あの話
*
「俺の、せい…?」
何だよそれ…。今まで何度もこいつに殺されかけたのは、俺のせいだというのか!?
「ええ。そうよ」
――そうして、白崎は10年前、すなわち、まだ俺が幼稚園児だった頃の話を始めた。
「あれは、私がこの街から引っ越す前日だったわ。どうやら早戸クンは、私のことを忘れちゃった様だけど」
「ちょっと待て!俺たちは、知りあいだったのか?」
それは、初耳だ…。
「覚えてくれてなかったなんて、想定外だったわ」
「ご、ごめん…。じゃ、続きを」
「あの時、私は全く早戸クンに興味なんてなかったのよ」
――は!?
こんなにも、執着心があるくせに?!
あ、いやこんなこと言うと変だが…。
「――けど、状況は変わった。私の送別会が、幼稚園で行われたの」
そういえば…そんなことがあった気がする。
俺は、考え込んだ。
「早戸クン…?聞いてる?」
「あ、ごめんごめん。続けてくれ」
「それで――その時も、なんともなかったわ」
――おいっ!?
「? 続けるわね?それで…最後の最後に家を後にするとき――も、なにもなかったわ」
「…っ!――はぁ!?」
それって全く接点なくね?!
俺が覚えてなくて当然だろ……。
「実は、その日早戸クンは幼稚園には来てなかったもの。その少し前に、あなたは私に告白したのよ。でも、私は断った。そのショックとは考えづらいから…おそらく、風邪でもひいたのね」
え…!?俺が白崎に、告白…?
確か、こいつのフルネームって――白崎 かなめ…かな…め?
「かなめちゃん!?」
嘘…だろ?なんでなんだよ?帰って来るなんて聞いてなかったよ…!
「うん。でね?この話には、続きがあるの。私があなたを好きになったのは――その一ヶ月後なのよ」
駄目だ。もう、なんとでも言ってくれ……。
「私のところに遊びに来てくれた友達から、ある話を聞いて…ね」
白崎の話は続き、俺の眠れない夜が始まる。
えと、みなさん!
応援ありがとうございますっ*
なんか、早く続きを…!という声を何人かの方に
頂きました;
これからも、頑張りますね!