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第八話「私ってモテモテ!?」

「姫子さん、付き合ってください」

「え、そのちょっと、ごめんなさい」


 私は走り去っていった


 朝玄関で靴棚を開けると

 いくつかのファンレターとラブレターが入っていた

 それとどうやら私のファンクラブも出来たらしい


 彼、マルス・クレーのせいで私の人生はめちゃくちゃだ

 彼には早急に私の体から出て行ってもらいたい


 それともう一つ彼はやらかしてくれた

 そうテストだ

 私にテストの回答が帰ってくる

 国語45点

 数学60点

 理科55点

 社会50点

 英語100点

 地理100点

 世界史100点

 保健100点


 見れば分かると思うけど

 前半は私が受けた教科

 後半はマルスが受けた教科だ


「姫子、あなたってテストにまでキャラ分けてるのね」


 皆が関心したような声を上げる

 キャラじゃなくて多重人格だっつーの


 とにかく彼のせいで私の人生はめちゃくちゃだ

 今日はテストの日なので学校は早く終わった


「姫子、これからカラオケ行かない?」

「ごめん、ちょっと用事があって」

「そう、それじゃあまたね」

「うん、また」


 私は図書館によった

 私も彼と同じく多重人格について調べた


 多重人格

 別名解離性同一性障害

 本人にとって堪えられない状況を離人症のようにそれは自分のことではないと感じたり

 あるいは解離性健忘などのようにその時期の感情や記憶を切り離して

 それを思い出せなくすることで心のダメージを回避しようとすることから引き起こされる障害であるが

 解離性同一性障害は、その中でもっとも重く

 切り離した感情や記憶が成長して

 別の人格となって表に現れるものである


 要はストレスが原因で引き起こされる症状だ

 だが私は別にストレスを抱える生活は送ってはいなかった

 今は送ってるけど……


 そこで私はあることを思いついた

 もしかして彼は幽霊で、偶然私の体に憑依した

 そうね

 そうかもしれない!!

 何で今までそんな単純なことに気づかなかったんだろう

 私って馬鹿ね


 夜、早速私はノートに文字を書いた

 そのノートのページを開き机の上に置く

 そしてベッドに入り眠りについた
















 朝

 俺は目覚める

 携帯で日付と時間を確認する

 うん、いつもどおりだ


 そしてすぐ目線を机に向ける

 机の上にはページを開いてあったノートがあった

 俺は早速ノートの内容を確認する


「おはよう、マルス・クレー」

「おはよう、入江姫子」


 俺は独り言を呟く


「私も多重人格について調べたわ」

「ほう」

「でもあなたの言う通り、目星い情報はなかった」

「そうか……」

「でも名案が浮かんだわ」

「おおっ!」

「恐らくあなたは幽霊で偶然私に憑依した」

「ふむ」

「それであなたにお願いがあるんだけど」

「何だ?」

「霊能者にお払いをしてもらったほうがいいんじゃない?」

「ふむ」

「それで成仏したほうがいいわ」

「そうだな」


 俺は納得した

 彼女の言う通りだ

 俺は幽霊で彼女に憑依した可能性がある

 盲点だった


「P・Sってか早く成仏しなさいよこのお邪魔虫!!」


 酷い言われようだ

 こうして俺の一日は始まった


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