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生活魔法って何ぞや?

 さてさてお次は?

 風魔法を使ったドライヤーも完成してしまったので、お料理魔法の出番ですか?

 食材は無いので、火加減の練習をしましょう。料理は火加減が命!って誰かが言ってたし。

 火魔法は危険なので、まずは水の玉を作り、これを沸騰させるように下に火魔法を置きます。

 最初に習うのが何々の玉の魔法なので、逆に普通に火を出すのは難しいね。

 前世の知識が有るので、俺には簡単だけど。

 山の中の農家育ち、ばあちゃん仕込みの俺には、竈での煮炊きだってお茶の子さいさい。

 掌の上に小さな炎を浮かべます。

 始めは炎が大きすぎて、水の玉がジュワッと蒸発したり、沸騰したお湯が跳ねたりして大変だったけど、バリア魔法を鍋みたいにしたり、魔力を絞る事で火魔法も小さくなって、無事火加減を覚えました。

 さて、火加減を覚えたけど、何を作ろう?

 正直今一番食いたいのは、白米と味噌汁なんだけど、今までの食事事情から考えて、米の存在自体不明なので、すぐには無理。

 それじゃぁ何か、今までの食事の材料を使って出来るもので、この世界で食べたことの無い物、その上俺が作れる物?

 食事メニューは今後、もっと料理人さん達と仲良くなってからの方が、色々頼んだりも出来るだろうし、お菓子?この世界のお菓子は、俺の口には合わないので改良するのは良いと思う。

 簡単で目新しいもの………………クッキーやケーキは固くて食えないけど、この世界にも有るのでパス。

 プリンとかどうよ?材料も卵、牛乳、砂糖で出来るし、温度さえ気を付ければ失敗も少ない。

 弟妹のために子供の頃から散々作ってきたので、レシピは覚えている。

 そうと決めれば、シェルに頼んでみましょう。

 フヨフヨ飛んで、シェルの所に。


「しぇるー、たまぎょと、ぎゅーにゅーと、しゃとーほちー(シェル、卵と牛乳と砂糖欲しい)」


 すかさず抱っこしてくれるシェル。


「ケータ様、急にどうされました?お腹が空きましたか?」


「まほーでおりょーりしゅりゅ!」


「魔法でお料理?」


「しょー」


「?そんな魔法は聞いたことがありませんが?」


「やってみりゅ!」


「そうですか、ところでケータ様、ぎゅーにゅーとは何ですか?」


「?おちゃにはいってるしりょいの」


「ああ、ミルクですね」


「しょーしょれ!」


 牛乳が通じなくてミルクが通じるのはなぜ?この世界のミルクって、牛の乳じゃ無いの?


「ミルクと砂糖は持っているので、卵を貰ってきますので、少々お待ち下さい」


「おねがーしましゅ!」


 シェルは俺をその場に下ろして訓練所を出ていった。

 シェルが戻って来る前に、卵を撹拌するための魔法の練習をしましょう。

 ボウルのように半円に作ったバリアに3分の1位水を入れて、水を撹拌するためにちっちゃな竜巻を起こします。

 シャシャシャシャシャと竜巻が水を撹拌する。

 たまに跳ねたりするのはご愛敬、気にせず続けます。

 空気を含んで白っぽくなる水、成功ですな。

 後は、卵液を濾すためのザルのようなバリアを作れれば、準備万端!

 目の細かいザルをイメージして、バリア!…………失敗。

 もう一度、茶漉し位細かい目のザルを、バリア!形は出来ているけど、水を流して確かめましょう。

 シャーと支障無く流れる水、成功です!

 丁度シェルも戻って来ました。


「ケータ様、お待たせしました」


 そう言ってシェルが渡してくれた卵が、俺の顔と同じ大きさ。

 ダチョウの卵ですか?魔物ですか?まぁいいか。


「ありあとー!」


「見てても良いですか?」


「どーじょー」


 では、始めます!

 まずはバリアで作ったボウルに卵を割り、割れぬ!仕方ないので風魔法でパカッとね、ボウルに入れよくまぜます。

 次に砂糖とミルクを温めながらまぜます。

 卵にミルク液をゆっくり入れます。

 ちっちゃな竜巻で撹拌します。

 泡立てないように、卵液の中に竜巻を出すのがコツです!

 バリアのザルで卵液を2、3回濾します。

 小さめのボウルに砂糖と少量の水を入れます。

 ボウルを下から火魔法で炙ります。

 プツプツしてきたらちょびっとだけ水を入れて、火を消します。

 緩めのカラメルの完成です。

 カラメルを大きめの底の平らな深皿風に作ったバリアに薄くひきます。

 その上に卵液を入れます。

 真ん中を網で仕切ったバリアの上の部分に、バリアで蓋をした卵液を置きます。

 下の部分にお湯を入れます。

 バリアの下から火魔法を弱めに当てます。

 バリア内に蒸気が充満してきましたね。

 火加減や時間は勘です!適当とも言います!

