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僕の脱出ゲーム

この小説は『俺の脱出ゲーム』の別視点なので先にそちらを見たほうが分かりやすいかもしれません。

参りました、こんなことになるはずではなかったんです。

結論だけを言うと今僕はロッカーの中から出られない状況になっています。


「なっ!?ここはどこだ!?」


驚愕したような男性の声が聞こえました。

どうやら深い眠りから覚めたようです。


『やあやあ、相木堅斗君。睡眠薬はおいしく頂いてくれたかい?』


男が起きたことを感知し僕が喋りだしました。

まあ正しく言えば僕の声にボイスチェンジャーをかけて録音したものなのですが。


「だ、誰だ!?」

『どうやらお気に召していただけなかったらしい、残念だよ』

「いや、お前誰だよ?」

『私は、そうだな、管理人とでも名乗っておくとしよう』


やっぱり録音だと妙に会話ずれますね。


「管理人だと?お前の目的はなんだ?俺をこんなところに連れてきて何がしたいっていうんだ?」

『……』

「……」

『……』

「お」

『はっはっはっはっは!なあに、君を楽しいゲームに招待してあげたのさ!』

「あ、これ録音だな」


ああ、普通にばれてしまいました。

喉風邪さえ引いてなかったらいつも通り自分の口でやるつもりだったんですけどね。


まあ今回は録音の準備をしていなければゲーム開始を伝えられませんでしたので、怪我の功名といったところでしょう。


しかしあの録音機、リハーサルでも一回フリーズしたんですよね……

やっぱり安物を買ったのが不味かったんでしょうか……


『ルールは簡単!この部屋から脱出するだけ!小学生にだってできる至極簡単なことだ!』

「ああ、脱出ゲームか」

『制限時間は15分!それを過ぎちゃうと部屋にある爆弾が大爆発しちゃうぜ!』

「まあそれくらいあってもおかしくはないだろうな」

『そんじゃ頑張ってね!ス』

「……録音切るタイミングおかしくねえか」


機材不良なんです。


「ていうかもうこれ始まってるんだよな?うっわマジかよ、なんでこうなった!?」


正直あなたを選んだ理由は特にないです。

単純にターゲットとして良さそうな条件がそろってたから僕のゲームに招待してあげただけですから。


「まずは出口を確認するか」


どうやら脱出が始まったようですのでロッカーの空気孔からこっそり部屋の中を覗き込みます。

男は言った通りに出口の扉を調べていました。


「普通に鍵がいるタイプの扉か、ナンバー式なら総当たりもワンチャンあったんだがな」


少し前まではパスワード式にしていたのですが、先日運だけで一発で正解を引き当て颯爽と脱出していった異端者を見てからは鍵穴式にしています。

あの人はすごかったですね、二度とお会いしたくありません。


「さてと、じゃあこっちだよな」


男は部屋を見回します。


「しっかし、ずいぶんと荒れてるんだよな」


そうなんです、本来はもっときれいに整頓されているんですよ?


「棚も物も落ちてるし、本棚はぶっ倒れてるし、蛍光灯も外れかけてるときた。そういうコンセプトなのか?」


違うんです。

脱出部屋がこんなに乱雑としているのも、僕がロッカーに閉じ込められることになったのも、すべてはあの直前に起きた地震のせいなんです。


寝かせた男をここまで連れてきて、謎解きや機材、爆弾などの最終チェックを済ませて、さてモニタリングルームに行こうと思ったタイミングでの地震でした。


思ったよりも大きい地震に対し驚愕した僕は咄嗟にロッカーに入り、地震が収まるのを待ちました。

今考えればこれが完全に悪手でしたね。


地震が収まったことを確認し、今度こそ僕は部屋の外に出ようとしました。


しかしロッカーは開きませんでした。


当然僕は焦ります、だってつい先ほどまでロッカーは普通に開閉していたんです。


男を起こさないようにできる限り音を立てずにロッカーを開けようと奮闘しますが、まるで何かに押さえつけられているかのようにロッカーは開こうとしませんでした。


非情に見通しの悪い空気孔からロッカーの外を見た時、その理由が一瞬で判明しました。

ロッカーの目の前に本棚が倒れていたのです。


そりゃあ開かないわけです。

というより外側からこの本棚をどうにかしてもらえない限り自力で開けることはできないでしょう。


そのまま時間は無駄に過ぎていき、今に至るという訳です。


随分と悲しい状況にはなっておりますが、謎解きに関するものが壊れたり無くなったりしているわけではないようですからさっさとこの男には脱出してもらって知り合いを呼ぶとしましょう。

