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魔法大会前日

 おはようございます。

 今日の天気は曇りです。

 二股女が居なくなって2ヶ月、冬真っ盛りだが、この世界の季節はそれ程激しくないので一年中過ごしやすい。

 真夏でも半袖で少し汗ばむ程度。冬の今も、上着を一、二枚余計に着れば過ごせる程度。

 春と秋を交互に過ごしてる感じ。快適。

 日課の準備体操と一向に結果の出ない発声練習も続けている。

 一時やさぐれてサボったが、何となくまたやり始めた。

 常に誰かに抱っこされてるので、何の準備も要らないのだが、何となくね!

 一人で飛んで移動しても良いのだが、時々、可愛い物好きの生徒にバリアごと捕獲されてしまうので、抱っこ移動が定着してる。

 別にバリアも有るし、危害を加えられる訳では無いが、捕獲した人は皆なぜかハァハァしてるので、気持ち悪いのだ。

 俺を見て性的に興奮してる訳では無いだろうが、ハァハァされるのは嫌なので、お互いの為に抱っこされている。

 別に楽だから…………でもあるけど!


 シェルが来て、お着替え。

 長袖Tシャツの上にモコモコのつなぎを着せられる。

 腹の部分に大きなポケットが有って、ソラとハクが仲良くインしてる。

  足には可愛らしいモコモコのショートブーツ。

 アールスハインは今日は最初から運動用の迷彩じゃない迷彩服?を着ている。

 明日が魔法大会なので、今日は予選。

 剣術大会の時と同じで、1度に大勢が闘っての勝ち抜き戦。

 剣術大会では活躍出来なかった令嬢達の気合いが半端ないらしいよ。

 食堂につくと、今日の予選のために、令嬢達も運動用の迷彩じゃない迷彩服?を着ていて、いつもと雰囲気が違う。

 いつもはお淑やかに食べて、キャッキャしてるのに、心なしかいつもより量も多く、がっついている様子。

 そんな令嬢達を横目に席につく。

 ユーグラムは常に無表情だが、口端がひきつってるし、ディーグリーと助はドン引きしてて、アールスハインとシェルは苦笑してる。

 食事が終わると一旦教室に、予選の抽選をするためだ。


 前の席の人から順に籤を引いて、イライザ嬢の所、ディーグリーの所、ユーグラムの所、アールスハインの所で教室がざわついた。

 籤を引き終われば、予選会場となるそれぞれの場所へ移動。


 アールスハインは訓練所での予選となったので移動すると、そこには元生徒会長の姿があった。

 チラッとこっちを見たが、特に何か言われる事も無く、予選が始まる。


 魔法大会だけあって、武器の携帯は禁止。

 魔法大会予選だけあって、様々な魔法が飛び交っているが、断トツでアールスハインのバリアが強いので、誰の攻撃も受けていない。

 それでもまだアールスハインは、反撃バリアは使えないので、自分で攻撃しなければ勝てないのだが。

 元生徒会長は、実は二人いる魔法庁副長官の息子だったらしく、魔法が得意でそれが自慢なのか、色んな種類の魔法を飛ばし捲っているが、威力はアールスハインの方がある。


 次々と脱落者が人形によって運び出され、残り20人になったとき、教師からの終了の合図があって、残った者が本選出場となる。

 アールスハインは無事残り、元生徒会長も残った。

 元生徒会長はこっちを見てフフンと笑って去って行った。

 何あの笑い?感じわるーい!

 午前中の予定はこれで終わり。


 食堂に行くと助以外はまだ来てなくて、助も無事本選出場が決まってた。

 後から来たユーグラムとディーグリーも本選出場出来るって。

 午後は教師が設営に回るので自由行動。

 毎年訓練所は、令嬢達に占拠されるので使えないらしい。

 周りから聞こえる声でその事を知り、どうする?と相談していると、食堂中央にキャベンディッシュと元生徒会長登場。

 二人とも本選出場が決まった事を自慢して、また勝負をするらしい。

 よきライバル関係になったもよう。

 どちらも大した実力じゃないけど!

 たぶんあの二人は、女神が攻略対象に選んだだろうから、本来のスペックは高いのだろうが、今一結果が伴わないのは、無駄に張り合うだけで、二人とも基本の地道な努力が足らないからだろう。

 二人とも、派手で目立つ事が好きだからね!あと自意識過剰だしね!

 周りもシレッとした目で見るだけで、特に関心などはしていない。

 入学当初は姿が見えるだけで、令嬢達にキャーキャー言われてたのにね!

