翔べない鳥
夜の木にぶら下がるあの鳥たちは私が放した翔べない鳥
翼はちぎれくちばしは曲がり足なんて片足しかないのに
私は鳥かごで手当を施すよりも夜空に放ちたいと願いました
過ちかもしれません罪かもしれません
でも暗闇ならその醜さを隠せるかもしれません
やはり鳥たちは遠く高く羽ばたけるはずもなく
やがて暗がりに聳える木に実る果実となりました
あの木は誰の木でもありません
お好きなように果実をもいで下さい
放してしまった鳥たちはとうに
私のものではなくなったからです
けれどその鳥たちの翼を癒し
くちばしを撫でて片足を添えて下さる愛情に
私は幸せを感じて泣いたり笑ったりしてしまうのです