「あー。主力構成員の糸代だ。戦う気はない」


無条件降伏だ。

根鈴も怪しいと思ったのか。

「なんか企んでます?」

「いや?」


(うーん。何を言っても無駄だなこの状況)

単純に戦闘が嫌なのかもしれん。

いや、反逆している以上何を言っているんだという話ではあるが。


しかし彼の得意領域はマインドコントロール。

戦闘向きではない。

ならありえなくはない。


《読心術》!

……普通に企んでるじゃん。


──根鈴への期待を。


「怪しいが、黒羽のところへ急ぐぞ」


そしてわずかな声量で、おそらく本人に伝えるつもりはなさそうに

「……うまくやれよ?黒羽の愛しの一番弟子」

と呟いた。


……この激励を根鈴本人に伝える気はない。

表情を見れば十分だ。

事ここに至っては誰の言葉もいらない。


◇◇


恒星を取り囲む3軸のリング、宇宙要塞中枢。

その内側、恒星表層付近に黒羽は待ち構えていた。


根鈴の姿を認めたであろう彼は一瞬視線をそらし、その直後にはその感情の残滓は消え失せていた。

違和感を覚える。それは根鈴も例外ではない。


思い至ったのは、

「糸代か」


その感傷を吹き消すように声が耳朶を貫く。

「来たか!待っていたぞ」


「よりによって最終決戦の舞台がここかよ」

「雰囲気出ているだろう?」

「自信を取り戻したようだな。反乱軍の結成で人の温もりに触れて癒されたと。

……案外かわいいところあるな?」


「……見ろよ、恒星のプロミネンスが立ち上り、磁気嵐が吹き荒れる。

超越者の決戦にふさわしい」


あ。話題を逸らした。


「……がこの場にそぐわない奴もいる」


おもむろに指先を根鈴に向ける。

だが二人は見逃さなかった。根鈴をこき下ろす瞬間、わずかに表情をゆがめたことを。


「《空間開闢》!」

「《思考加速》!この子を安全圏に追放するにしてもやり方があるだろ!」

特に言い方!


2人の空間干渉が拮抗する。

最終決戦は優しさの裏返しを否定できない、黒羽の弟子への手向けから始まった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