いったいこのオヤヂは何処の誰なんだ?
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もう九月に
入ったというのに、街全体が真夏の熱気に包まれたままのようで、俺は家までの帰途を速歩で歩きながら、何度も額に浮いた汗をワイシャツに袖を通した腕で拭わなくてはならなかった。まだ直射日光も当たる時間なので陽射しの痛みも感じる。 平日の授業が終わった放課後、陽はすっかり傾いて向こうの山の稜線に消え入りそうになった時間帯。 俺には下校時だからといって、特段一緒に帰り道を共にして、、無駄話を愉しむような仲の友達もいなかったし、いたとしたってそんな型にハマったような楽しい学園生活のひとコマを作ろうなんて努力にはあまり興味はないし。まあつまりは学校生活においても独りが性に合ってるんだ。だから、今日も自宅まで歩いて三十分程の道のりを独り急いでいた。これといって用事があるという訳でもないけど、まあ、早く帰って自室に籠もってエロゲの続きでもしたいというわけさ。部活のひとつもしてるわけじゃないし、親からの小遣いも充分貰っているからバイトをする必要もないからしてないし、放課後の時間は長いのさ。エロゲか、エロ小説か、ネットの無料動画か。独りでする楽しみはいっぱいある。どれも高校生活すべて使ったって飽きる程に遣り切ることは叶うまい。 俺の名前は花園樹。都内市部に位置するとある街に両親とともに住む独りっ子で、通っている学校は同じ市内の公立の進学校として名高い普通科高校だ。今年で二年生になるのだけれど。大学受験まではまだ少し間もあることだし、もともと大した大学に進学しようと気張っているわけでもないし。まあどちらかといえば他の奴等よりは、呑気な高校生活を送っていると言えるかな。
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