迎撃
あれは、魔力で被覆し、継続的にベクトル干渉、直進性・誘導性を確保した《被覆プラズマ弾》だ。
そしてそうならばあの被覆プラズマ弾はまだベクトル干渉能を残しているはずだ。
だったら。
強力なエネルギー、すなわち魔力で吹き飛ばす。
上位管理者をなめるな。
普段空間開闢を執行する魔力量がどんなものか見せてくれる。
といいつつ10^90J(空間生成級)もいるわけはない。
10^18J程度(小程度の惑星質量級)の魔力を運動エネルギーとして放散。
魔力、否、エネルギーの暴風にさらされた被覆プラズマ弾は強風にさらされたろうそくのように掻き消える。
さて、向こうの一手を凌いだが。
次はどう来る?
◇◇
ふと空間干渉、具体的には歪曲させる感覚を覚える。
俺の付近の景色が捻じ曲がる。《短距離転移》か。
何が叩き込まれてくる。
空間管理者級としての次の手は何だ。
とりあえず攻撃の起点から距離をとる。
飛行術式で急軌道。
しかし次から次に俺の付近に新しく空間の歪みが生まれる。
そうして数瞬回避を試みたのちに。
遠方。宇宙艦隊の方向にも空間歪曲。
艦隊の荷電粒子砲を転移させる気か。
確かに近距離から砲撃が発生すれば弾道計算の時間はない。
と考えているとついに遠方と座標がつながる。
ショットガンのように打ち付ける砲撃。
急軌道で回避するにも限度がある物量。
それが至近から、拡散して襲い掛かる。
ポータルに《魔力の弾》を撃ち込んでみる。
が、狙ったポータルはすぐに無効化。
見事だ。
そうして、一応の反撃を試みつつ、
紙一重で近距離から発生する遠距離砲撃を回避し続ける。
しかし、突如悪寒が走る。
防御層内に空間歪曲。
回避も防御も間に合わず、荷電粒子砲が防御層内に転移。
その攻撃は根鈴をかすめていった。
熱量と電荷が皮膚を強烈に焼く。
痛みに呻く根鈴。
出し惜しみしていると事故るな。
これを機に決着を急ぐとしよう。
光のカーテンの間隙から恒星を観測。
光学・磁場観測、時間経過による差分をその恒星の自転とみなして。
座標軸を確定。
精度は犠牲に早さを重視する。
この瞬間、この空間は空間干渉可能な座標系になり果てた。
魔力弾と空間開闢の合わせ技で二人を自身の保有空間に強制転移させる。
《魔力の弾》、魔力追尾。
空間管理者級の魔力量を捉えて誘導するミサイルだ。
相変わらず周辺の光が強くて見えないがこれなら二人に届くはずだ。
2発だけ生成。発射。
その攻撃は光のカーテンを超え、敵に食らいつく。
上位管理者としての経験と勘で命中する寸前に《空間開闢》。
保有空間と接続。強制転移。
続けて自分も超空間転移。
さて、二人が捉えられているといいが。




