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閑話1

リステリア視点です

-----愛しいユリアナ。

神様が授けくれた私たちの天使。


旦那様によく似た髪質の柔らかな髪を撫でてやると、とても気持ちよさそうに眠りにつく。

まだ幼いこの子に早くもこうして魔術の勉強をさせなければならないなんて。


この子の魔力は私のものとよく似ている。

多分、私と同じ『癒し』の属性を持っているのだと思う。

それでもこの子の魔力は表へ出る事がない。

アラート先生ですらこの子の瞳の奥まで視て初めて分かったと仰っていたわ。



外へ出ない魔力は幼い体を蝕む。

・・・でも、魔力のせいだけではなかったのだと思う。



ユリアナはよく悪夢にうなされていた。

はじめは幼い子供の夜泣きなのかと思った。

でも、あの子はいつも謝っていた。

涙を流し、いつも「だれか」に謝り続ける。

時折、耳慣れない言葉を発する事もあったけど。

「だれか」を求めて両手を空に彷徨わせる。


そして朝になれば何も覚えていないようでいつもの笑顔で挨拶をしてくれる。

熱のせいであまり外へ出かける事も出来ずにベットの上でおとなしく絵本を読んでいた。


あの子がいつも大事そうに読む絵本。

隣国の国王の英雄譚。

50年前に起きた史実をもとに書かれていると聞いたわ。

絵本の中の主達をいつも愛しそうに見つめて-----


-----転生者。

時折、生前の記憶を持つという子供が生まれるという。

『癒し』の魔力を持つ者に語り継がれる事。

それほど多くは無い…けれど---いる。


ユリアナも転生者なのでしょう。

それもユーテリアスの英雄王に関係している。


いつか、あの子がその事を話してくれるまでは母親でいられるのかしら----

いつか、あの子が話してくれた後も母親でいられるかしら----




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