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法則に従えばどんな運命も意のまま!

「引き寄せの法則」

自分が思い描いている理想と同じコトや同じモノが引き寄せられる。ただし、良いことも悪いことも……

そんな引き寄せの法則の渦に自ら巻かれに行ったポジティブシンキングな主人公、ヒロユキは引き寄せの法則によってモテていた?小中高時代を引きずりながら新しい大学生活を送ろうとしていた……


「よし!今日もカッケェーな俺っ!」


鏡に映る上半身裸の中途半端に筋肉がついた身体と濃ゆい顔を見て自分に「金髪ツインテールの外国人かハーフと付き合える」と引き寄せの暗示をかけながら家を出た。


「今日の俺は調子がいいぜ!何事も上手く行きそうだ!全ては引き寄せの法則でな!HaHaHa」


足取りは軽くすれ違う人々にも気軽に挨拶できる。無敵な気分だ。


「あそこの曲がり角で金髪ツインテールの子とぶつかる…しかも食パンを咥えている…そして付き合う…」


引き寄せの言葉をちっぽけな脳みその中で何度も復唱し、ぶつかりそうである曲がり角で差し掛かった時




(引き寄せの法則発動ッッッ!!!)




「遅刻遅刻ーっ!!!」


「キター!!!!!!」


(ドンッッッ)


「……ふぇぇ?」


「(完璧だ…引き寄せの法則万歳…)」


俺は金髪ツインテールの子がぶつかってくると想定していた、いわば遊びたくて寄ってくる犬を優しく抱き締めてあげるようにスタンバイしていた状態であった……故に!!!


その衝突現場はラブコメアニメでよく見る光景など微塵のかけらもなく可愛い豆柴みたいな子犬を想像していたからしゃがみ姿勢で抱き上げるようにしてしまった。


「ボディーがガラ空きだぜ?」


咄嗟に出た台詞がキモくなってしまったが、ただ視界が闇に包まれていた。俺は何を抱いているんだ?女の子なのは間違いないはず。もしや!?


しゃがみ姿勢から抱き上げるように身体を起こした時、引き寄せの法則によって完璧なタイミングでぶつかってきた女の子を太ももから持ち上げてしまい俺の顔面はパンツに、さらにスカートがヒラリと頭丸ごと覆い被さっているのではないか?


足りない脳みそで妄想と想像をガチャ混ぜして創造した理想をその一瞬で思い浮かべていた。


理想としては俺の中途半端な胸板目掛けて衝突する金髪ツインテールを優しく抱擁するイメージだったんだけどなぁ…結果はどうあれ引き寄せの法則通りの展開だ、ぶつかり方までは引き寄せるつもりは無かったもんね!まっいっか!


「つ……。」


(キタキタキター!付き合ってくださいね!分かってるよ?君の気持ち!顔も何も分からないけど俺の引き寄せの法則によって導かれた君は間違えなく金髪ツインテールの女の子!さぁ次の言葉を続けなさい。まぁ聞くまでもないけど!アッハ♪)





「痛ぅぅぅぅぅぅぅー!!!」





アッアララァアアァ?何それ?今時の女の子がそんな言葉発します?バトル漫画などでよく見られる「痛」と書いて「つぅッッッ」って読むやつですかァ?


「早く降ろしなさいよ!あとヒゲ剃れ!」


(あちゃー…朝バタバタで髭剃ってこなかったツケが回って来たな。てかこの場面でかよ!)


「ごめんね、急に飛び出してきたからサ。俺がクッション代わりになればなって思ってサ」


「いいから降ろしてくれる?この状態で口動かされたらヒゲが引っ掻いてくるんだけど!」


「こりゃ失敬。俺のヒゲが粗相をしてしまったようだね。でもね、俺たちは引き寄せの法則によっt」


「い い か ら 降 ろ せ…ッッッ!」


「ゴンッッッ!!!」


次の瞬間に俺は地面に叩きつけられていた。


なんだっけ?プロレス技にあるよね?この状態からマットに頭から沈める技。僕運動神経良いから上手く痛い所はかわせたんだけど。見事に決まったね。


女の子は技を決め終わると即座に俺に背を向け走り去って行った。恥ずかしがり屋さんなんだねフフ…


トンネルを抜けた後のような柔らかな光が差し込み視界のピントがボンヤリと合わさってゆく。その僅かな時間を俺は目に焼き付けた。ピンボケしているけど俺の引き寄せの法則は乱れることはないのだ。


「ばぁ!!!金髪ツインテールだぁ」


後ろ姿でも把握できる眩いばかりの金髪に左右に触れるツインテール。


衝撃的な出逢いだがこれは必然。必ず起こるべきして起きた出来事。そう、それも引き寄せの法則によってね…

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