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第五話「私は私よ!!」

「P・S髪は切らないわ、私のお気に入りだもの、あと私の体に何かしてないでしょうねえ?」

「なんだそりゃ」


 これが前回のあらすじ

 って全然伝わらないな

 とりあえず彼女は俺の提案に賛成してくれたそうだ

 あと病院にも行ったらしい

 それで俺に医者に会ってこいっだそうだ


「母さん、おはよう」


 俺は2階から降りいつもどおりこの人物、いや、姫子の親であろう人に挨拶する


「おはよう、あなた、マルスさん?」


 唐突に質問された


「ええ、そうですが」


 俺は素直に答えた

 発音で俺がマルスであることがわかったんだろう


「一度病院に来てもらえませんか? 医者があなたに会いたがっているもので」

「それは結構ですが、その前に学校に行ってもいいですか?」

「え、ええ、それは構いませんが」


 俺は食事を済ませると制服に着替え

 学校に向かうのだった


 道中

 ”こんな髪型のどこがいいんだ”

 と思ったがまあどうでもいいか


 学校についた

 2-Cの教室のドアを開けた途端

 皆の視線が俺に集まった

 さすがに俺有名人すぎない?


「どうしたの姫子?昨日も休んでたけど」


 いつものようにオカッパ頭の少女が俺に話しかける


「あ、ああ用事があってな」

「そう、それより今日も外人さんの真似?」

「あ、ああ」


 俺たちは他愛もない会話をしていた


 授業が始まる


「この問題わかる人」

「はい」


 俺はどの授業でも手を挙げ答えを言い

 なぜそうなるか理由まで話した

 そのせいか俺のあだ名は”姫子博士”だ


「姫子博士、ここ教えて欲しいんですけど」

「ああ、構わないよ」


 休み時間に良く話しかけられる

 それにしても俺って何ていいやつなんだろう

 この子の印象をどんどん良くしてやってる


 昼食の時間

 俺は飯を食べたあとたそがれようと思い

 屋上へ出た


 すると屋上で男子生徒四名が一人の男子生徒に対して暴力をふるっていた


「おい、お前らやめんか!!」


 正義感の強い俺は早速彼らを叱りつけた


「なんだあ?」

「やろうってのか?」


 俺のほうへ振り向く男子生徒四名

 彼らは明らかにヤンキーみたいな出で立ちだった


「いじめは良くない、ぞ☆」


 俺はお調子者みたいに発言した


「はあん、てめえ女だからって調子こいてるとぶっ殺すぞ」

「てめえもこいつ見てえになりたくなかったらさっさと消え失せることだな」


 そういってヤンキーの一人が虐められてる男子生徒の髪を引っ張り持ち上げる


「おい、俺の話聞いてたか?」

「ああん?」

「いじめはやめろと言っているんだ」

「てめえ、一発ぶん殴らないとわからねえようだな」


 そう言ってヤンキーの一人が俺に近づく


「なんだあ? その目は」


 俺の目は恐らく彼らを威圧するような目つきをしていたのだろう


「調子のんなよごらあ!!」


 そう言って俺に近づいてたヤンキーは俺に殴りかかってきた

 俺はそれを回避しヤンキーの足に足を引っ掛けてやった

 ヤンキーが倒れこむ

 これで懲りてくれるといいが


「何すんだてめえええええ!!!」


 余計挑発してしまったようだ

 四人のヤンキーが俺に向かってきた

 俺はそれぞれのヤンキーを容赦なくぶちのめした

 この体が俺に合ってないせいか少々手こずったが

 まあこれだけ出来れば充分だろう


「お、おいこいつやべえよおおお!」

「づらかるぞ」


 そう言って四名のヤンキーは逃げ去るようにして走っていった


「大丈夫かい?君」

「あ、有難うございます!!」

「そうか、それは良かった、何か困ったときはいつでも俺に言ってくれ、助けてやるから」

「有難うございます、あなたは神だ」


 その言葉を後ろで聞きながら俺は屋上を後にした


 教室に戻ったあと