それに最悪この男が脱出を失敗したとしても今回使っているのはそこまで強い爆弾ではないですし、ロッカーの中の僕には被害が少ないでしょうから問題はありません。


むしろたまには画面越しではなく実際に現場でゲームを見させてもらうというのも乙なものでしょう。


そう考えるとこの状況も楽しくなってきました。


「さてと、どこから手を付けたものかな」


男はきょろきょろと辺りを見回すと、こちらの方へ歩いてきました。

もしかしてばれてしまいましたかな?と不安になりましたが、どうやら本に目を付けたようです。


取れる範囲の本を手にとってはパラパラとページをめくり次の本を手に取るということを繰り返しているようです。

これが噂の速読という物でしょうか?

実際に見たのは初めてですね。


しかしその本の中身は全く脱出に関係ないんですよ。

読むべきは表紙なんですが果たして気が付きますかね?


男は5冊の本を読み終えると溜息を吐きました。


「何もなしときたか」


そりゃあ何もありませんよ、それは表紙で謎ときを作るためだけに中身は特に見ずに用意した本ですからね。


「いけるのかこれ?」


いけるとは何でしょう?

ああ、本棚を立て直そうとしているんですね。


正直なことを言ってしまいますと、本棚に関する謎解きはあなたが先ほど読んだ5冊の本だけなので立て直す必要はないのですがね。

このロッカーにも謎ときに必要なものは入っていませんし。


まあ、一応本棚を立て直してもらえれば知り合いを待たなくてもすぐに出ることができて楽なので、自分的にはそうしてもらえると嬉しいのですけどね。


「かのフランスのベーコンも『やってみないとわからない』みたいなことを言っていたはずだ。よし、何事も挑戦だな」


それはフランシス・ベーコンの『海のほか何も見えないときに、陸地がないと考えるのは、けっしてすぐれた探検家ではない。』という名言のことを言っているのでしょうか?

この男頭が良いのか悪いのかよくわからないですね。


「うおおおおおおおおお!!」


す、すごいです。

雄たけびを上げるくらい気合十分なことはわかりましたが、本棚が動く気配が全くありません。


一周回ってすがすがしくなるレベルの非力さですね。


「うん、もともと本棚は倒れている状態で接着してあったんだろうな」


なんとも悲しい言い訳ですね。


「おお、管理人さんからの贈り物かな?」


おや、やっと爆弾の入った箱に目を付けたようです。

かなり目立つ包装をしておいたのでいの一番に見ると思いましたが、まあまあ時間がかかりましたね。


「おおう、サプラーイズ」


事前に爆弾があるとの報告はしたはずなのでサプライズではないと思うのですが。

なんでしょう、ケーキでも入ってると思ったのですかね?


でもその爆弾はカバーを取るためのドライバーも、コードを切るためのニッパーも手に入れてない今では何もできないんですけどね。


「どうしたもんかね」


男は部屋を歩き回ると、出口の鍵が入っている金庫に目を付けました。

もともとはそれ棚の上にあったんですけどね、まさか棚ごと落ちるとは。


「これ大丈夫なのか?中身壊れてたりしない?」


金庫自体は相当頑丈なものですし、中に入っているのは鍵ですから壊れるようなことはありませんね。

前に金庫を壊そうとした人もいましたのでそのあたりも抜かりはありませんよ。


「小さめの金属……鍵か?」


おや、金庫を振った音だけで中身を当てるとはなかなか勘が鋭いですね。

これは反省点ですね、次のゲームからは金庫の中に梱包材でも詰めることにしましょう。


「総当たりチャレンジ開催かな?」


ふっふっふ、確かにその金庫はパスワード式ですからね。

その考えに至ると思いましたとも。


もちろん対策済みですよ?


