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泣いてもω(オメガ)笑ってもΣ(シグマ)  作者: 武者走走九郎or大橋むつお
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30『三人揃ってアキバを目指す!』

泣いてもω(オメガ) 笑ってもΣ(シグマ)


30『三人揃ってアキバを目指す!』オメガ 





 いつもながら終業式はワクワクする、特に三学期の終業式は格別だ。


 学年の終わりで、二度とこの教室で授業を受けることもないし、クラスメートと顔を合わせることもない。


 なんといっても宿題が無いからな。一学期の始業式まで完全無欠のVACATIONだ。


 一言で言えば、高校生にとって最大最高の開放の日と言っていいな。


 解放されると餌場に向かうのは、俺もノリスケもサルと変わりがない。


「終業式って、学食は休みだったんだよな……」

「去年もやっちまったよな……」


 ノリスケと二人そろってバツが悪い。


 学食は、午前中の半日授業になった日から休みだ。

 昨日まではちゃんと覚えていて、家に帰ってから食べるか、帰り道のマックなどで済ましていた。


「おーし、アキバにでもくり出すか!」

「同感!……だけど、ちょっと懐が寂しい」


 ノリスケの眉がヘタレる。サラリーマンの息子には24日というのは厳しい日だ。


「まかしとけ! 今日は俺のおごりだ!」


 俺は祖父ちゃんから諭吉を一枚もらっていた。なんでかというと、アレだよあれ。


『君の名を』をやるので「小説執筆中入るべからず」って張り紙をドアに貼っただろ。


 で、それを額面通りに受け取った祖父ちゃんが感動してくれたんだ。


「なあに、すぐに書けなくってもかまわないだ。遊びに使ったっていい、文学ってのは無駄の回り道から始まるんだからな」


 学生時代に太宰治とかの無頼派に憧れたとかいう祖父ちゃんは孫に対しても前のめりな期待感がある。


「ほんじゃ、いっちょうくり出すか!」

「おう!」


 意気軒昂に振り返ると、財布を握りながら肩で息をしているシグマが立っていた。



「休みなんですかぁ……食堂(-_-;)」



 かくして、終業式の開放感と学食への思い入れを同じくする三人はアキバを目指した。


 詳細は明日に続く!




☆彡 主な登場人物


妻鹿雄一 (オメガ)     高校二年  

百地美子 (シグマ)     高校一年

妻鹿小菊           中三 オメガの妹 

妻鹿由紀夫          父

鈴木典亮 (ノリスケ)    高校二年 雄一の数少ない友だち

柊木小松ひいらぎこまつ  大学生 オメガの一歳上の従姉

ヨッチャン(田島芳子)    雄一の担任

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