 食事が終わると、ゾロゾロ歩きだす。

 訓練所は使えないので他の場所を見に行ってみようとなった。


 どこも令嬢達に占拠されてました。

 令嬢達の気合いが半端なくて、入って行くことが出来ませんでした。

 なので学園の園庭の端まで来て、訓練します。

 具体的に何をするかって言うと、魔力コントロールの訓練です。

 魔力錬成の玉は使わず、水魔法で出した水の玉を大きさを変えたり、粘度を変えたり、形を変えたりすることで、コントロールを鍛えます。

 水魔法なのは全員が使えて、危険が少ないからです。

 訓練所にはバリアがあって、何かを壊しても自動で修復するけど、園庭は壊れても戻らないからね。

 学園全体にかかってるバリアは、基本不審者を検知するのと、通報する機能しか無い。

 ディーグリーは水魔法の適性が小さい?ので、得意では無いけど、だからこそ訓練して練度が上がると、他の魔法が少ない魔力で自在に操れるようになるので、真面目にやってます。

 助は、前世の知識が有るのに、この世界の常識が邪魔をして、中々魔法が上達しなかったんだけど、俺と一緒に訓練するうちに、前世の知識が鮮明になってきて、今はかなり使えるようになってきた。

 本来なら俺よりもゲームに詳しい助の方が強いはずなんだけど。

 ユーグラムは元々魔法特化なので、この頃はテイルスミヤ長官を驚かせる実力をつけている。

 テイルスミヤ長官とユーグラムは、威力は弱いけど反撃バリアが使えるようになった。

 今は凍る寸前まで冷やした水魔法の魚と水魔法で作った沸騰する魚を闘わせてる。

 結局温い大きな魚になるだけだった。

 アールスハインは真面目なので上達も早いんだけど、集中し過ぎて時々不意打ちに遭う。

 不意打つのは俺だけど。

 今は水魔法で弾丸を作って、凍らせた的を貫通させる練習をしている。

 全員がバリアを張りながらなので、同時発動ってやつが出来ている。

 最初は無理だ!無茶だ!って言ってたのに、今では普通に使ってる。

 俺はシェルとボケーっと眺めてるだけ。

 水魔法で玉を作って、ソラとハクで遊んでるけどね。

 水の玉を追いかける二匹は、かなり速い身のこなしをするので侮ってはいけない。

 この2ヶ月、こう言う地味で根気のいる訓練をしてきたので、俺達の実力はかなり上がった。

 今すぐ魔法庁で働ける!ってテイルスミヤ長官にスカウトされるほど。

 因みにテイルスミヤ長官は、二股女の教育と見張りが要らなくなったので、学園を辞めて自分の仕事に戻った。

 インテリヤクザな担任も、ちょっとは反省したのか、魔力コントロールの練習は密かに続けているらしい。


 夕方まで訓練して、汗をかいたので一旦部屋に戻ってお風呂に入り、食堂へ。

 朝見た時より、窶れている令嬢が複数。

 彼女達は本選に出場するのだろう。

 本選落ちした令嬢達は、落胆しているのか雰囲気が暗い。

 食事を済ませ、お茶を飲みながら自然と話題は明日の話になる。

 お互いライバルなんだけど、他の席のような険悪さは無く、誰が決勝に残るかで罰ゲームを決め始めた。

 組合わせによっては誰が落ちるか分からないからね。

 それを聞き耳を立てていた近くの席の生徒が、周りに広め、学食を賭け始めたりしてた。

 本命はユーグラム。

 二番人気からは知らない三年生の名前、たまに二年生と続く。

 ここにいるメンバーは、ユーグラムに負けない位魔法が使えるけど、皆まだ知らないからね。

 大穴で元生徒会長の名前があがって、シェルが爆笑してた。

 普通は王子から名前があがるのに、アールスハインは魔法を使えない王子として有名だったからともかく、キャベンディッシュは誰の口にも上がらないくらい論外らしい。

 高位貴族は魔力が多い傾向に有るのに、その多い魔力を活かせないのは、本人の資質の問題なので、実力の無い高位貴族は、尊敬されないんだって。

 だから、長年の呪いが解けた途端実力をグングン伸ばしてるアールスハインは、密かに注目はされてるそうだ。

 元々キャベンディッシュ側だった貴族が、続々とアールスハインに乗り換えているって、シェルが黒い笑顔で言ってたよ。乗り換え貴族のリストを作ってるらしいし、怖いね!面倒くさいね!

 以上で今日は終わりです。





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4巻の発売日は6月9日で、公式ページは以下になります。 https://books.tugikuru.jp/202306-21551/ よろしくお願いいたします!
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[気になる点] 籤、くじでいいと思います。 わざわざ難しい漢字にしない方が読みやすいです。 くじを漢字で書いてる小説はじめてです。
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