暁レポートVol.1
今回は、第3者から見た二人の紹介です。
私の学校には有名な男女がいる。
言わずもがな桃代葉央と片山狼だ。
なぜ彼女らが有名かを今日はお伝えしよう。
桃代葉央、1年A組。
姿形はそれはそれはまるで天使が舞い降りてきたかのよう。
大きな目に筋の通った鼻、それにぷっくりとした唇。
見た目はどんな人よりも可憐だ。
彼女に好意を寄せる男子は少なくない。
が、しかし彼女には致命的な欠落がある。
性格がおぞましいほど面倒だということだ。
基本的には自分に害がなければ無害である。
一度噛み付こうとすれば完膚なきまでにする。
それが例え男でも。
会話を聞いていれば一見馬鹿な会話だが、彼女、実は成績も優秀だ。
女王紫苑サマより唯一上に君臨するのが彼女だったりする。
運動神経は言うまでもないだろう。
良すぎる。
なんてたってアイスダンスの世界ジュニアで去年は1位を獲ってる彼女だ。
悪いわけがない。
そんな彼女のパートナーの片山狼、同じく1年A組。
彼もまたイケメンだ。
切れ長の目に高くて筋の通った鼻、薄い唇、まさに騎士だ。
やはり彼の人気も絶大だ。
しかし、いつも彼女の傍にいるため、女子生徒は中々一歩を踏み出せずにいる。
性格はツッコミ気質だ。
だがところどころSを醸し出す。
非常にオープンに(本人は隠しているようだがばればれである。)彼女に恋をしている。
彼女以外は皆気づいている。
成績は彼女や女王紫苑サマには及ばないもののそれでも優秀である。
運動神経は彼女同様、非常にいい。
そんな二人は基本的に常に傍にいる。
それはアイスダンスで息を合わせるためにだとも言われている。
まぁこのなぜ常に一緒にいるのかという疑問には諸説あるのだが、やはりお互いが傍にいて心地よいというのが根本的にはあるのだろうと私は考える。
この二人には良い意味でも悪い意味でも個性的な仲間がいるのだがそれは次回にするとしよう。
―香南新聞 編集長 暁 まどか