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愛山優花過去編 2

一人称が突っ込み役じゃないとはしゃげないので三人称にします


「おい、俺は一人で食べたいの。分かるこの気持ち?」


富村がいつも通り学食に行き、ラーメンを頼む。そして座る。その五分後だった、突然愛山優花がやってきて祐富村の隣に座ったのだった。無論富村は押しのけようとするが相手が女なのでいかんせんやりずらいらしい。


「分からない~。ねえ、一緒に食べちゃ駄目なの~?」


「駄目」


「なんでよ~」


「自分の心に聞け」


優花は少し胸に手を当て、目をつぶる。そして目を開けて言った。


「わかんない~」


「分からないか。じゃあ消えろ」


「酷いよ~祐二~」


全然悲しくなさそうに優花は富村に泣きつく。一瞬でやろうどもの視線が富村に突き刺さる。しかし富村はそんなことは気にしていなかった。はっきり言うと、ただ、うっとうしいのである。すっげえいやそうな顔してるのがよく分かる。


「しょうがない・・・頼んでこい」


そう言って富村は優花を行かせる。さて、このあと富村が取った行動はなんでしょう。


A・ラーメンを棄てて退散

B・戻ってくるまでに飲み干して退散

C・諦めて普通に食べる


「おい!富村がなんであの愛山を連れてるんだよ!!」


さっきまで向かいにいた男子が富村に必死に問う。富村も必死に言う


「分かりません!!」


富村自身はうまい返しだと思っているがその男子は少し血の気が多いので火に油を注ぐ結果になってしましましたとさ。


「分かりません、じゃねえだろ?どうやって騙したんだ?」


富村は胸ぐらを掴んでいる手を無理矢理引きはがす。そして言った。


「むこうがついてきたんねん」


何を思ったのかついに関西弁になっている。


「なめとんのかおら!!」


「なめてません!!」


「ぶっ殺す!!」


「まあまて」


拳を振りかぶった男子を制止する富村。そして自分の席を指さして言う。


「ラーメンがのびる」


男子生徒と富村の間に無言の間ができる。そして男子生徒がしびれを切らした。


「てんめえぶっ殺してやる!!」


そして思い切り富村の腹をパンチする。すると、ガァァン!と言う音が鳴る。


「手がぁぁぁぁぁぁ!!」


男子生徒が手を押さえてのたうちまくってる。富村が男子生徒に近づき、Yシャツの下から何かを取り出す。鉄板だった。


「ごめん。これ鉄板」


「いかさまだ~!!」


富村はそう言ったが男は泣きながら走っていってしまった。富村がそれを手を振りながら見送り席に戻ろうとする。


「祐二~~」


富村の隣の席で何事もなかったように手を振る優花。


「・・・チ!」


大きく聞こえるように富村は舌打ちをするが、優花はそんなのも気にとめてないようだった。


「私ミートドリア頼んだの。食べる~?」


そう言って優花はあろう事か富村にスプーンを近づける。食べろ、と言うことか。対して富村は全くの無視を貫くつもりらしい。しかしラーメンはのびていた。


「ゲロまず・・・・」


そう言うと、それが優花の攻勢に拍車をかける。すごくつらい顔でラーメンを食べる富村が口を開いた所に無理矢理ねじ込んだ。


「美味しいですか~?」


口の中を抑え、ゴホゴホ言っている富村のことを全く心配せず、味の感想のみを求める優花。


「ふざけるな!!口の中の血と混ざって鉄の味しかしなかった!!ラーメン食うと染みる!」


そう言いながら一生懸命ラーメンを掻き込む富村。その合間の隙をうかがってドリアをねじ込もうとする優花の構図ができあがる。


「・・・そこよ!!」


一気に優花のスプーンが富村の口に入る、かに思えた。しかし富村はそれを予期し、わりばしで防いでいた。


「詰めが甘かったな」


そう笑いながら言って富村はいつの間にか食べ終わったラーメンの容器を戻しに行ってしまった。さらに優花はこの日、勝手に富村に奢らされていた。


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