Let's go to the library.
Lesson7「さあ、図書館に行きましょう」
「べ、別にあんたが『Gパン』売らなくたって、なんとかなってたんだからねっ!」
クミは頬を染めながら、そんなことを言う。
ああ……これがツンデレね。
「いいんだよ。Gパンでもそんなに目立たないって話だったけど、やっぱりこの街には、あんまり人間はいないみたいだしさ。ローブの方が自然だよ」
ローブの一枚下は全然自然じゃないけどね。パンツ一枚だから、ある意味自然に近いかもしれないが。
「……ありがとう。嬉しかったよ」
「ん?なんか言った?」
「!っ……なんでもない!」
クミはそっぽを向いてしまう。まあこれくらいは聞こえないふりをするのが紳士ってもんだろう。
クミのツインテールがツンツン立っている。感情を表現できるらしい。どういう仕組みかは知らないが。
「ところでさ、クミ。後は何を買うんだ?日用品だっけ?」
「そうだね。あっちに別のホビットの店があるんだ。行こ」
俺達二人は連れ立って日用品店に向かうのだった。心なしかクミの俺への距離が近くなったような気がするなあ。
「よし、大体これでそろったか?」
日用品やリンゴやイチゴを荷物に詰めながら、俺はクミに確認する。
「そーだね。メモの内容はコンプリートしたかな!」
「そっか。……じゃあさ、クミ。ちょっとお願いがあるんだけど」
俺はクミの目を見て言う。
「な、なな、なによ。あたしをどこかに連れ込みたいの……?」
誤解を招くような発言はやめてほしい。てかここの街にはそんな施設があるのか?
「いや、逆だ。連れてって欲しい場所があるんだ」
「つ、連れてって?やだ、こういうのは男がリードして……」
あ、これ完全に駄目なやつだ。俺はこれ以上こじれないうちに結論を言う。
「図書館に連れて行ってくれないか?」
「としょ……かん?」
クミはハトが豆鉄砲を食らったような顔になる。
「な、なんだよー!最初に言えよな!」
「ごめんな。図書館、わかるよな?たくさんの本があって、借りられる場所だ」
クミはまだツインテールを立てている。怒ってる間はずっとこうなのか……。
「図書館!?はいはい図書館ね!わかったよ、行こ!」
そう言ってクミはどんどん歩いていってしまった。
俺は慌てて後を追うのだった。