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パーティーすんで夜 と次の日

 夕飯を食べ終わった後、王様に呼び出され移動すると、ロクサーヌ王妃様がソファに寝かされてグッタリしてた。

 手の甲にウニョウニョを発見したので、ヌルッと取ってテイルスミヤ長官にパス。

 テイルスミヤ長官がバリアで包んで保管。

 目に見えて顔色の良くなったロクサーヌ王妃様に、部屋の中の全員がホッとして、本人はケロッと起き上がって俺にチュッチュした。

 俺の片頬が真っ赤になった頃、気がすんだのか、話を始める体勢に。


 部屋の中に居るのは、王様、教皇様、イングリード、将軍さんに宰相さん、テイルスミヤ長官とアールスハインと俺とシェルに、デュランさん。

 あとロクサーヌ王妃様とその騎士二名。


「それで?ルーグリア侯爵家では、証拠となるものは見付かったか?」


「ああ、ウンザリする程な!あの屋敷には本当に反吐が出るようなもんがわんさか有った」


 苦虫を噛み潰したような顔でロクサーヌ王妃様が言えば、後ろに立ってる騎士二人も、嫌悪も露な顔で頷く。


「奴も王族主催のパーティーの最中、しかも呪いで倒れた私が、捕縛の指揮を取っているとは思わなかったのか、私兵の数も大した数置いてなかったんで、屋敷をくまなく調べ、別邸の秘密扉から地下への入口を発見。押し入ったところ、違法奴隷が数十人、呪いの呪具と思われる物を多数押収した」


「同行した神官騎士によって、保護された違法奴隷達は教会で保護し、身元を調べ、帰る場所の有るものは帰す手配をしています。しかし、親の所在も分からない幼い子供も複数名おりますので、そちらは孤児院の預かりになるでしょう」


 教皇様が、悼ましそうに補足して、


「奴らは、自ら呪具を作り出そうと人体実験も行っていたらしく!死体こそ無かったが実験結果の詳細な記録も押収した!」


 冷静に報告しようとしているが、現場の光景を思い出したのか、ロクサーヌ王妃様は、ガンとソファの肘置きを殴りつけた。

 聞いていただけで胸糞悪くなる話の、現場は、それは凄惨なものだっただろう。

 宥めるようにロクサーヌ王妃様の肩を撫でる王様。

 深い深呼吸の後に、ロクサーヌ王妃様が話を続ける。


「更に押収した物の中には、多くの毒物と麻薬の類いを確認。奴隷達に使われていた痕跡もあった。入手ルートの書類にアブ商会の名が有ったんで、兵を向かわせた。ルーグリア家当主とその一家は、貴族牢では無く重罪犯の牢にブチ込んでやった!」


 シンと静まりかえる部屋。

 将軍さんと宰相さんの、ハァァァァと深い深いため息が被った。


「こりゃールーグリアは、一族ごと潰すしかねーな、下手に残すと禍根を残すし、下手すりゃまた同じ事を繰り返す」


「一度旨い汁を啜れば、元には戻らんからな」


 将軍さんと宰相さんのため息のような言葉に、全員が頷く。


「屋敷で働いていた者の半数以上は奴隷、残りは悪事に荷担していた者だったんで、そっちも牢にブチ込んだ!お陰で牢が一杯になったんで、何人か纏めて入れてある」


「明日の早朝から調べを始めよう。ご苦労だった。暫くは大人しく休め」


 王様がロクサーヌ王妃様を労ったのか、釘を刺したのか、微妙な言葉をかけたのに、将軍さんと宰相さんが軽く笑って、


「教会で保護した者の聞き取りは、こちらが責任を持って行い、逐次報告を上げましょう」


 教皇様が、被害者のケアと聞き取りを受け持ってくれたので、


「よろしくお願いする。被害にあった者達の生活費はルーグリアから押収した金品を寄進させてもらうが、入り用の物が有れば請求してくれ。補償に関しては、調べが進んで沙汰が下った後になるが、必ずなにがしかの補償はすると、説明を頼む」


