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蘇生魔術と空間管理者たち  作者: なー
黒羽の視点
13/33

黒羽の本心・反乱開始

状況の持て余しようがひっどい


えっと、次話から神坂たち視点に戻ります


やべ、省略予定のとこ削らずに公開しちゃった(22:39削除)

ネタバレです。えっとどうしよ見ちゃった人いるかな。いるだろうなあ。ごめんなさい。

~黒羽視点~


黒羽の昏倒が癒えて目が覚めるころ。

ふと、星空すらない空間に強烈な光と影が産まれた。

黒羽ある仕掛けを仕掛けて興奮した糸代の叫びが響く。

「光あれ……!」


その言葉に三淵が突っ込む。

「糸代創生神かな?」


それに古俣が返す。

「いや、南下創生神だろ」


……ここの全員が察していたことだが、

南下が恒星系を転移してきた。

「待たせたな」


黒羽の開闢空間。反乱軍の拠点になっているその空間にて。


「というわけで、橋明とLXが合流してくれた。

空間管理者級だぞ」

と、南下たちが転移してきた直後に、

俺たちを集めて橋明たちを紹介してきた。


宇宙艦隊をバックにしているためかなりの重圧を感じる。

心理的にも、物理的にも大きな味方だ。


「いよいよ、反乱軍って感じがしてきたな」

「……まあ、そうだな」


と、南下に話しかけるが少し反応が薄い。

そのまま糸代の方へ向かう。


俺にかけられた洗脳のことについて聞きたいことでもあるのか……?


まあいいか。今紹介していた橋明たちの方へ向かってみる。


◇◇


「へえ、まあまあ広いな」

「ああ、空間戦争の舞台としては申し分ないか」

橋明たちが話しているところへ声をかける。


「どうだ?俺たちの拠点は」

「いいんじゃないか?……ここの空間開闢はお前が?」


空間管理者級から見てもこの空間は上々な出来らしい。

自己肯定感を胸の奥に秘めて自己紹介だ。


「ああ。黒羽だ。よろしく頼む」


「なるほど……一級法術師の身で空間開闢を習得したというのはお前か」

「南下には状況は聞いている。

……期待してるぞ。反乱軍リーダー?」


リーダー?

そんな柄ではない。そんなもの自分自身が一番理解していることだ。

南下に拾われて、なんだかんだで流されて。


……でもやってやる。まぎれもなく俺自身が自身の意思で始めるんだ。


「……まあ、リーダーってほどでもないがな。

いまのところこの空間でしか貢献していない」

俺は肩をすくめる。だが心の中では、覚悟が固まっていた。

昏倒した後の体はまだ完全ではない。だが、これから始まる戦いを前に、躊躇はできない。


「この空間を要塞化する……ということでいいんだったよな」

「ならばこの恒星を中心にして作ればよさそうだな」


二人につられてみたのは南下たちが転移してきた恒星系、その中心部。

今も光を放って絶えず周りを引き付けている。


◇◇


糸代と南下のほうに向かう。


「──と、いうわけだ」

「なるほど。解除条件は?」

「……根鈴の声で自覚するかな、するといいなぁ。

……と。本人が来たぞ」


俺の姿を認め次第、話し込んでいた二人がこちらに視線をよこす。


「さて、分かっていると思うが、管理者たちがいつ来るか分からない。

すぐに要塞化するぞ」

いつ、神坂ら法術師連合側の侵攻があるか分からない。

作業、特に拠点たる空間要塞の建設はすぐに始まった。


が、その中で一人、黒羽は自身の心と向き合っていた。


◇◇


……また流されている。

そう思った。気がつけば、俺はいつも誰かの背中を追っているだけだ。

けれど今度ばかりは──逃げられない。


叫び声、冗談、笑い合う声。

仲間たちのやり取りが耳に届いて、ぼんやりしていた頭が急速に現実へと引き戻される。

ああ、そうか──もう始まっているんだ。


視界に広がったのは、星ひとつない虚空に産まれる光と影。

あまりに大きな出来事のただ中に、自分が取り残されているようで、息を呑む。


……不思議だ。

胸の奥にまとわりついていた罪悪感も、恐怖も、今はかき消されている。

糸代の“仕掛け”──あれを、俺は自分から頼んで受け入れた。


根鈴の顔を思い出すたびに胸が締めつけられ、足が竦む。

その弱さは確かに俺の一部だった。

けれど、戦うためには切り捨てるしかなかった。

自分の手で断ち切り、彼女への情を縛る鎖ごと、糸代に預けた。


体はまだ重い。だが心は軽い。

洗脳か、覚悟か──その境界はもう分からない。

けれど、弱さを断ったこの心でしか前に進めないのなら、それでいい。


これからの戦いに立ち向かう意思だけは確かにここにある。

その先に彼女の未来が続いているのなら、なおさらだ。


「……やるぞ」


覚悟は決めた。


◇◇

恒星系に要塞が作られつつある。

恒星を中心として3軸で重なるようなリング状の構造体。

3軸のリングワールドはその全体を緩やかに回転させ、人工重力により恒星への落下を防ぐ。


三淵曰く、

「三重の光輪に包まれた恒星……まるで神殿だな」

とのこと。


その表層には古俣の小型端末母機や黒羽の仮想粒子砲を配備し弾幕を張れるように。


その周囲。およそ恒星要塞が見える範囲には橋明たちの宇宙艦隊が構える。


恒星光を反射する惑星たちと宇宙艦隊を背景に黒羽は口角を上げる。


「まるで人工の星空だな」

「まるで、でもない。

俺たちが作ったのだからね」

「ここが俺たちのアジトってことだな。

感慨深いね」


三淵、南下、糸代の感想を聞いて自信を得たかのように呟く。


「来るなら来い。空間管理者たちよ」

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