第二話「私って多重人格!?」
「先生、この子どうなっちゃったんでしょうか?」
俺は中年の女性に病院に連れられた
「おはよう」
医者にも挨拶してみる
「おはよう」
すると俺の国バルサ国で使われてるバルサ語で返事がきた
これはいい機会かもしれない
「俺は軍人でどうやらこの女性の体に乗り移ったみたいだ」
俺は医者に話しかける
しかし、彼は難しい顔をしていた
「う~ん、これは多重人格かもしれませんね」
「多重人格!?」
「ええ、彼女はバルサ語で話をしています」
「彼女、なんて言ってるんですか?」
「それが、僕にもバルサ語は挨拶しか分からないんです、バルサ国はもうとっくに滅んだ国でその言語を使う人はいないでしょうから」
「先生、うちの娘、大丈夫なんでしょうか?」
「しばらく様子を見るしかないですね」
彼らは訳わかんない会話していた
しばらくすると中年の女性は医者に礼をし
俺を連れて出て行った
病院から家へ帰宅した
俺は早速部屋に戻る
俺はこの女性の部屋を漁っていた
まずはこの体の持ち主について知らないといけないからな
ハンガーに制服がかけてある
これから察するに恐らくこの女性はどこかの学校の学生なのだろう
他には机、ベッドなど普通の部屋にならどこにでもある一般的なものだった
「おっ!」
俺は本棚に目がいった
これは丁度いい
この国の言語や知識は知っておく必要がある
「ふむふむ」
俺は朝から晩まで本棚の本を片っ端から読みあさり
彼女の学校のものであろう教科書も読みあさった
どうやらこの国はエレイ国という国で
使ってる言語はエレイ語
他の国と比べると比較的豊かな国で
近くの国とも友好関係にあるそうだ
この子幸せな人生を歩んでいるな
ちなみに年代は2035年
俺のいた時代より進んでいる
さて、本を読みすぎたのか眠気が襲ってきた
次は何について調べようか
そうだなあ自分の国バルサ国について調べてみるか
俺たちの国はリヴァート国と戦争をしていたし
その結果が知りたい
俺はそのまま眠りについた
「う~ん、よく寝た」
朝、私は目覚めた
でもおかしい
いつもは母が目覚ましがわりなのに
時計を見ると9時を回っていた
「いっけなーい、遅刻じゃない!!」
私は急いで支度をすると2階の階段から降り
キッチンにいる母に話しかけた
「もう!! お母さん何で起こしてくれなかったの!!」
「姫子、あなた大丈夫なの?」
え? 今なんて言った?
「あなた、多重人格っていうから」
「多重人格!?」
え? え? どういうこと?
「お母さん何言ってるの!?私が多重人格なわけないじゃない!!」
「だってあなた、昨日、医者に多重人格って診断されたのよ、まさか今の人格も別の誰かじゃないでしょうね?」
「何……言ってるのよ……」
「姫子、本当に大丈夫なの!?」
「大丈夫よ!!お母さんの馬鹿!!!」
そう言って私は家を出て行った
私が多重人格!?
そんなはずはない
「おはよう!皐月」
「姫子、大丈夫?」
「え?」
「だって昨日休んでたじゃない」
何よ……何なのよ
「ただの風邪だよ」
私は適当にごまかした
ふと携帯で日付を確認してみる
「うそ……」
日付が一日越しに過ぎていた
「あなた、多重人格っていうから」
ふと母の言葉を思い出す
私……本当に多重人格なの?
信じたくはなかった
でも信じるしかなかった
周りの様子が明らかにおかしいのだから
私は学校から帰ると
いつもどおり食事をとり
いつもどおり風呂に入って
いつもどおり部屋でくつろいでいた
しかし、頭の中は多重人格という言葉で埋め尽くされていた
「もうこんな時間か……寝ないとね」
私はベッドに入り眠りについた