ワタシだけのモノ
*
そして、次の日のことだ。
「今まで…一分だって遅れたことねぇのにな…前田」
その日、いくら待っても前田は来なかった。
――そして、そのさらに次の日学校にも来ていなかった。
「早戸、あんた知らないの?」
杏が話しかけてきた。
「ああ。昨日も、約束してきた癖に…来なかった。メールも返ってこないんだ」
「……そう…。ねぇ……、前田と遊ぶこと知ってた人って、いるの?」
「? そんなやついるわけ……あ…いた。白崎――は知ってた」
――沈黙が流れた。
「――まさか…ね。あ、あはは…もう、この話は終わり!やめっ!」
そのまま杏は、他の女子の輪に入って行った。
*
STが始まった。
「はぁーい。みなさん…ぐっど、もーにんぐ、ですねぇー」
――なんか、不自然だ!いきなり何故英語!?
「ええと、今日は前田ちゃんがお休みのようですねぇ…」
少し苦い顔して、みるく先生は言った。
「実は…昨日から、行方不明だそうなのですが…、誰か知りませんかっ?」
――反応はない。
やはり、誰も知らないようだ。
行方不明…。家出だったとしたら、メールぐらいあるだろう。
「そうですか…。もし、どこかで見かけたら、連絡してくださいね…」
*
ここは俺の部屋だ。
そして、隣には例の如く白崎がいる。
もうすでに、お茶は出ている。
「なぁ…白崎」
俺は、出来るだけ怪しまれないように自然に(いたってnaturalに)お茶を飲んだ。
「なんですかー?早戸クン」
持参のうさぎのぬいぐるみを弄くりながら、ぶっきら棒に答えてきた。
「あのさぁ、お前…昨日何処にいた?」
「……ワタシを疑ってるんですね。まぁいいでしょう。ふふっ…」
白崎が目を細める。
「………」
「早戸クンは…――ホントに聞きたいのかしら?」
「ああ」
――何なんだ。この緊張は…。
「早戸クンが、思ってるとうりだと思うわ。私は昨日、駅に行ったわ。そして、前田クンにあった」
――そうであってほしくなかったことが、現実となってしまった。
「前田クン…早戸クンのこと、ホントに好きだなんて、ほざくもんだから」
白崎は、微笑を浮かべた。
「――……おい…」
「私たちの仲を裂こうだなんて、なんて悪い虫なのかしら…」
「白崎……っ、お前…」
「蚊の媒体する悪疫みたいだわ。信じられない」
「――もぅ、やめてくれっ!もぉ…聞きたくない!」
「聞いてきたのは早戸クンなのに。……そうね、イジメすぎたかもだわ。ごめんね。あなたには、嫌な思いをさせたくないの」
「……もぉ、懲り懲りなんだよっ!お前には!」
「? どうして、そんなことを言うの?もしかして…あの女ね!あいつに何か吹き込まれたのね!――許せない」
「――そういうのが、嫌なんだ。白崎は、どうして分かってくれないんだ…。無理だよ。俺もぅ、お前とやっていける自信ねぇよ……」
「心配しなくていいの。早戸クンは。全部、私がやってあげるから」
「――早戸クンは、ワタシだけのモノだから…」
「…ワタシ以外の誰にも渡さないわ」
いやぁ、予告どうりにしてやりましたよww
うん。ホント、最近平和だったからね。
そろそろ被害者だしてかないと。マンネリ化だよ。
ドーナツ化現象だよ(って関係ないや
また次回〜*