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転生しても魔王に迫られています。異世界ではなく現代ですが!?  作者: くろのあずさ
第1話 宿敵魔王と再会しました……現代で!
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7

「ああ」


「私、ひとりで大丈夫だよ!」


 凰理と紫音の声が重なり部屋に響く。利都はやれやれと肩をすくめた。


「紫音、倒れたんだから無理は禁物だよ。言うことをききなさい」


 優しくも有無を言わせない迫力があるのは、やはり前世からだ。紫音の反論を封じ込め、利都は仕事へと戻っていく。


 利都がいなくなり、重い沈黙が降りてくる。口火を切ったのは紫音の方だった。


「……なにを企んでいる?」


 強い眼差しを凰理にぶつけ、容姿には似合わない低い声で尋ねる。凰理はゆっくりと紫音のそばまで歩み寄ってきた。


「企む? 純粋に久々の再会を喜ぼうとは思わないのか?」


「思わない」


 からかい混じりの返答に紫音は即座に答えた。どうして喜ぶ必要があるのか、自分たちは――。


 そのとき凰理の手が紫音に伸びて来て長い黒髪に触れた。


「触らないで!」


 反射的に叫び、彼の手を払いのける。完全な拒絶にわずかに凰理の目が丸くなった。その彼の反応を見て、紫音の心はさらに揺れる。


「喜ぶわけない! 私はあなたを……」


 言いかけて口を噤み、そのタイミングで部屋のドアがノックされる。


「紫音、いる?」


 荷物を持ってきた実乃梨の声が聞こえ、紫音は素早くベッドから出た。手櫛で髪を整えながらパーテーションの間をすり抜け、ドアのところで待つ実乃梨の前に姿を現す。


「心配かけてごめん。行こう!」


 こちらを窺う実乃梨の背をさっさと押して出て行く。これ以上、魔王と話したくない。一緒にいたくない。


 なんで今さら私の人生に現れたの!? どうして思い出してしまったんだろう?


 胸が締めつけられるように痛むのはどうしてなのか。複雑に渦巻く感情はなにを訴えているのか自分にもわからない。紫音はひたすら歩を進めた。

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