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魔術はつかえるようになるのでしょうか

ユリアナ5歳になりました。

ようやく5歳・・・・長い1年でした・・・そしてとても濃い1年でした。


よもやこの年にしてあんなに勉強・・・

ええ、大学受験の時よりも詰め込まれましたよ。

一般教養(言語、数学、地理、医学などなど)

加えて貴族令嬢の基本、礼儀作法、ダンス、等々。


政治や経済まで教えられた時には絶対、先生は私がどこまで理解できるか調べてたに違いない。


最近知った事だが先生の特殊魔力は『探索(サーチ)』というのだそうだ。

要は世界のありとあらゆるものの本質を探し出して調べつくすぜっ----というもののようだ。

やっぱりマッドサイ・・・・いや魔術だからちょっと違うか・・・

私の事も薄々気づいているのかも知れないです。


母様は先生にしごかれている姿を生温かい目で見守ってくれます。

助けては下さいません・・・・何故?

「ユリアナ頑張ってね」

と聖母の頬笑みで応援されては頑張るしかないようです。



自分で言うのもなんですがかなり優秀な生徒だったと思いますよ。

言語に関しては門脇(かどわき) 由利(ゆり)(前世)の時にかなり苦労して覚えたので問題なし。

数学は前の世界とほぼ同じだったのでこちらも問題なし。

政治や経済は聞き覚えのない言葉が多くあったのですがさすが子供の脳は違うわ~。

記憶の収納スペースが多いのか意外と楽に頭の中に入ってくるようです。


問題だったのは医学。

難しくって苦労したんじゃない・・・その逆でした。

あまりにも医学が発展してない!!

この世界では人体に刃物を入れるのはタブーとされているから病気になっても薬草による治療か母様のような『癒し』魔力を持つ魔術師に治療を頼むしかないのだが『癒し』の魔術師は本当に少ないから貴族ぐらいしか恩恵にあずかれない。

由利の時も思った事だった・・・

医者と呼ばれるものは数が少なく、逃亡中に何度か患者を治療した事がある。

医療器具も薬剤も何も無い処では私のできる事なんてたかが知れてた。

薬草の効能だって、もといた世界と同じかどうかも分からない。

助けられなかった命が沢山ある---

あちら世界では当たり前のように助かる命がこちらでは失われていく----

それでも医者に看取られた事を家族は感謝していた。

それが悔しかった。

感謝される事なんて何も出来なかった。ただ「医者」という名だけで患者を看取っただけだ。

己の力の無さを実感した。


由利には出来なかった事。

ユリアナになら出来るのだろうか?

ユリアナには母様と同じ『癒し』の魔力があるらしい。

未だ現れない私の魔力・・・



「令嬢は魔術を忌避されているようですね。」

先生の言葉にびっくりした。

そんなはずないのに、早く魔術を使えるようになりたいと思ってるのに。

「では、無意識なのでしょう。令嬢の心が魔術を使う事を嫌がり魔力を内へ内へと押し留めようとしているように見受けられます」


魔術を忌避。

やっぱり前世との関係ですよね。

無理やりこちらに呼び出され、閉じ込められ、殺された-----

すべて魔導師による魔術。

あちらの世界は魔術なんて存在しなかったから余計に未知なる力に恐れを抱いた。

それがトラウマとなって己の魔力を封じていると?


じゃあ、この気持ちを克服しないと魔術はつかえないってこと?

そんなぁ・・・心理学は苦手なのに。

・・・じゃなくて克服ってこの場合、どうすればいいんでしょうか?





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