表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/31

清算…しましょうか?


映画の内容を、一応説明しておこう。


魔界のプリンセス、ダークルル(16歳)は、ある日

人間界に、お婿探しの旅に出る。

が、しかし――


容姿が小学生にしか見えない、という絶望的な盲点に気付かず、

ことごとく、あしらわれてしまう。


でも、その時、手を差し伸べてくれた人がいた。

そして、ダークルルは彼を振り向かせるため、あの手この手を尽くす――



という、アニメだった。



ちなみに、これが観たいと言ったのは、あかりだ。

俺は、別にみたかったわけではない。


まぁ、生憎…ロリコンでも、オタクでもないのでね。



「お兄ちゃん、面白かったね!」


「え、ああ、うん」

あかりが、俺を見上げ、にっこりと笑う。


「それにしても、まさかあのタイミングでダークルルの許婚が来るなんてね――」


「――そう、だな」

こうして、あかりと出かけるのは久しぶりだなぁ。


「? お兄ちゃん?どうかした?」


「あ、いや何でもない」


「そか…。私たち、こうして歩いてたら、恋人に見えるのかなぁ…?おにい――」



「あれ?早戸じゃない!」



あかりの言葉を聞き終える前に、杏が現れた。


「げっ、杏…」


「ふっふっふ、ここで会ったのも何かの縁ね!文化祭の借り、返してもらうわよ!!!」

意地悪に、杏がほほ笑む。


「……おにい、ちゃ…ん?」


「あ、ごめんごめん。こいつは同じクラスのきょうっていうんだ」


「…そか…。杏さん、これからも、お兄ちゃんのこと、お願いしますね!」


少しの間の後、あかりは杏の方を向いた。


「ええ、もっちろん!」


「おいおい…」

――俺が、そんなに頼りないのかよっ!


「あ、お兄ちゃん、私…ちょっと、用事思い出したから、さき帰るね…」


「あ、おい、あかり…」


「杏さん、あとは、宜しくお願いしますっ…」


パタパタと、走って行ってしまった。


さて、どうしたものか…。


「よぉしっ! まずは、腹ごしらえと、行くわよぉっ!」


「…はぁ」



その後も、ゲームセンターやら、何やらに引っ張られ、結局もう、6時だ。


「今日は、楽しかったわ!じゃねーっ!また、今度つれてってねー!」


「っ…!もう、二度といかねぇよ!」


財布が…。すっからかんだ。


「……あーあ。疲れた」


こんなとこ、白崎にみられてたら、大変――


――空気が…変っ…



もしかして…白崎…?


はっ!となって、振り返る。



「あれ、奇遇ですねぇ!早戸ちゃんっ」


先生だった!


「もぉー、脅かさないでください…ふぅ」


「? 脅かす?自分に非があるから、そういうことを思うのですよっ?」


とにかく、今日はもう帰ろう…。

ホント、こんなとこ見られてたら、それこそお終いだ。



「――早戸…クン」



――白…崎…


どうして、こんな時に…



「どうして、そんな顔をしているの…?」



「じゃぁ、今日の、清算――しましょうか…?」



全てを知っているかのような、白崎の顔を見たとたん…


――俺は、思い出した…


……そうだ。こいつは――ずっと、俺をつけていたんだ――。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