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お題シリーズ5

見逃し 運動場

作者: 仲仁へび



 学校の敷地内、運動場の隅で地面の上に座って、だべっていた俺達は風の流れを察知した。


――これは、来る!


 予想は現実になった。


 ビュウ、と風が吹いたその瞬間。


 俺達はくわっと目を見開いた。


 しかし。


「くそっ、見逃したっ!」


 駄目だった。


 目当てのものは見れなかった。


 くっ、今度こそはと思ったのに。


 俺達は「お前はどうだった?」「いや、だめだった」互いの結果を聞いて、なぐさめあう。


 なかなか手ごわいな。


 角度や立ち位置、風が吹くタイミング。


 様々な要素を計算したというのに。


 一向に、それが見れない。


 対象が少ないから地味に難易度が高いんだよな。


 もっと増えればいいのに。


「しかし今日もダメだったな。一体あと、何が足りないというのだ!」


 目的達成のために俺達は頭を悩ませながら、悔しさで震える。すると、いつの間にか遠くにいた人物が近くによってきていた。


「きさまらっ、ここで何をしているっ!」


 げっ、来た!


 俺は仁王立ちする応援団の女団長を見て、クモの子を散らすように逃げだす。


 しかし悲しいかな、運動部どころか何の部活も入っていない俺達は、あっさりとつかまって、拳骨をおとされてしまった。


「あのなぁ、お前らみたいなのがいるから応援団に入りたがる子がいなくなっていくんだろうが」


 女団長が、僕達がパンチラ目当てで運動場の隅に大集合しているのが、気に食わないらしい。


 証拠でもあるのかよ、と強くすごみたい所だが。


「次見ようとしたら、潰すからな。男の致命的な部分を」

「「「ひえっ!」」」


 女団長の発する圧倒的な殺意のオーラを受けて、全員内股になって震えざるを得なくなった。


 はぁ、今日もだめだったな。


 こうなったら、神の光景をおがめる別の場所を探すしかないかな。



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