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富村の日常

時系列は考えなくても良いです。


過去編は所々に挟みます。

北条麗花、竹中春樹、富村祐二は学食で食卓を囲む。一応お嬢様学校的なところがあるから机はいくつか独立しているのだ。彼らは円形の卓を三人で使っている。本人達はいつもと変わらないが周りから見ると目を疑うような光景が広がっている。

まず祐二の卓、バーモンドカレーならぬアーモンドカレーだった。本人曰く「カレーとアーモンドが混ぜ合わさり最強に見える」らしい。口出ししたくはないが、味覚大丈夫か?

 春樹はどうでも良い。小食だからと麗花の皿に食事を分けたほどだ。その好意も女子どうしの仲むつまじい光景にしか見えない春樹にも驚きだが。ちなみに頼んだものは、ハンバーグライス付きだ。

 最後に麗花。カレーやらハンバーグやらでよく分からない状況になっており、祐二と春樹のエリアをこれでもかと言うほどに圧迫している。だがすでに横には皿が五つ積み上げられており本人はまだ食べるらしい。目が血走ってるよコイツ。そして祐二が死んだ魚のような目をしているのはご愛敬だ。


「あ、みなさんこんにちわ~」


だがそこにもう一人の訪問者がやってきた。超天然癒し系美少女であり生徒会にいながら相談部にいる女性だ。名前は愛山優花(ゆうか)。祐二と同学年。性格はおっとりでよくドジる。常に笑顔を浮かべているがその中身はとても腹黒いというこのタイプにありがちな女性。外見は金髪癖毛ショートヘアーに頭頂部のアホ毛。祐二は切りたくてしょうがないそうだ。背は低めなのに胸は良く出ている。顔は麗花や椿と違いくりっとした目が特徴のか弱い印象を持たせる。その外見を利用して生徒会の仕事で各部活の予算運用や不正を暴いている。そのせいで自分を好きになったと勘違いし告白される回数も多い。相談部という得体の知れない部活を調べるときに祐二にはその作戦が通用しなかったためムキになって相談部に入部。なんだかんだ言って仕事をこなしている。春樹のことを弟のようにかわいがっており、祐二のことをライバルと考えている。なぜなら定期テストではいつも三位を取っており祐二の一つ下だから悔しいかららしい。それ以外にも理由があるが割愛させていただこう。最近のブームは祐二の照れ顔を見ること。でも見たことがない。そのためには過激な手段もいとわなくなっている。とりあえず黒いってことで。

春樹と祐二が顔を上げる。麗花は食べるのに一生懸命で顔を上げるそぶりも見せない。優花はそれを無視しているのかむかついているのか分からない微笑を浮かべている。


「あ、優花さんこんにちは~」


春樹が返事をする。祐二も軽く手を上げてそのまま食事に戻った。これほどの美少女がこの程度の扱いであることも滑稽である。


「あの~どうせなら一緒に食べませんか~」


春樹がそれに対して苦い顔をする。テーブルの上はこの始末、無理に決まっている。

春樹が答える。

「ええっと、無理だと思いますよ」


ガチャン!!と皿を置く音。


「ごちそうさま。剣道部の練習に行ってくるわ」


すぐに麗花が立ち上がり何枚もある皿を軽々と運んでいく。麗花と優花がすれ違いざまにメンチを切ったことは気のせいなのだろうか。

カレーを大体食べ終わってきた祐二が底に残るアーモンドを食べながら顔を上げる。


「開いたようだ」


そのまま笑顔で春樹と祐二のテーブルに着く。持ってきた料理はシャケのムニエルだった。ここの学校のメニューはいっぱいあるのだ。


「は~い」


と言ってゆっくり近づいてくる。そして椅子を持ち座るのだが・・・妙に祐二に近い。肘が当たる距離なので祐二は勿論いやがる。


「近いぞ、優花」


肘で優花を押すがそれが間違いだった。わざと肘が胸に当たるよう優花は腕を上げていた。ぷにぷにと祐二の肘が当たる。周りから見たらうらやましいことこの上ないだろう。優花は


「ん・・んは、ああ・・あ・」


という声を上げている。


「なんだこの感触は?」


祐二が優花の方に向く。そして少しの間硬直する。


「ツォイ!」


祐二は勢いよく席を立ち優花を乗せたまま優花の椅子を定位置に移動させた。


「そこで食べてろ!」


「ええ~いやですよ~」


負けじと優花もまた祐二の方に移動する。今度は祐二が春樹を盾にしていた。でもこの机は三人用、逆回りで優花も攻める。結局祐二と優花が回り続けになったので祐二が先に諦めた。




「祐二く~ん。ねえほら、あ~ん」


そう言って祐二にシャケのムニエルの切り身をフォークで食べさせようとする。祐二はそれを手慣れた手つきで軽くよける。


「春樹、この肉を何とかしろ」


「肉って何よ~失礼だよ~」


優花ちゃんプンスカ。

春樹は自分に話題をふられるとは思っていなかったので凄くいやそうな顔をする。


「僕が口を出すところではないよ、頑張って」


春樹はどうすることも出来なかった。一応彼女も恐ろしい力を秘めているからである。


「嗚呼、春樹ェ・・・・」


祐二は頭を深く抱え込んでそれっきり黙ってしまった。すかさずそこに優花が大きく抱きつく。


「大きな背中ですね~。それっ!」


背中にがしっとしがみつかれる。こんな状況では飯も食えない。


「うわ!離せ!!」


祐二が立ち上がって優花を大きくふりほどこうとする(天井にぶつけたり)がビクともしない。


「離さないよ~」


そこで祐二が突然動きを静止する。そして小さく笑った。馬鹿な!奴の自信はどこから来るのだ!?


「富村流反復横跳び!!」


祐二が視認できるかどうかも分からないスピードで多分反復横跳びを開始した。ショボイ。だが上にいる優花は楽しそう(視認できないが)な声を上げていた。


「ジェットコースターより早~い」


キャッキャ。


「離せ寄生虫!!食らえ!!クアドジャンプ!(四回転)」


祐二はレインボ~と叫びながら四回転で優花を一気にふりほどきにかかる!明らかに四回転は越えている!!


「あ~れ~」


優花は目が回って手をついに離し、何メートルも遠くに吹き飛ばされていった。

対して祐二は口を手で押さえ椅子で体を支えている。


「春樹ィ・・・・代金だ、払っといてくれぇ。釣りはぁ、いるぜぇ。俺は部室で、ウップ・・休んでるぉぇ」


祐二は春樹に代金(7000円)を渡す。

春樹は祐二の様子を見たらうなずくことしかできなかった。


春樹は支払いに向かう。その途中ケロッと優花が目を覚ます。まるで何事もなかったように。


「逃しちゃいました~」


と優花が呟く。春樹はさっさと生徒会室行けよ、と思いながら代金を払うのであった。


あれですかね、過去編はすらすら書けるんですよ。

でも現在編は難しいんですよ。

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