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先生がやってきました

魔術師の先生が王都からやってきました。

カイゼル=アラート先生です。


青白く光る瞳、つりあがり気味の目尻が少し冷たい印象を与える知的イケメン眼鏡男子様です。

首元で一つに括られた金色の髪にはところどころに白い物体が・・・・20歳と聞いていたけど若白髪っ!まさかの若白髪なのかぁ!!・・・・と思ったらどうやら生まれつきだそうです。

ご本人より説明を受けてしまいました。

不躾にガン見してしまってごめんなさい。



「伯爵夫人たっての願いによりまいりましたが、私が見る限りご令嬢には魔力を感じられませんね」

自己紹介もそこそこにアラート先生は私を一瞥するとはっきり断言してくださいました。

えっ?じゃあ今までの高熱は?

そもそも魔力って感知できるものなの?あっ魔力を持っている者同士ならわかるのかな。

母様は魔力を持っているから私の中にある魔力を感じて先生を呼んだんじゃ・・・

それとも先生の特殊能力か?

う~ん気になる事は聞いてみるのが一番です。


「せんせい、まりょくをもっているのかどうかはみただけでわかるのですか?」

「魔力を持つ者同士は視る事ができます。力の強いものは体にオーラが現れ。例え少量でも瞳を見れば分かります。魔力を持つ者は少々特殊な瞳をしておりますので」


なるほど、じゃあ先刻から先生の周りに渦巻いていた青白いオーラは嫌々ここへ来させられた事による不機嫌オーラではなく本物の魔力のオーラってことでしょうか?

・・・あれっ?じゃあ私にはやっぱり魔力があるって事?

瞳が特殊と言ってましたが青い瞳の奥が時折白く光ることでしょうか。


やっぱり分からない事は聞きましょう。

相手はたとえやる気がなくても今のところは私の先生なのですから。


「-----私の瞳がなんですって?」

「はい、ですからせんせいのひとみにしろいきれいなチカチカがみえます。ははさまのひとみはきんいろにひかってました」

「それが視えると?」

「はい、せんせいは、からだからもあおとしろのひかりがみえます。ははさまにはみえなかったのでせんせいのがまりょくがつよいということですか?」


先生は私の質問に答える事はなく、ものすごい勢いで両手で人の頬を挟み覗き込んできました。

ちかっ!近いです!せんせっ----!

鼻の頭がくっつきそうな距離ってどういうこと------!

目の前に綺麗な瞳がウットリ・・・なんて場合じゃな~い!!



「・・・・なるほど」


納得したのかようやく放してくださいました。

きっと自分、顔が真っ赤な事でしょう。恥ずかしさで憤死しそうです。

まあ、先生にしてみれば子供の顔を覗きこんだだけなのでしょうけど・・・


「先程の言葉撤回させていただきます。ご令嬢には魔力が認められます。本来魔力は体をめぐり瞳から放出されていきます。しかし何らかの原因で瞳から魔力が放出されることなく体の中に籠もってしまい、力が体に高熱となって巡ってしまってるようです」

「自家中毒みたいなことですか」

「そうですね、その例えはいいと思います。自分の魔力に-----え?」


やばっ!声に出してたようです。

先生が不審な目で見てきます。


「ご令嬢はよくそのような言葉を知っておられましたね。確か御年は3歳----でしたか?」

「このまえ4さいになりました。ははさまがそのようなことをいってしんぱいしていましたので」


子供っぽく首をかしげながら笑顔でこたえますが、冷や汗だらだらで背筋が冷たいです。

こわいっ!この先生はヤバイです!!

昔(前世)の同級生にこんな目をした奴がいた。

『己の探究の為なら何でもしてやるぜっ』て奴だったよな。

アイツは絶対マッドサイエンティストになってるハズだ。

前世の記憶がある事がばれたら絶対実験体です。

なにされるか分かりません。

それだけは絶対避けなくては!!


「まあいいでしょう。これから家庭教師としてお世話になるのですから----時間は存分にあるでしょう」

ニヤリと笑う先生のお顔は怖いですっ。

どこぞの魔王様でしょうか・・・・

なにやら私の体の事も先生には面白い症例のようで嬉々として私の家庭教師をやるようです。

もう、実験体は決定・・・なのでしょうか・・・





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