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泣いてもω(オメガ)笑ってもΣ(シグマ)  作者: 武者走走九郎or大橋むつお
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83『気絶した増田さん!』

泣いてもω(オメガ) 笑ってもΣ(シグマ)


83『気絶した増田さん!』シグマ 






「「ヤバいよ!」」



 先輩二人は叫んだけど、わたしは声も出なかった。


 増田さんは気絶してしまった(^_^;)。


―― あ、みんな居たの?…… ――


 続いて風信子先輩がやってきて声を上げた。


 え!?


 風信子先輩は一発で状況を理解した。


「ごめん、ダブルブッキングだ! それよりも、増田さん、増田さん!」


 先輩は気絶している増田さんの肩をゆすった。


「その前に、モニターなんとかしなくちゃ!」


 オメガ先輩はパソコンのキーボードに手を伸ばした。


「待て!」


「だって、こんなHシーンが三つも並んでちゃ!」


「俺に考えがある」


 ノリスケ先輩がオメガ先輩を押しとどめ、キーボドをカチャカチャいじる。


「……よし、この場面で良いだろう、そっちも無難な場面に切り替えとけよ」


「そうか、増田さんの錯覚ってことにするんだな」


「分かりました」


 わたしもHシーンを似たような構図のCGに切り替えた。主人公が女の子と出合い頭にぶつかって、倒れた女の子の上に主人公が被さるシーン。もちろん服を着ていて、普通のアニメにもよく出てくるパターン。


「ほんとごめんなさいね、てっきり今日は茶道部の部活だと思い込んで」


 風信子先輩の思い込みは無理もない。茶道部が先輩一人になってからは、茶道部の活動日でも、あたしたちはお邪魔している。


 もちろん、エロゲをやる時は風信子先輩の許可を得る。だから茶道部の活動日にあたしたちが居ても不思議じゃないし、あたしたちが居てもエロゲをやっているとは思わない。


 ウ ウ~~~~ン


 増田さんの意識が戻って来た。


「大丈夫、増田さん?」


 空気を読んで、年下のあたしが声を掛ける。


「あ……え? あ……わたし?」


「ごめんね、薄暗い部屋でしょ、モニターの光で、フラッシュ効果になっちゃったんだよね」


 ほら、小さな子供がテレビ画面のフラッシュなんかで気分悪くなったり気絶したりするアレ。


「わたしがダブルブッキングしちゃって、びっくりしたわよね、ほんとごめんなさいね」


「あ、そのモニターに……あ、出会い頭にぶつかったところなんだ」


「そだよ、男の子が乗っかっちゃってるから一瞬ドキってするかもね(^_^;)」


「こっちのモニターは、ちょうどキラキラしていたしさ」


「あ…………そ、そうなんだ、あたしってばビックリしすぎ、ああ、恥ずかしいです!」


「ドンマイドンマイ、俺たちは、こうやって作法室間借りして、パソコンゲームとかの研究やってんだよ」


「ですよね、それをわたしは……」


 増田さんを落ち込ませてはいけないので話題を替えた。


「あのう、夏コミに参加するって話なんですけど……」


 あたしは、ペンタブを出してきて失敗した話をした。


「あ、そういう参加の仕方じゃなくって」


 風信子先輩が身を乗り出す。


「コスプレで参加できないかと思ったの」


「「「「ええ、コスプレ!?」」」」


 一人分声が多い。


 なんと、増田さんが、ビビッと目を輝かせて『星に願いを』って感じで手を胸の前に組んだのだった!





☆彡 主な登場人物


妻鹿雄一 (オメガ)     高校三年  

百地美子 (シグマ)     高校二年

妻鹿小菊           高校一年 オメガの妹 

妻鹿幸一           祖父

妻鹿由紀夫          父

鈴木典亮 (ノリスケ)    高校三年 雄一の数少ない友だち

風信子            高校三年 幼なじみの神社(神楽坂鈿女神社)の娘

柊木小松ひいらぎこまつ  大学生 オメガの一歳上の従姉 松ねえ

ミリー・ニノミヤ       シグマの祖母

ヨッチャン(田島芳子)    雄一の担任

木田さん           二年の時のクラスメート(副委員長)

増田汐しほ        小菊のクラスメート

ビバさん(和田友子)     高校二年生 ペンネーム瑠璃波美美波璃瑠 菊乃の文学上のカタキ



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