三者面談
ほのぼの回です。
ある曖昧な空模様の午後
僕は少女の三者面談を終え、一緒に帰っていた。久しぶりに来た外はどこか色褪せて見えた。楽しそうに通りすぎる人々を見ては、なにが楽しいのだろうかと不思議に思った。
まあ一番楽しそうなのは隣で延々しゃべっている少女なのだが……。
「なあ……」
「うん?」
「お前看護士になりたいんだな」
「うん、そうだよ」
それは先の三者面談で判明した事実だった。
「なんでだ?」
「えっと……それは……」
少女は伏し目がちに顔を赤らめ、ちらちらとこちらを見てくる。
「あ、あなたが病気になっても看病してあげられるかな……って」
「ふむ……」
そういえばこいつは、僕が病弱だったことを話したあたりから急に学校に行って勉強しだしたな……と関係ないだろうことを思い出して。
「しかし……看護士となると男の下の世話もしないといけないが、おまえ、できるのか?」
不意に思い付いたことを尋ねると、少女がぴしりと固まった。こいつはとんでもなく男性が苦手だった(女子校に通わせて来たのは正しかったのか間違いだったのか……)。
次の日、屋敷の図書室で医学書を見つめる少女を見かけた。
「やっぱりわたし女医になる! どんな病気でも治してあげるよ!」
「医学部は動物の解剖や実験をするが、耐えられるのか?」
少女はまた固まり、しばらくするとわめき散らし始めてしまった。
「もういい! やっぱりお嫁さんになる!」
「誰のだ?」
さらにわめき散らされた。なぜだ……。
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