表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/61

祐二を救え 2

陽子がそう言うとやっと祐一が出てきた。


「うすうす感じていたが・・・鬱陶しいほどに感じていたあいつの気配が消えたのはつい昨日のことだった。あいつ死んだのか」


「死んだのではありません。話に寄れば魂が呪縛されている、と」


「祐二を呪縛できるような奴が居るのか?」


「そもそも呪縛をできる人間など居るのですか?」


「いや、呪縛はこの世界ではできない。異世界の技術だ。祐二は何故呪縛された?」


陽子は祐二が呪縛されるまでにやった事を細かく祐一に話した。


「ああ~そういうことね」


一通り話を聞いた祐一は鼻をほじりながらふんふんうなずいた。整った顔が台無しである。


「じゃあその世界に行くしかないな。犯人をぶっ殺さなければ。だがその前に、祐二の姿を見ていくか」


祐一はそれだけ言ってドアを開けて出て行った。


「え!?ああ!」


陽子も急いで付いていくのだった。




「で、空港に来ましたジャガン」


祐一は空港に来てそう言った。アメリカだから大丈夫。日本だったら奇異の目で見られる程度だが米国なら怖い黒人のお兄さんが近づいてくるだけである。


「おい、てめえ俺達の縄張りで・・・え?」


祐一はその技で黒人の銃が入っていると思わしきベストに入っていると思われる財布を抜いた。


「のろま~~」


祐一がその財布を見せびらかしながら走って逃げ出す。


「やろう!返しやがれ!」


黒人の銃を片手に持ちながら追いかけ始める。


「やだ」


返すものか!といった感じで祐一が逃げる。ロサンゼルス空港ではスリなどに注意しましょう。黒人がその拳銃を祐一に向けて放つ。最近マフィアではやりの水平撃ちである。。


「水平撃ちみたいなアホみたいな打ち方で当たるわけ無いだろ」


「Fuck you!」


そうさけんで銃を祐一に向かって乱射する黒人。

 祐一は近くにいたおまわりさんに近づく。


「おまわりさんあそこに怖い人が・・・」


白々しい。


「なぁにぃ!?」


おまわりさんは増援を呼んですぐに走り出していった。




と言うことで祐一は飛行機のファーストクラスに乗っかっている。陽子は祐一の前で浮かんでいるので祐一は実に窮屈にしている。


(で、あなたはお金が欲しかったのですか?)


陽子が祐一に語りかける。


「いやぁ?暇つぶし」


(そんなことで人に迷惑かけたのですか?)


「あっちの方が迷惑だろ」


(駄目です!それでも人道的に・・)


「死人に口なし、だ。俺の幸せは俺で作る」


(むう・・・)


そう言った所で祐一はアイマスクをかけ、眠りに落ちた。




(むう・・・なんででしょうか。祐一さんがいくら揺すっても起きてくれません)


その瞬間。ピピっとアラームの鳴る音がする。そして二回目がなる前にその音は止まった。



「ふわーぁ。よく寝た」


あれだけ揺すっても起きない祐一はアラームで起きた。陽子は祐一の目の前でふくれっ面をしている。だがそれは森羅万象の出来事の中では実に些細なことである。


「貨物室に行くか」


祐一はすっと立ち上がっておもむろに腕に力を入れる。そして大きく振りかぶって床を殴り砕いた。寝る前から普通の人間には見えない陽子と話してた祐一に冷たい視線を送っていたおっさんはこんどは目を大きく見開いて唖然としていた。


祐一はそのまま貨物室に入り、偽装しておいた自分の荷物の武器弾薬をしょって、外への扉を開いてパラシュート無しで飛び降りた。


(えええええええぇぇぇ!?)


祐一の後ろから陽子が驚きながらくっついていく。

 そして祐一はそのままパラシュートも開かずに一気に地面まで加速していった。


「ヒャッホォーウ!」


そう言いながら祐一は祐二家の庭に突っ込んだ。



 祐一が突っ込んできて、中から見えるリビングの面々は最も年長だと思われる人物以外は驚いていた。


「・・・誰!?」


彩菜がまず叫んだ。


「なんか祐二に似てないか?」


彩音がそう答えた。


「でも・・・なんで墜ちてきたの?」


彩花が疑問を口にした。だが祐一はすでに歩き出していた。


「開けなさいって」


窓を叩きながらそう言う祐一に母彩子は反応した。


「祐二に似てるけど・・・もしかして~~?」


そう言いながら窓に近づいていく彩子。それを彩菜が止める。


「お母さん危ないって!!近づいちゃ駄目!」


「大丈夫よ~あの子知ってるし」


そう言って彩子がカーテンを開けると・・「祐二」がそこにいた。


「兄貴が・・・なんで?」


彩音が戦慄とした表情で呟く。彩子は少しため息をついてから、窓を開けた。


「入りなさい、話すことが山ほどあるわ」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