真実は小説より奇なり(前編)
「こちらの事情で行ってもらうわけだけど、予言しよう。君たちは一人も逃げ出そうとする者はいなく、むしろ僕に向かって感謝するものも出るだろう」
突然摩訶不思議なことを言いだした男は、そう続けた。
男の言っていること理解できるほど冷静になっているものはいなっかった……。一人の少女を除いては。
だがその少女の思考は話の内容を理解しようとしているわけではなかった。
「思い出せ。思い出せ。どこかであったはずだ。どこのどいつなんだ!」
そう、女神である少女にはわかった。
かの男は、神だと。
少女は遥か昔の記憶を掘り起こしていっていた。時間さえあれば目的の男、神について思い出せるはずだったが、時はそんな彼女を待ってはくれず、物語は進んでいく……
「今から君達には前世の記憶を見てもらう。精神的にきついかもしれないが、まあそこは各自で何とかしてくれ」
神はそう言うと、今だとまどっている者達のことも気にせずに、パチン。と、指を鳴らした。
「それじゃあ、よい夢を」
そう言うと神は、一度戻ろうかと行動し始めたが、イレギュラーがまざっていることを思いだし、その者の対処について一瞬考えた。
「まあ、神になったときの記憶でも見せといたらいいか。よし、いったん帰ろう」
そういい、空気にとけるようにして消えていった。
そして、思わぬ神の気まぐれにより少女は自身の生まれたときの記憶について、初めて知ることになるのだった。
ほんと、遅れてすみません
これからもこういうことがあるかもしれません
先に謝っておきます
すみません