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8話目

 ポジションニングが完璧だ!幸い小説コーナーは部屋の隅に位置している。出入口からは離れていて死角も多数存在する。俺はバンチョーに「声を出すな」のハンドサインをした。


「これよりスニーキングミッションを行う。」

「ストーカーかよ」


 エイミーの素性を知れる良い機会だ。このまま監視させてもらおう。


「エイミー可愛いなぁ……どういう本読むんだろう?」

「頭良さそうだから教材とか読むんじゃない?」


 死角から覗いてエイミーを目で追っていたが……おいおいおい、こっちに来そうだぞ!?


「おいバンチョー、俺のデコイになれ。」

「そんな危険なミッション俺には出来ん!」

「お前のモブ以下の存在感はステルス迷彩と同等の力だ。鳥になってこい。」

「んな無茶な!」


 俺はバンチョーを押し出すと適当に本を探しているフリをしろとサインを送った。

 やはりエイミーはこちら側へ来ている。どんなジャンルの小説を読むんだろ?

 彼女は小説コーナーへ来た。バンチョーと棚で築いた遮蔽物で身を隠しつつどの本に手を伸ばすのか見てみた。

 エイミーが本を取る。引き出される本の表紙が抜き出てくる。タイトルは何だ!?






「星座の導き☆どんな恋愛も星座で運勢占っちゃおう☆〜私の恋の星はキラッキラ〜」








(ふぅん……こりゃエレーもん見ちゃっただ)


 意外だった。あのルックスで恋愛が上手くいかないはずが無いのにただの恋する乙女だったとは!?誰に恋してるんだ?俺か?別の男か?彼氏いるのか?

 エイミーはコソコソと本を開くとニヤながら読み始めた。どっぷりハマってるな……

 俺はバンチョーに内容を確認するように指示をした。バンチョーも自分のステルス能力に目覚めたのかキメ顔を俺に見せつけエイミーに近付いて行った。


「(本当に気付かれないなあいつ。その力は俺の為に使わせてもらうぞ)」


 エイミーの後ろにバンチョーがいる。空気だ。バンチョーはただの空気になっている!

 

 一通り確認し終えたバンチョーが戻ってきた。ここだとあまりにも目標と接近し過ぎているから俺たちは死角を利用しながら脱出した。


 図書室を出た俺たちは人気の少ない場所へ移動しバンチョーからの報告を聞いた。


「結論から言うと……エイミーは今、恋をしている」

「分かっとるわ!」


 相変わらずバンチョー鈍感だな。


「あの小説、小説というより星座占いを簡単にまとめた解説書みたいで非常に読みやすかった。」

「ほうほう!それで!?」

「分かったのはエイミーがさそり座ってことだ。」

「ふむ、さそり座のオンナか……ピッタリだな」

「以上だ。」

「おい!情報はそれだけかよ?」

「他にどこ見れば良いって言うのさ!」

「星座。占い。恋愛。そうなると最も気になるのは恋する相手の星座だろ!?相性気になるだろ!?普通そうだろう!?」

「え……?」


 忘れてた。バンチョーは恋愛に疎いんだった。


「あーでもランキング表みたいなのがあったと思う!さそり座と相性が良い星座はー……みたいな。うっすらだけど1位だけ覚えてるよ。確かふたご座だったはず。」

「おい、バンチョーよ。何か飲みたい物はあるか?」

「あっお茶飲みたい。」


 俺は近くにある自販機でお茶を買いバンチョーに奢った。


「報酬はお茶で良かったっけな?サンキューなバンチョー!」

「おっまぁいいけど。どうした?そんなニヤケ顔して。」

「俺の引き寄せの星が輝いているのが見えないのか?」

「何も見えません。」

「フハハハハハ!」


 俺は高笑いをしながらバンチョーに何も言わずにその場所を離れた。バンチョーも大人だ。1人で帰れるだろう。バンチョーよりも大事な人。エイミー。どこにいるんだ。今なら君にマウント取れる。引き寄せの力がどれほど強大なのかを思い知らせてやるッッッ!


「引き寄せの法則……エイミーと帰る。」


 俺はそこそこな声量で口に出した。ほぼ発動するだろう。まずは図書室に戻りエイミーを誘う。いなかったら探しまくる。今日で決着をつけるッッッ!


 俺は走った。図書室までノーストップで。方向音痴な俺でも引き寄せの御加護が付与されている!迷わない!最高にハイってやつだ!


―ガラガラガラー


 到着。人は先程と比べて空いている。いるなら簡単に見つけられそうだ!順番に確認していこう。


歴史


文化


教材


漫画


その他諸々




 あれ?いないぞ?もうとっくに移動しちゃったかなぁ。ちょ待てよ……まさかとは思うが最初の小説コーナーから一歩も動いていない……とか!?


 恐る恐る隅にある小説コーナーを覗くと……。


 



 ニヤケながら同じ本を読んでいるエイミーがいた。









 

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