 バリアをちょっと揺らしたりして、固さを確かめます。透明なのでよく見えます。

 大体良さそうなので火から下ろします。

 蒸し器バリアとお湯を消して、深皿型のバリアを取り出します。

 不思議な事に、さっきまで蒸気の中で蒸されていたはずのバリアは、術者である俺が触れても、火傷することはない。

 理由は知らないけど、自分の魔法で自分を傷つけられないのと同じ事だと思います。

 風魔法で粗熱を取ります。

 出来上がりは、上々の見た目です。

 卵に合わせて作ったので、大きさが異常です。

 シェルにスプーンを借りて、端っこを一掬い、前世の我が家のプリンです。

 固めのプリンは、スプーンで掬っても崩れる事無くプルプルです。

 パクっと一口。

 旨い!甘さは控え目に出来ました。

 隣でずっと見ていたシェルにも、スプーンで掬ってアーンします。

 先に俺が食べたので、ためらい無く食べてくれました。

 一口食べたシェルは、口を押さえて固まりました。


「まじゅかったー?」


 俺の言葉に、言葉も無く首をブンブン左右に振ります。

 ゆっくりとプリンを飲み込んだシェルは、とても真剣な顔で、


「ケータ様、この料理はなんと言う料理ですか?私は生まれてこのかたこんなに美味しい菓子を食べた事が有りません!

 柔らかく蕩けるような食感、卵とミルクの優しい味わい、甘さもしつこくなく、この下に敷いたソースのほろ苦い味わいが更に味を引き立たせている。どれを取っても今までに無い、素晴らしい味わいです!王宮の料理に慣れた私でも食べた事の無い、これは革命的な菓子です!この料理の作り方は先程見せて頂きましたが、魔法でないと作れないものですか?魔法でも構いません、是非作り方を教えて下さい!」


 うん、気に入ってくれて何よりですが、鼻息が荒いね!圧が強いよ!

 訓練所の片隅でそんなやり取りをしていると、時々俺を見ていたテイルスミヤ長官が、気になったのか近付いて来た。


「先程からお二人で何をされていたのですか?」


 聞かれたので、答えましたよ。

 お料理魔法を、ドヤ顔を添えて!

 ポカンとした顔のテイルスミヤ長官。

 丁度口も開いていたので、プリンを一口分突っ込んでみたら、ビクッとした後、シェル同様固まって、味わうごとに顔が蕩けだしました!

 そしてシェル共々作り方を教えろ!と迫られました。

 この世界には、蒸し料理ってのは無いらしく、凄く食いつかれたけど、オーブンでも出来るよ、って言ったら驚かれた。

 この世界のオーブンは、薪を使うものか、魔道具を使うものかで焼き加減は、それぞれのオーブンで違うので、色々工夫が必要だけどね。

 真剣な顔で作り方をメモした二人は、凄く物欲しそうな顔で残ったプリンを見ているので、シェルに追加のスプーンを借りて、3人で密かに食い尽くしたよ!

 結構な大きさのプリンだったのに、俺は幼児なのでそこまで食べなかったのに、綺麗さっぱり食べ尽くしたよ!

 凄く気に入ったんだね二人共。

 食べた後も、二人は暫く余韻に浸るように、蕩けた顔をしてた。

 今度は、フワフワのパンケーキとか作ってみる?

 午前中は、それで終了。

 お昼御飯を食べに食堂へ行きます。

 シェル~テイルスミヤ長官~そろそろ戻って来て~!


 いつものメンバーで食堂へ向かう途中、俺が訓練所で何をしていたのかを聞かれたので、生活魔法についてドヤ顔で話してみました。

 皆いまいち分かって無かったけどね。

 詳しく話していくうちに、どんどん食いついて来たので、一番グイグイきてたディーグリーに、洗浄の魔法とドライヤーの魔法を使ってやりました。

 ギャーギャー騒いで五月蝿かったけど、終った後は物凄く感動してた。

 アールスハイン、ユーグラムとシェルにまで頼まれたのでやってやりました。

 全員が感動して、午後は生活魔法を教える事になった。

 でもまずはご飯食べてからね!

 安定のお子様ランチ、おいしく頂きました!





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4巻の発売日は6月9日で、公式ページは以下になります。 https://books.tugikuru.jp/202306-21551/ よろしくお願いいたします!
― 新着の感想 ―
[気になる点] >>牛乳が通じなくてミルクが通じるのはなぜ?この世界のミルクって、牛の乳じゃ無いの? 何話か前……Sクラスの話のときかな? アルファベットっぽいのが伝わってて、牛乳だと通じないのに…
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