「承知しました。もしこちらで手に負えない呪いの類いが有りましたら、ケータ様にご助力願いたいのですが、よろしいでしょうか?」


 教皇様が俺に聞くので、


「あーい」


 軽く返したら、空気が軽くなったので、今日はここまで。

 取り調べが進み、纏まったらまたこのメンバーで会議をするんだって。




 おはようございます。

 今日の天気は快晴です。

 今日も特に予定の無い俺ですが、準備体操と発声練習はします。

 成長も発声改善も全く見られませんが、日課になっているので。

 シェルに着替えさせてもらい、珍しく誰も乱入してこない朝食をすませ、アールスハインと今日の予定を話し合います。

 昨日、罪人が大量に牢に入れられたので、取り調べや裏付け捜査で騎士団が忙しいので、訓練はお休み。

 アールスハインが手伝える事は無いし、俺が寝た後に仕事もすませてしまったので、本当にやることが無いそうです。

 魔法庁も忙しそうだし、今日は1日ダラッと過ごす事になりました。


 午前中は、本当にダラッと本とか読んで過ごし、昼食はロクサーヌ王妃様に呼ばれて、チビッ子組と取ることに。

 食事室に入ると、ロクサーヌ王妃様の両脇に双子王子が座り、アンネローゼも既にいて、食事が始まった。

 運ばれてきた食事に、アンネローゼがグヌグヌしながら食べていると、皆とは違うメニューに不思議に思ったロクサーヌ王妃様が理由を尋ねると、両脇の双子王子がそれはそれは楽しそうに理由を述べ、アンネローゼが更にグヌグヌしてた。

 そんなアンネローゼに、ロクサーヌ王妃様が提案したのは、双子王子も交えての外遊び。

 ゴリゴリマッチョな女性騎士の、戦闘訓練よりはマシと考えたアンネローゼが、二つ返事で了承。

 流れで俺達も参加決定。


 ゆっくりと食後のお茶も飲んで休憩後。

 城の中庭で開始された鬼ごっこ。

 アンネローゼは、双子王子の体力を甘く見ていた。

 そしてロクサーヌ王妃様は大人気を持って無かった。

 最初に潰れたのは当然アンネローゼ。

 次にロクサーヌ王妃様の騎士の二人。

 次に双子王子で、助とアールスハイン。

 俺はほとんど飛んでたし、ロクサーヌ王妃様はまだまだ余裕。

 どんな体力をしているのか分からないけど、騎士の二人や、アールスハインと助にはたまに攻撃を入れてた。

 お茶を飲んで休憩。

 ずっとお菓子抜きのお茶タイムだったアンネローゼが、久々のお菓子を貪り食ってて、騎士の二人がドン引きしてた。

 お茶の後に鬼ごっこ再開。

 アンネローゼが弱音を吐く暇もなく、ロクサーヌ王妃様に追いかけ回される。

 それが面白く思ったのか、双子王子もアンネローゼを追いかけ回していたが、油断すると、ロクサーヌ王妃様の水の魔法玉が飛んできて、騎士の二人と助とアールスハインがビチャビチャに。

 それを見て楽しそうだと双子王子もロクサーヌ王妃様に突撃してビチャビチャに。

 ついでにアンネローゼもビチャビチャに。

 それを見て爆笑してたシェルもビチャビチャに。

 中庭を通りかかったデュランさんに、全員で叱られて終了。

 特にロクサーヌ王妃様が、大人はまだしも、冬に子供をビチャビチャにしたことを怒られてた。

 俺はバリアで全部反撃して、ロクサーヌ王妃様をビチャビチャにした。

 そのまま部屋へ、風呂に入り夕飯。


 クレモアナ姫とイングリードはパーティーに参加していて不在。

 キャベンディッシュは、祖父であるルーグリア侯爵が捕まった知らせを受けてから、部屋に籠って出てこないらしい。

 食事が終わり、サロンに移ると、双子王子が昼間の鬼ごっこが楽しかった話をし始め、全員がビチャビチャになり、デュランさんに怒られたところで皆が笑い、アンネローゼがお菓子を貪り食っていたことも、ポロッとしゃべってリィトリア王妃様が、こわ~い笑顔でアンネローゼを見ていたり、まあまあ穏やかに過ごした1日でした。






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4巻の発売日は6月9日で、公式ページは以下になります。 https://books.tugikuru.jp/202306-21551/ よろしくお願いいたします!
― 新着の感想 ―
アンネローゼ、今のうちに脂肪細胞の数の増加を止めないと、水を飲んでも太るとかの悩みを一生、抱えそう………………
[気になる点] アールスハインとの会話が気になるのでちゃんと書いてください。
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