「1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12」

『パスワードが違います、あと二回失敗すると次のパスワード入力までに1時間のペナルティがあります』

「1000000000000通りのパスワードの上で入力制限もありか」


そうです。

これぞ僕の運任せパスワード封じです。


膨大なパターンのパスワード、さらに回数制限を設けました。

これで運で開けるような人がいたらもはやその人は神です。


お願いしますから神は僕のゲームに参加しないでください。


「いや参ったな」


この男はどうやら神ではなかったらしくまた続いての謎を探し始めました。

しかし、最初に見つけるべきヒントはそこらに転がっているはずなんですけどね。

文字通りですけど。


『おーい、管理にーん、あれいねえ』


え?

ちょ、ちょちょ、ちょっと待ってください。


この声爆弾魔さんですよね。

何やってるんですかあの人。


『んー、まいっか。メモでも残しておこっと』


爆弾魔さん声抑えてください、がっつりマイクが声を拾っています。

そりゃあロッカーに閉じ込められて音声関係いじれない僕も悪いですけど、ゲームの雰囲気ぶち壊してます。


『管理人さ、あたしの、スペシャル改造ボム、間違って、持ってかなかった、はてな、あれ、並大抵の、部屋なら、消し飛ぶような、ものだから、使う前に、返して、まーるっと。これでオッケーかな』


だから余計なことを……今なんて言いました?


間違えた?

僕が?


確かに注文の爆弾を受け取るときなぜか爆弾が二つあって迷いましたけど。

普段使っている爆弾よりもなんとなく重い気はしましたけど。

なんかいつもと爆弾の構造違うなと思いましたけど。


今、まさに今使っているんですけど。

この男が脱出失敗したら部屋が消し飛ぶんですか?

ひょっとして僕もロッカーもろとも消し飛ぶんですか?


「それなら急がなくちゃな」


ええ、急いでください。

いくら部屋が消し飛ぶ爆弾と言えど、止めてしまえばそれはもうただの置物ですから。


『あれ?これもしかしてどっかに声届いてるっぽい?やっば!管理人に怒られたくないから聞かなかったことにしといて!』


爆弾魔さん安心してください、聞いていますよ。

というより今あなたがいるモニタリングルームには、念のために監視カメラを設置してありますから証拠までばっちりですよ。


『あはは!じゃーねー!バイバ『ガンッ』あぎゃー!腕!腕が!『ガタガタガタブチッ』』


ああ、何をやらかしてくれたんでしょうあの人は。

多分最後の音はマイクのコードが抜けた音だと思うのですが。


不安です、できれば余計なことをしないで帰ってもらえますでしょうか。


「まあいいや、とにかく次の手がかりを」


あ、電気が消えましたね。

やっぱりやらかしてくれましたねあの人。

ぜったいに機材に触らないで下さいと何度も何度も言ってきた覚えがあるのですがなぜなんでしょうかね。


「初見のゲームで縛りプレイとか、もはやそれは拷問なのでは?」


確かにこれはこちら側の不手際ですね。

この状況のまま放置するというのは僕の管理人としてのプライドに反します。


一つ手を打ちましょう。


下手すると僕の場所がばれますし、喉に来るダメージも多少不安ではあるのですが仕方ありません。


「あー、聞こえるか?管理人だ」

「あれ?管理人さんちょっと声変わりました?」

「ゲホッ、気のせいだ」


仕方ないじゃないですか、ボイスチェンジャーは持ち歩いていないのですよ。


「今度は録音じゃないんですね」

「緊急時だからな。とにかく電気が消えてしまったのは、ゴホゴホッ、こちら側の手違いだ。非常に不本意だがな」

「不本意なんですか」


不本意以外の何物でもないんですよね。


「まあとにかくだ、緊急時のために扉の左側のパイプの中に懐中電灯を用意してある。右に4回左に2回回すと、ゴホッ、キャップが取れるようになっているからそれを使ってくれ」


本来は単純に部屋の点検用に用意してあるものですけどね。


「ずいぶん親切ですね」

「ああ、このままだと、ゴホッ、私も困るのでな」

「困る?ああ、まあそれもそうですね」


あれ、なぜ納得してくれたのでしょうか?


