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馬鹿舌と侮る事勿れ

作者: 飛騨 大地


最近、暑くなって参りましたね。

私は九州に住んでいますが、もう梅雨が明けたかなと感じるくらい良い天気が続いています。

まだ6月ではありますが、素麺が食べたいなと思い、昨日の晩の食卓に並べました。

素麺はいいですね。

準備も含めた調理時間は僅か3分。

こんな手軽に夏を楽しめる食べ物なんて他にないでしょう。


しかし、わたしは思うのですが、

素麺の美味しさというのは、イコール麺つゆの美味しさじゃないですか?

固茹でが好みというのもあるかもしれませんが、正直麺の味なんて感じられませんよね。

もっと言えば、私は麺全般において麺の味なんて感じたことはないのですよ。

若い男性の方なら結構共感してくれるのではないですか?

そしてこの事を私の父に言えば必ずこう返ってくるのです。

「馬鹿舌には何食べさせてもダメやな(笑)」と。

確かに私は細かな味の違いなんて分かりません。

豚骨ラーメンを食べた時、これが魚介豚骨なのか豚骨醤油なのかも分かりません。

ただ私は「美味しい」と言うだけです。

魚介豚骨も醤油豚骨も何もかも「美味しい」の一言で完結します。

でも、私的にはこれが一番正しいように思えます。

私の父親は味にうるさいのか知りませんが、食事の際に「これは味が薄い」だとか「これは美味しくない」等と、全部が全部否定的だという訳ではありませんが、口を出すことが多々あります。

私はそんな父の姿に侮蔑の目を向けてしまうのです。

食事においては栄養補給が第一であり味は二の次などということではありません。

作ってもらう側の人間は作り手にとって一番嬉しい言葉、つまり「美味しい」という言葉をかけるのが正しいと思うのです。

父親が言うには、味の批評は作り手へのフィードバックになるため積極的にした方が良いらしいのですが、こんなものは自分の意見が高尚なものだと勘違いしたイタい人間の妄言でしょう。

実際、私の手料理に対して変な批評をされたら「じゃあテメェが作れやボケ」と皿をひっくり返すと思います。


あなたは美味しいものしか食べたことがないからそんな事が言えるんでしょう?と思う人もいらっしゃるかと思いますが、私も「美味しい」とはとても言えないような料理を食べたことがあります。

そんな時は無言を貫くのです。

間違っても「マズイ」なんて言葉は吐きません。


私は食卓に何を出されても「美味しい」というので「馬鹿舌は安上がりでいいな」なんてバカにされる事が多いですが、私はあなた達よりも真剣に食に向き合っていると自負しています。

料理人への敬意があるのならば、料理に対してそんな軽口は叩けないと思うのです。





読んでいただきありがとうございます。

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