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年明け早々 短目

誤字報告ありがとうございます。


 間も無く離宮に連れて来られたシュピーネルは、特に特徴らしい特徴も無い、地味な男だった。

 リリーさんとやらは地味専なのだろうかと、関係無い事を考えながら見ていると、ロクサーヌ王妃様の前に連れて来られた理由に心当たりが有るのか、顔を青くして微かに震えているのが分かった。

 その場で拘束されると、震えが大きくなり、


「わ、わ、わ、わたしは!なにも知りません!わたしも、騙されたのです!も、申し訳ありません!すみません!どうか死刑だけは!」


 と、命乞いを始めた。


「命乞いをすると言う事は、自分のした事の重大さは分かっているのだな?」


 王様の怒りを含んだ声に、ガタガタ震えながら、


「申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません申し訳ありません…………」


 と、床に頭を付いて謝り倒している。

 拘束していた騎士が、軽く背を叩いただけで、


「ヒィィ!!」


 と悲鳴を上げ、


「わ、わ、わ、わたしは、騙されて、脅されて、脅されて仕方無く、か、簡単な仕事で、絶対に足は付かないと言われたので!すみませんすみませんすみません」


「何時、誰に、何と脅されて、王妃を害する命令に従った?ハッキリと申せ!」


 王様が怒りも露に聞けば、


「が、が、が、害するなどと!その様な事はしておりません!わた、私は、一昨日の昼過ぎに、ざ、財務大臣の書類を届けに、客室に居られたルーグリア侯爵を訪ねたおり、わ、わ、わ、私の借金を清算してやる代わりに、簡単な仕事をしろ、と、言われただけです!」


「それで?」


「は、はい、それで、青い宝石を渡されて、この石をロクサーヌ様付きのメイドの体にあてて、それで、ロクサーヌ様に、別に渡された黒い宝石を渡すように、と、言われました」


 その宝石とやらが呪いのアイテムなのだろう。


「なぜそれで足が付かないと思った?理由は聞いたか?」


「は、は、はい、ええとメイドにあてる宝石は、命令を実行した後に、前後の記憶を失う物だと、で、で、ロクサーヌ様にお渡しするのは、逢い引きの記念に、密かにお渡しする為だと、そ、そう聞きました」


 シュピーネルの話を聞きながら、ロクサーヌ妃はメイドのエメリーを拘束した時に床に転がったブローチを拾い上げ、王様に渡した。

 王様はその黒い宝石の付いたブローチを繁々と眺めて、俺に見せるように差し出すと、


「ケータ殿、これが呪いの呪具で間違い無いだろうか?」


 と聞いてくるので、近寄って見てみると、一見ただの大きなブローチに見える宝石部分、石の中に蠢くウニョウニョが!思わず後退りして、王様に何度も頷いた。


「いちのにゃかいっぱーのウニョウニョいりゅ(石の中いっぱいのウニョウニョがいる)」


「そうか、だがこのままでは呪いは発動しないようだが?」


 独り言のように言いながら、裏側もじっくりと見た王様は、何かを発見したらしく、光に翳しながら、


「裏側に小さな刃物が仕込まれている。これを身に着ければ、肌に傷を付け、そこから血を通して呪いが発動する仕掛けか」


 と、結論付けた。

 呪具を慎重に布で包み、箱にしまった王様は、


「シュピーネルを牢へ、これはお前の命を守る為の措置でもある。けして自害等と言う馬鹿な真似はするなよ?」


 シュピーネルに言うと、ガクンガクンと頷いて、おとなしく騎士に連れ出されて行った。


「さて、この呪具と先程の証言があれば、ルーグリアを捕らえる事は出来るが…………」


 遠回しにロクサーヌ王妃様の、明日のルーグリア侯爵家への捜査を止めさせる発言に、


「だが、この呪具一つでは知らぬ存ぜぬで押しきる事も出来よう、更に奴ならば罪を逃れる為に、私との逢い引きを事実であったかのように、偽の証拠や証人程度直ぐ様用意するだろう?」


 発言の意味を分かってて、無駄を指摘するロクサーヌ妃。

 溜め息混じりに、


「確かに、その程度出来ねば、教会の目を盗んで十数年もの間、アールスハインを呪い続ける等出来ようはずもない。今回の企みは、ロクサーヌが既に呪いを受けている前提で、更に追い討ちをかけようと焦ったのかもしれん」


 その言葉に、勝ち誇ったように笑みを見せ、


「奴は、まだケータ殿の存在をそれ程重要視していないのだろう、アールスハインの呪いが解かれたのも、噂になったのは教皇様が城を訪ねた後だったと聞いている。奴は教皇様が何らかの方法でアールスハインの呪いを解いたと判断したのだろう。だからこそ、明日行かねば意味が無い。そうだろう?」


 にこやかに王様の肩を叩くロクサーヌ妃。


「分かっている、だが夫として妻を心配するのは当然だろう!」


 王様のちょっと剥れたような声に、


「ハハッ、ジュリアスのそう言う所は昔から変わらんな!自分の事だと大雑把な癖に、人の事となると途端に慎重で心配症になる!」


「からかうな!私は本気で心配してるんだぞ!」


「フム、ムキになるところも愛しいぞ!夫殿」


 なんかイチャイチャし出したので、その辺にあった水差しの水で、解呪の玉を十数個作って、騎士の人に説明して帰ったよ!人のイチャイチャとか見てても楽しくないし!

 アールスハインも同じ気持ちになったのか、苦笑して頭撫でてきたし。


 夕飯の時間には王様も戻って、パンと水を摂ってた。

 昨日怒られたばかりなのに、またアンネローゼが溜め息吐いてて、クレモアナ姫に睨まれてた。


 朝も早かったし、今日も早目に寝ました。

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4巻の発売日は6月9日で、公式ページは以下になります。 https://books.tugikuru.jp/202306-21551/ よろしくお願いいたします!
― 新着の感想 ―
[気になる点] バカ息子の教育も大雑把過ぎた結果なのか?
[気になる点] 侯爵が逢い引きとか言ってるのに、王妃が乗りこんだらさも事実のように言いふらさないかな?
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