……まあいいですかね、納得したのであれば掘り起こすこともないでしょう。


「まあそういう訳だ、ゴホッ、ゴホッ、健闘を祈る」

「わかりました」


これでひとまずは安心でしょう。

正直僕からは完全に真っ暗闇過ぎて男がどこにいるのかすらわかりませんが。


しかし喉風邪が悪化している気がしますね。

埃だらけのロッカーに長い間入っているので当然といえば当然なのですがね。


「よし、スイッチオン!」


どうやら無事懐中電灯を見つけることができたようですね。


思ったより部屋が明るくならないのは、電池が弱っているからでしょうか?


失敗しましたね、電池を取り換えておけばよかったです。

まさかこんなことになるとは思いませんでしたし、最近使っていなかったので忘れていました。


「えっと、なんだ?それぞれの色を数えよ?」


おや、いつの間にかにヒントの紙を拾っていたのですね。


それにいいですよ、それはドライバーを手に入れるための初歩的なヒントです。

そのヒントの紙の横に置いてあるフルーツバスケットのフルーツを色ごとに分けて数えるんです。


パスワード式の箱がフルーツバスケットに入ってますからね、これでわからない人は相当でしょう。


「色って何のことを言っているんだ……?」


あれ?


そういえばこの男が紙を拾ったのって暗闇の中ですよね。

もしかしてフルーツバスケットの存在を知らないのでは?

というより先の地震でフルーツバスケットはただのフルーツとバスケットに分解されている可能性が?


これまた僕側の失態ですかね?


「待て待て落ち着け俺、今まであった色のついたものを思い出すんだ」


待ってください、違うんです。

ほら、確かに分解されてはいると思いますがフルーツ自体は散らばっているでしょう?

それを数えて貰えば。


「そうだ!5冊の本はそれぞれ別の色だったはずだ!」


なぜその発想に至ってしまったのですか。


違います、軌道修正したください。

本を使うのはもっと後です。


というかそもそもドライバーの入った箱を見つけてください。


「冊数だと全部1とかいう超絶適当なパスワードが完成するが、さすがにそれはないだろう」


ええ、そんなことはしませんとも。


いやしかし参りましたね、運が悪いと言いますか、勘が鈍いと言いますか。


「ページ数か?」


本から離れてください。


どれだけ本が好きなんですか、本の中身は関係ないって言ったじゃないですか。

いえ、言ってはいないのですけど。


「12桁のパスワードと言えば、あの鍵入り(仮)の金庫だ!」


ああ、もうこれ駄目ですね。


今回もこちら側の不手際がありましたから、ちょっとした助言をするとしましょう。


「……」


あれ?


「……!」


……まずいですね。

喉風邪が悪化して全然声が出ません。


やはり本日のゲームは中止にして病院に行くべきでした。


今更後悔しても仕方ありませんし、この男にはなんとか自分で謎を解いてもらうとしましょう。

幸いまだ爆発までには時間があるはずですから。


「1、0、2、9、6、8、4、1、4、6、9、2っと」

『パスワードが違います、あと一回失敗すると次のパスワード入力までに1時間のペナルティがあります』

「嘘だろ?」


当然なんですよ。

まあ、さっさともう一度失敗してもらって自分の間違いに気づいてもらいましょうかね。


あまり美しくはありませんが、爆弾さえ止めれば金庫のペナルティーの時間も待つことができますし問題ないでしょう。


「となると、入力する順番か?」


ええ、ええ。

ご自由にどうぞ。


早いこと失敗して次なるなぞ解きに移ってください。


「この5色!そうだ!爆弾のコードのカラーリングと同じなんだ!」


そうですね、よく気が付きましたね。


理由を教えましょう。

その本は爆弾のコードを切るときのヒントに使うものだから配色が一致しているのですよ。


少なくともコードからパスワードを逆引きするために配色をそろえたわけではないのですよ。


「黄、白、赤、緑、青の順番だな、っていうか残り時間があと一分くらいしかねえ!」


……は?


