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Angel's Absorption

何かが自分には欠けてる気がする―


そんなふうに思い始めたのはいつ頃からだろうか


周りと何か違う気がすると感じ始めたのは小学校3年生の時。その頃は自分に何か凄い力があるから周りから煙たがれるんだと思っていた


転機は中学校1年生の時。親の都合で転勤し、新しい学校、知らない人たちの輪の中に入ろうと周りの人たちに話しかけた。最初は皆仲良くしてくれた。しかし2ヶ月、3ヶ月と経つうちに周りから人は消えていった。その理由が何かも解らないままに


高校時代はとにかく一人で過ごした。周りに話しかけるのが嫌だったし、なによりまた離れていかれるのが怖かった。


そして今、俺は大学に通っている。成績は悪い。1年生では3分の1の単位を落とした。1年生から2年生への間の春休み。いったい俺は何を見つけられるのだろうか。何を変えることができるのだろうか。解らないまま、時間は過ぎていく……








―…………っ―


何かの音が鳴っている。これは何の音だろうか。


……そうだ。エアコンの音だ。タイマーかけ忘れたんだっけ?


枕元に置いてある時計を確認する。時刻は深夜の0時47分。子供は寝る時間だ。


―キーン―


何か別の音がなった気がする。取り敢えず起きよう。


起き上がりエアコンを止め窓の外を見る。雪が降っている。そうだ、寒いからエアコンかけたんだった。当たり前か


……たまには夜の散歩も悪くないか。最近太ったし、ゲームばっかじゃ体に良くないとか当たり前だし


スキーウェアの上を羽織って外に出る。幸いその下は私服のままだ。午前中落とした単位の取得に来年どの授業を受ければいいか学生係に聞きに行ったから


……思い出すのはやめよう。暗い気持ちになるから


―………てっ―


そうこう考えてるうちに、目的地に着いた。と言っても徒歩8分にある巨大な空き地だ。昔家出した時には家からテントとかのアウトドアグッズパクってきてここで夜営をしたもんだっけ。懐かしい


―……けてっ―


だけどさっきから鳴ってるこの音なんだよ。煩いんだよ。ったく電話の着歌でもないし、RINEの音でもないし一体なん


―…つけてっ―


また聞こえた。視線をスマホから上げる。多分音は空き地の真ん中くらいから


「えっ……」


……そこにいたのは、天使だった


羽は生えていない。頭の上の輪っかもない。服が古代ギリシャみたいな感じでもない。輪郭もなんだかぼやけている


でも解った。理解した。頭ではなく、心で。コイツは天使だと。そしてそこに疑問を持てるほどインターバルもなかった。


天使の輪郭が歪む。風が吹く。傘が吹き飛ぶ。いや、吹いてるんじゃない。吸い込まれてる? どこに? 目の前の天使……いや、天使だったものに つかなんかブラックホールっぽい穴あるし!! こういうのって何かに捕まって凌ぐんだよな って掴まろうにも周りに木の一本もねぇよ! 雑草に掴まれってか!!


そうして俺は抵抗できずに穴に吸い込まれた。意識が急速に落ちていく。その中で俺はさっきまで不確かだった音をハッキリと聞いた


―見つけてっ―

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