表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/9

ご縁その2

「はぁ…」


ため息をつきながら、全ての授業が終わった俺は校長室に向かって歩みを進める。

会いたくもない人間に会うというのは人の心をここまで疲弊させるものだろうか。

どことなく歩幅は狭く、スピードも遅く感じる。

校庭からはカキンとバットにボールが当たった音が鳴り、廊下には吹奏楽部が奏でる軽快なリズムが響き渡る。

部活動に励む生徒達が自分の目には眩しく映る。自分も部活動に入っていればみんなのようになれるのかと一瞬考えた。いや、あの時に決めたじゃないか。もう俺以外誰も信じないと。


「ん、着いたか」


考え事をしているうちに校長室にたどり着く。ノックを3回し、中に入っていいかを確認する。


「どうぞ」


入っていいらしいので「失礼します」と部屋に入る。相変わらず、頭が痛くなる部屋だ。校長室の壁は全てピンク色で染まっており、所々にぬいぐるみが置いてある。他にも給湯器にはフリルなどで飾り付けがされていたりと今でいう原宿系?を再現したかのような部屋であった。

そして、その部屋に仕立てた張本人こそ国立新帝都高校校長の鳳城亜貴穂である。大変幼い見た目をしており、身長は140あるかないかくらいで、長ったらしい髪をさくらんぼのゴムでポニーテールに結っている。目はパッチリと大きく、そこら辺の小学生と変わらない風貌をしている。

「よく来たわね!!」

このロリ校長は元気な声でそう言った。

早く話を終わらせて帰りたい俺はとっとと本題に入らせる。

「今日は一体なんで呼んだんですか?」

すると、校長は顔を赤らめ、もじもじとし始めた。ロリコンならたまらないであろうシチュエーションだった。まぁ、俺にその気はないが。


「ふ……やり………」


ん?さっきのまでの元気は一体どこに行ったのか、ごにょごにょっと何かを言っているのは分かるが内容はまったく聞き取ることが出来なかった。


俺が聞き取れなかったのを察した校長はもう一度口を開いた。

「フェアリーGO…やりたいの…」


は?こいつなんて言った?

フェアリーGO?は?


また俺が聞き取れなかったと思ったのか先程の戯言を繰り返す。

「フェアリーGOやりたいの!」


嘘だろ?俺はそのために呼ばれたのか?

呆然としている俺を尻目に校長はフェアリーGOの素晴らしさについて語る。


「あのね!あのね!このフェアリーGOって凄いんだよ!妖精を捕まえるゲームでね!これ流行ってるんだって!この前、職員会議でこのゲームを授業中にやってた生徒を叱ったって話があってね。授業中にやっちゃうくらい面白いのかぁ!って。」


マジでキレる5秒前。

はーい、4、3、2。


「でね!でね!でね!このゲームやってみたくなっちゃったんだー!」


俺の怒りなんてお構い無しに、このロリ校長はピカピカのスマホを取り出し、俺にフェアリーGOのアプリを入れさせようと差し出してきた。これだよ。俺がこの人に会いたくない理由。この人に呼ばれるといつもこうだ。お菓子買ってきてとか、本読んでとか、ゲームの攻略法教えてとか、呼ばれては何かと面倒なことになる。


「はぁ…分かりましたよ」


フェアリーGOを遊びたくてワクワクしてる校長の顔に負けた俺は校長からスマホをもらい、フェアリーGOのアプリを入れる。


「どうぞ」


アプリをダンロード済みのスマホを校長に返すと、

「呼んでる!呼んでるわ!フェアリーが私を呼んでる!」と急に立ち上がり、元気よく、部屋から飛び出て行った。おそらく、フェアリーでも捕まえに行ったのだろう。ロリ校長に散々振り回された俺は校長室をあとにし、自分が住む六畳一間のボロアパート「崩れ荘」に帰ることにした。


疲れた。今日は本当に疲れた。早くシャワーを浴びて寝たい。崩れ荘に着いた俺はそう思いながら自分の部屋の鍵を開け、部屋に入る。

そしたら、まさかの光景が目に入る。


巫女服っぽいものを着た一人の女がもぐもぐとご飯と納豆、卵焼きを食べているのだ。

その女をよく見てみると燦然と輝く銀の長髪、見た者全てを虜にする銀色の瞳、顔も整っており、まさに完璧な美女であった。


「あ、あのー、なにをしているんですか…?」


おそろおそろ、彼女に向かって質問する。そうすると、彼女はビクッと肩を震わせ、こちらを見つめた。やっと俺の存在に気づいたのか箸を止め、ドタバタと俺の方に走ってきた。そして、頭を下げながら、

「私、貧乏神の楓と申します!これからよろしくお願いします!!!」

と高らかに言い放った。


これがアホ貧乏神との邂逅であった。




書かれることのない次回予告(裏話)

「てめ!5合も飯食いやがったのか!」

「だってぇ!ご飯が進んじゃったんですものぉ!」

「あ!取っておいたハムもなくなってるじゃねーか!」

「あ、それもおいしく頂いちゃいました♡」

「おいぃぃぃぃ!!!今月どうやって乗り切るんだよ!!」

「あ、それなら近くの公園に良さげな野菜が…」

「それはただの雑草だろーがっ!」




次回もお楽しみに!







常に前進、日々精進!どうも幻想ショコラです!はい!ということで、貧アホ第2話を書かせて貰いました。正直、今回のお話は面白くないですね(白目)。1話の終わり方をミスったせいでこうなりました。そのため、面白要素として、次回予告を書きました。本文で笑えなかった人は次回予告で楽しんでください!!新キャラの楓も出てきて物語はこれからどんどん加速します。これからも貧アホをよろしくお願いします!!次回は笑い要素を沢山いれます!

以上、幻想ショコラでした!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