表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/31

転生前のわたし

ユリアナ3歳になりました。


今はベットの上で絵本をよんでいます。

どうやら私には魔力というものがかなりあるらしく幼い体には負担が大きく熱を出してはベットの住人です。

前世の記憶というのもどうやら悪影響を与えているようで膨大な記憶が幼い脳では処理しきれずショート。

高熱に魘され寝込む。の繰り返し。

おかげで3歳までの記憶は曖昧です。

まあ、あまり思い出さないほうが精神年齢40歳のおばさんにはいいような気がします。



ようやく魔力も体に馴染んできて高熱で魘される事もなくなりだし、両親や他の人とも言葉でコミュニケーションがとれるようになり色々な情報が入ってくるようになりました。



どうやら今住んでいる処は前世での私の終焉の地の近くのようです。



私はもともとこの世界の住人ではなかった------

地球の日本という国で小児科医をしていてあの頃は忙しくても毎日が充実していました。

ここに召喚されるまでは・・・

もう今はない国の王は『力』を欲したらしい、その為に異世界の住人の生贄が必要だったのだそうだ。

突然連れてこられ、閉じ込められた。

儀式を行うその時まで・・・


でも、そんな愚かな王にもまともな臣下だっている。

国の安寧の為に異界の者が犠牲になる事はないって城から連れ出してくれた。

元の世界には戻せないが守ってやる------と。


召喚の時に魔導師に付けられた印によって私はこの国を出る事が出来なかった。

彼は国の辺境にある友人の元に私を連れて行ってくれた。

力のある術師らしく、彼の息子(いや~息子がいた事にはびっくりした~)を預けていたらしい。

私に付けられた印を消すことはできなかったが感知されないように封印してくれた


それから数年は平和だった。

辺境の村までは追手が来る事はなく。私は彼にプロポーズされ、いきなり8歳の子持ちになっちゃったけど本当に幸せだった。


魔導師(あいつ)が来るまでは-----


突然村に現れた魔導師は次々と村人を殺して行った。

村の子供たちと私は儀式に必要だからと捕えられた。

彼も戦ったが魔導師の手によって殺されてしまった。

私たちの目の前で-----


魔導師は儀式を行うと言って陣を描き始めた。

私にはなんの力もなかった。魔導師を阻止する事も子供たちを守る事も。

せめて子供たちだけでも守りたい!

-----そう願った。

魔導師の作りだす刃が私の胸に突き刺さって、あたり一面に鮮血が飛び散り大地に書かれた陣が輝きだした

かすれゆく視線の先には真っ青な顔で泣き叫ぶ息子(あのこ)がいた。

-----ごめんね、巻き込んでしまって。守れなくって。


それが私が覚えている最期。



それからの事は転生してから知った。

この絵本もその一つ。

50年前に起きたこの事件をもとに書かれた英雄王物語。


あの子たちは『力』を得て魔導師を倒したそうだ。

そして虐げられた民の為に新たな国を創った。

あの時にいた息子(あのこ)の幼馴染の二人がユーテリアスの初代王、王妃となって子供達までいるんだそうだ。

風の噂では国は安定し、国王夫婦の人気はすさまじい程なのだそうだ。

つらい過去だけど今、みんなが幸せであってくれればうれしい。


しかし息子は表舞台にはあまり出てこないらしく、今どうしているのか分かっていない。

一体どうしているのか、少し心配です。

義母(はは)としてはもう少し大きくなったら様子を見に行きたいものです。







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