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母はどの世界でも強いのです

「まあユリアナ、またその絵本を読んでいるの?」


今日もベットの住人となった私の様子を見に来た母様は呆れ顔で手元の絵本に視線を向けてきた。


「はい、おかあさま。だって、えいゆーおうさまたちかっこいいです」


なるべく三歳児っぽく、かわいくかわいくと心に念じながら笑顔で返事をします。


「本当にユリアナはそのお話が大好きね」


ええそりゃあもう!

だって3歳児じゃあこの絵本ぐらいしか彼らの事を見る事ができません。

子供向けにはなっていますが本人たちをちゃんとモデルにして書かれているようで赤髪の戦士、銀髪の英雄王、精霊王妃はあの子達の顔を思い起こさせます。

赤髪のやんちゃな息子、ガーディアル。知的で頑張り屋のライナス。おっとりしたやさしいレイティ。



「でも絵本はお熱が下がってからにしましょう」


母様は絵本をサイドテーブルに置くと私をベットに横たえると子守歌を歌ってくれます。

子守唄を歌う時の母様の瞳はエメラルドの瞳の中に金色の輝きが見えます。

歌も素敵なのですがこの瞳がとても綺麗で私はいつも瞳を眺めてしまいます。

最近知った事なのですが、この輝きは癒しの力を使う時に現れるもので母様は子守歌を歌いながら私の体調が少しでも良くなるようにしていてくれたのです。


あ、ちなみに私の髪も金色で瞳は青と碧を混ぜたような色でした。

母様似の顔のおかげで自分で言うのもなんですが中々の美人になるにではと思っております。

思わず鏡の前でガッツポーズをして侍女に変な目で見られましたが・・・



「リステリア、ユリアナは眠ったかい?」

ノックと共に父様が入ってきました。

まだ眠くはないのですがとりあえず寝たふりをしときます。

「ええ、あなた今眠ったところよ」


母様と入れ替わり今度は父様が頭をなでてくれます。

父様の大きな手が気持よくて本当にウトウトとしてきました。


「あなた、前にお話しした魔術の先生の事ですが」

「ああ、しかしユリアナにはまだ早いのではないか?まだこの子は3歳だ」

「でも、この子の魔力は特殊です。このままでは体がもちません。大変かもしれませんが早く魔力のコントロールを出来るようにならなくては」


なんですとっー!

思わず起き上がりそうになる体を必死で抑え、両親の会話を聞いていきます。 

眠気なんてぶっ飛びましたよ。



どうやら私の魔力は母様から受け継がれたようなのですが、母様曰く何かが違うようだとの事です。

母様にも分からないので専門の魔術の先生について勉強をしたほうがよいと。

母様のように癒しの魔力を持つ者は稀な上、魔力に飲み込まれ精神に異常をきたす(怖っ)のだそうだ。

3歳で早くも勉強なんてと父様は躊躇しているようですが母様の強い主張によって王都から家庭教師として魔術師がやってくる事がきまったようだ。


なんにせよ早くも勉強の毎日になりそうです。知識は必要ですから早いのはいいことです。

廃人は嫌なので魔術のコントロールは特に頑張りたいと思います。

前世では魔術なんて使えなかったから少し楽しみですね。















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