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戦場

目を覚ますと周りには武器を持った人たちがいた。


説明しよう!私がどうしてこんな状況になったかを!

少し前に遡る。ずっと家にいていた私。つまり引きこもりだ。

久しぶりに外へ出ると綺麗な青空。光り輝く太陽。さえずるスズメ。そして巨大な手。

!?。私の家の真上には空の半分を埋め尽くすほど大きな半透明の腕があったのだ!

巨大な手が降りて来たかと思うと私を器用にヒョイッと掴んで…気づけばここにいた訳だ。


周りには剣を持った人たち。

背中には歩と書かれていた。

少し遠くには同じような見た目の人が並んでいる。

私も恐らく同じだろう。


後ろを振り返ると玉座に座った人がいた。

すると頭上から私を連れていった手と同じ手が降りて来た。

今度は私では無く隣の兵士を持って少し進めた。

足元はマス目状になっている。

もしかしてと思っていたがここは、将棋の盤じゃねえかああ!


終わった。もう駄目だ。

歩兵とか使い捨ての雑魚兵じゃねえか!


私が暴れていると突然、目の前に文字が現れた。

1番上には歩兵と書かれている。

その下には


HP3

所持ポイント 3

進化ポイント 5

持ち物 無し


と書かれている。

これは私が夢にまで見たステータス!?

だが、他のステータスが分からない以上この数値が低いのか高いのかは分からない。まあ、歩兵だし弱いだろうな。


それより、この進化ポイント?と所持ポイントとは?

でも、こういうのって大体ポイントを使ってスキルとかを覚えるってのが定番だ。

でも、特に覚えられそうなスキルとかは無いな…。

っていうか普通にスキル自体ねえじゃねえかよ!クー!


私が怒っていると巨大な手が私を掴み、1マス進めた。

相手の駒が2マス先にいる。この勝負、先に動いた方が負けだ。

私は何も出来ずに数ターン待っていた。全ての歩兵が1マス進んだ。

そしてここは相手のターン。

相手は私の列にいる歩兵を動かした!

神の手、巨大な手をそう呼ぶことにした。

神の手が私を動かし、相手の駒を叩き潰す…って、え?


私が相手の駒の上に乗ると突然さっきの場所とは変わりコロシアムのようなところへやって来た。

相手は歩兵。対する私も歩兵。能力は同じなはず!


しかし、私の身体能力を舐めてもらっちゃ困る。

なんてったって中学生になってから現在、24歳まで一度も外へ出なかった私をな!

相手は筋肉の塊のような化け物。私が敵うはずがない。


だがーし!私はかなりのゲーム好きだ。FPS、RPGゲームなどはどれもプロ級の腕。

ふっ、戦いの素人に負けるはずが無い!


相手が斬りかかって来たのを見てから横へ回避…って!転けた!

体が思う通りに動かない。

相手は迫って来ている!


私の腹に相手の剣が突き刺さった。

ゴボフォフ!

痛すぎる。

ペットボトルの蓋さえ開けられない私が勝てる訳無かったんだ。

実戦経験も無い素人が勝てる訳ないんだ。


…?死なないぞ?

腹を刺されて数分、痛みはあるがしっかりと意識はある。

そういえば、HPが3だったから?

とにかく、相手も困惑している。剣も持っていない。

今しかない!


私は激痛を堪えて相手の首に剣を投げつけた。

しかし、剣は数十センチ飛んで落ちてしまった。

しまった!


相手も少し困惑が解けた。

私は腹に刺さっていた剣を抜き、相手に向かって刺した。

剣は見事に相手の額に突き刺さり、相手は倒れた。

いや、待てよ?トドメを指すのはまだ早い。相手に話せば何か分かるかも。


「あ、あの、こん、いや、おはよ、はろ…」


そうだ!直接人と一対一で話したのは幼稚園で最後!言葉を忘れてしまったのか!


「うう…助けてくれ!死にたくない!うあああ!」


相手は私にしがみついて来た。私は咄嗟に剣を抜いて足に刺した。

これで相手のHPは残り1なはず。いつでも殺せる…。


「あ、ごめん…なさい。」


私は剣を抜いて背中に刺した。

相手は体が溶けるように消えていった。

するとまたさっきのステータス画面が表示された。


画面にはLV1と書かれ、HPが2、そして所持ポイントが4になっていた。

敵を倒したらポイントが増えた?

そして覚えられるスキルが増えていた。


歩兵 LV1

HP 2/3

所持ポイント4

進化ポイント5

習得可能スキル

回復 必要ポイント1 

鑑定 必要ポイント1

回避 必要ポイント1


どれも基本的なスキルと言ってもいいだろう。

回復は取っておきたい。回避もさっきの戦いで分かったが必要だ。

鑑定?相手の能力やステータスを見るあれだ。

スキルは全て取れるが進化も気になる。

金将や飛車に慣れれば強くなれるだろう。

でも、それまでに死んでは意味がない…。どうしたものか。


とりあえず回復と回避は取っておこう。

2つをポチッと押すと


回復 回避 習得!

マイナス2ポイント


と出て来た。進化ポイントの下に回復と回避が現れた。

じゃ、早速回復っと…ん?回復っと…え?ちょい!


回復を押しても「MP」が足りないと言われてしまった。は?

おいおい、ふざけんなよー。って!MPってなんだよ!知らねえよ!最悪だよ!!

ふざけている場合じゃ無いぞ。思っていたより深刻だ。回復するために貴重なポイントを使ったと言うのに…。

もしかして進化したらMPありますよってか?

終わった。


私が絶望しているとさっきの戦場へ戻って来た。

ポジティブに考えるしか無さそうだ。回避はMPは使わなそうだし、大丈夫だろう。

それより、周りが危険だ。私が味方と孤立しているから狙われる可能性が高い。

自由に動けさえすればこんなところー!

…。神の手様、助けてくれー。


そんな願いが叶うはずもなく、神の手によって私は掴まれてしまった。

とうとう相手の陣地に近づいて来てしまっていた。

私の正面には将棋界では優秀と言われていそうな銀将が現れた。


「まさか…君は…」


銀将は何か私を見て驚いていた。




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