数日間の記憶
*
家を出て、駅の方面に歩いていた俺は思い出した。
――確か、先生が見回りしてるんだっけ。
極力、あのみるく先生に会うのは避けたいところだ…。
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しばらく歩くと、駅の灯りがぼんやりと見えてきた。
目的地の、駅の隣に併設されているスーパーは何でも揃うとの評判だ。
「・・・・・・・・・」
「あれー?幻覚が見えるー」
俺は、大変なものを見てしまった。
そこには、いたんだ。
間違いなく、本物だ。
「お前……何でこんなとこにいるんだよ…。おい、前田!!!!!」
大声で叫んだ瞬間、目が合った。
ふいっ
あいつはこっちの気も知らないで、俺を無視した。
まるで、俺なんか知らないかのような眼で。
「待てよ!――くそっ、無視すんじゃねぇ…っ」
まだ、日が沈みかけの駅は人が少ない。
おかげで見失うことはなさそうだ。
俺は走った。
そして、追いついた。
「なぁ、どうしてだよ?なんで、学校に来ないんだ!てっきり俺、俺…。お前が死ん――」
「……えっと、なんですか?」
前田はきょとん、とした。
「お前、何言ってんだよ…」
「あの、人違いじゃないですか?」
“――目の前にいるのに、ここにはいない。”
こいつは、間違いなく前田。
でも、違った。
あの頃には、もう戻れないんだな、と感じた。
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俺は、取り戻す。
あの頃の、前田を。
あの頃の、平和を。
――あの頃の、俺たち、俺自身を。
:
次の日俺は、前田の家を訪ねることにした。
「あ、早戸です」
玄関に現れたのは、前田の母親、楓さんだった。
少し前より、相当老けて見えた。
「あら、早戸君…。久しぶりね。あー、ごめんなさいね。あの子ったら部屋から出てこないのよ」
少し前なら、「流行の最先端ひっきー」だということをカミングアウトされても笑えた。
――しかし、今は状況が違う。
「それ以外で、おかしいとこはありませんか?記憶喪失とか」
いきなりこんなことを言われて、楓さんは一瞬驚いた顔をしたが、
すぐに答えてくれた。
「家出した数日間の記憶と関わること――人のことを全く覚えてないらしいのよ」
それが、答えだった――。
死んだはずの前田復活…!
過去の亡霊、改めM田に早戸はどうたちむかうのか!
乞うご期t…ぶべらっ。
すいません。なんか、ふざけてました。
また、読んでいただけると嬉しいな★とか
作者はデれてみます(末期なようです
ではでわノシ