 皆が俺の元に押し寄せてきた

 どうやらさっきのヤンキーをやっつけたことで

 俺は一目置かれたらしい

 いや、前から置かれてはいるんだが


「姫子、武術なんて習ってたの?」

「いや、あんな奴ら武術なんてやらなくても余裕でしょ」

「さすが姫子!!」


 こうして俺は周りからさらにちやほやされるのだった


「明日はテストだな、皆頑張れよお」


 帰りのホームルームに担任が一言そう言い放った

 テストかあ

 テストは国語、数学、理科、社会、英語、地理、世界史、保健の八科目だ

 一日四教科で二日に渡って行われる

 本当なら俺がこの馬鹿な子に変わってやりたいぐらいだが

 恐らく明日は人格がこの子に戻っていることだろう

 だから四教科しかカバーしてやれない


「さて、この子のために勉強でもするか?」


 とも思ったがその必要はなさそうだ

 人格が変われば頭の良さも変わるからな

 それに大体の内容は授業を聞いて分かったし


 家に帰ると、この子の母が待ってましたとばかりに

 俺を向かい入れた


「そういえば病院に行く必要があったんだっけな」


 俺はこの子の母に連れられて病院についた


「君がマルス・クレーだね」

「そうです」


 俺は習得し終えたエレイ語で話す


「私の言葉が分かるかい」

「最初来たときは分かりませんが今は分かります」

「そうか、君、随分頭がいいんだね」

「伊達に第15部隊の隊長をやってませんから」

「へえ、君は隊長だったんだ!すごいねえ」


 医者と俺の他愛もない会話が始まる

 そして本題に入る


「君は何が望みだい」

「望みはありません、ただ……」

「ただ?」

「自分の国が戦争に負けたことを悔いています」

「そうかい、君は彼女、この体の元の人格にして欲しいことがあるかい?」

「特にないです、強いて言うなら髪を切って欲しいぐらいですかね」

「ハハハ、彼女は髪は切らないときっぱり言っていたよ」

「そうですかあ」

「とにかく、それ以外に君が彼女に望むことは何もないってことだね」

「ええ」


 医者はしばらく考えたあとこの子の母親に話しかけた


「お母さん、彼女は人格が変わってから何か問題はありましたか?」

「いいえ、学校にもいつもどおり通っています」

「そうですか」


 医者はまた考え込む


「マルス・クレーだったかな」

「はい?」

「彼女とのノートのやり取りは続けて欲しい」

「ええ、もちろんです、私もこの体から開放されたいですから」

「私も出来る限り協力するよ」

「ありがとうございます」


 そう言って俺たちは病院を出た


 俺は家に帰るといつもどおり筋トレに励んだ

 前も言ったがこの体は俺に合わない

 そのため俺の体に合わせるのだ


 夜、時計は11時半

 俺はノートに文字を書き

 そのノートのページを開きながら机に置いた

 そしてベッドに横になり眠りについた
















 朝、目が覚める

 まだ体が重く痛い

 ただ前よりはマシなので学校に行こうと思った


 机に目を移す

 そこにはいつもどおりにノートが置いてあって

 ページが開いていた

 ノートの内容を確認する


「改めましておはよう」

「……」

「俺の提案に乗ってくれて感謝するよ」

「……」

「医者にも相談しに行った」

「……」

「とりあえず君とのノートのやり取りは続けるように言われたよ」

「……」

「あとこれも君に伝えて置こう」

「何かしら?」

「どうやら君と俺は毎日入れ替わるみたいだ」

「……」

「まだ俺がこの体に宿ってから日が浅いから確証はないけどね」

「……」

「それじゃあ、ここから進展があることを望むよ、マルス・クレーより」

「……」

「P・S安心しろ、お前の体に興味はない」

「何よ!!こいつむかつく!!!」


 私はとても切れた

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