待ってください、待ってください、待ってください、待ってください!

まだそんなに時間は経っていないはずですよ!?


残り1分ということは起動したのは14分前?

この男が起きてスタートしたのが4分ほど前なのですよ?


なんでスタートよりも10分も早く爆弾が起動しているんですか!?


これも地震ですかね!?

地震による誤作動なんですかね!?

本当に今日は厄日ですね!!


まずいです、これは本当にまずいです!!

こうなれば本当に緊急用に作っておいた爆弾停止ボタンをこの男に押してもらうしかありません!!


「……!……!!」


そうでした声が出ないんでした。


詰みじゃないですかこれ!!


もうなりふり構ってはいられません!!

早くこのロッカーをこじ開けなくては!!


「ガンッガンッ」

「うお!なんだ?時間切れ寸前の演出か?」


気付きましょうよ!!

音源を確認しましょうよ!!

もう本当に時間がないんですよ!!

消し飛びたいんですかあなたは!!


「よし!パスワードは8、4、9、2、1、0、2、1、4、6、9、6だ!」


だからそんなことをしている場合では!!


……え?


『パスワードを確認しました』

「よっしゃあ最高!」


流石に待ってください!!

それはこの状況的にも、ゲームの管理人としても異議を唱えなくてはなりません!!


嘘でしょう!?

どんな偶然があればあの見当はずれな推理から答えだけをバッチリと導き出せるんですか!?


原因は何ですか!?

僕の喉風邪!?

直前に起きた地震!?

この男の運の良さ!?

確認不足による抜け道の発生!?


狂っている!!

狂っていますよ!!


こんなことがあってはならない!!!


「ガンガンガンガンッ」

「頼むぞ!これで出口の鍵じゃないとか言われたら俺はおしまいだからな!?」


終わる!!


このままだと僕だけがこの部屋とともに消える!!


「はっはあ!これでこの部屋とも爆弾ともおさらばだ!」


いやだいやだいやだいやだ!!

こんな終わり方は認めない!!


「……!!……!!」


それでもどんなに叫ぼうとしても声は出ず、男は部屋から出て行ってしまった。

自動で扉が閉まり部屋は再び暗闇で閉ざされた。


『はっはっは!残念だけど時間切れみたいだな』


これは僕の声だ、タイムアップと同時になるように設定しておいた僕の声。


『今更あがいたって無駄さ、限りある時間を無駄にしてしまった君が悪い』


こんなのが最期だなんて僕は。


『脱出失敗だ』

一応本来の脱出方法。


最初のヒントでドライバー入手。

爆弾のカバーを外すとカバーの裏に『ポスターの裏』と書かれている。

ポスターをはがすと裏にマイナスのネジで止められた鉄板があり『外すには壊れている』と書かれている。

『壊れている』→『故障』→『胡椒』という訳で胡椒の中からマイナスドライバーの先を入手。

プラスドライバーをマイナスドライバーに差し変え鉄板を外す。

収納スペースが出てきてニッパーと『最下層の連中に聞け』と書かれた紙を入手。

『最下層の連中』とは五十音の一番下の段である『お行』のことであり

それぞれ本のタイトル

『笑う野良犬』→『わらうのらいぬ』→1

『夢見る乙女』→『ゆめみるおとめ』→2

『閉所恐怖症』→『へいしょきょうふしょう』→3

『卒塔婆に呼ばれた子』→『そとばによばれたこ』→4

『常世ノ王』→『とこよのおう』→5

の色の順にコードを切る。

爆弾を止めると12桁のパスワードがモニターに表示される。

金庫を開けて鍵を入手し脱出。


なお男がパスワードを導き出せたのは完全に偶然でした。

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