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所変わって

誤字脱字報告ありがとうございます。

見直しはしてるつもりですが、スミマセン。

お詫び?に、もう一ページ投稿しときます。

 所変わって、食堂にいます。

 俺のバリアに驚いて固まる二人をどうしましょうと、アールスハインと、暫く待ってたけど、その内俺の腹が盛大に鳴って、先に昼飯にしましょうとなって、まだ人の少ない食堂に皆で来ました。

 適当な席に着き、俺はいつものお子様ランチ、他の皆はそれぞれにメニューを選んでいただきます。

 午後も魔法の練習をするなら、一旦着替えて、本格的な練習をしようって事になり、それぞれの部屋に戻りました。

 俺は着替える必要が無いのでそのまま。

 アールスハインは、クローゼットの中にあった、動き易そうな軍服?迷彩じゃない迷彩服みたいのを着てきて、もう一度訓練所へ。

 ユーグラム、ディーグリーと寮の入り口で合流して訓練所へ。

 何故いるんですかテイルスミヤ長官?後インテリヤクザな担任。


「先生方お二人は何故ここに?」


 ユーグラムが代表で質問すると、インテリヤクザな担任は深い深い溜め息を吐き、テイルスミヤ長官は苦笑して、


「午前中だけで、訓練人形が2体も破壊されたので、見張りが必要と判断されましてね」


 ああ、と全員の声が揃い、全員の視線が俺に向けられる。

 俺だけのせいじゃ無いでしょ!

 アールスハインを睨むと、アールスハインは頭を掻いてそっぽを向いた。


「テイルスミヤ長官、いやテイルスミヤ先生、どうせなら見張るだけじゃ無く、訓練を付けて下さい!是非とも、アールスハイン王子を2週間で1年最強にした訓練を!」


 ディーグリーがズイズイとテイルスミヤ長官に迫る。


「ちょ、ま、待って下さい!そんなに迫られても、ハイン王子の訓練で特別な事はしていません!」


「いやいやいや!そんなわけ無いでしょう!たった2週間で俺らの10年分を追い越されたんですよ!何か秘密の特訓をしたに違いないでしょう?」


「あー、確かにそう思うのも仕方ない事かも知れませんが……………魔法の訓練で一番時間の掛かる訓練は何だと思います?」


「えー?そりゃ魔力の操作ですよね?」


「はい、正解です!で、ハイン王子の場合、普通は10年掛ける魔力操作を1日で完璧にこなされたので、その後の訓練も難なくこなしたと言う事です。本当に私が特別な訓練を付けた訳では無いんですよ」


「…………なにその反則技!」


「確かに、反則のような技でした」


「え?テイルスミヤ先生の秘術とかじゃ無いんですか?」


「秘術って、そんなもん有りませんよ!」


 テイルスミヤ長官とディーグリーに見詰められるアールスハイン。

 アールスハインに見詰められる俺。

 内緒にしたのはそっちでしょ!と目で訴えときました!


「そんなに魔力操作で違うもんか?」


「そりゃぁ違いますよ!って貴方の魔法は昔から大雑把でしたからね」


「うるせーな、良いだろ結果敵を倒してんだから!」


「大雑把なものだから、魔力を使いすぎて最後ヘロヘロになりますけどね!」


「え?てことは、魔力操作が上手いと、消費魔力が減るって事ですか?」


 インテリヤクザな担任とテイルスミヤ長官の昔話に割り込んだディーグリーの質問に、


「それだけでは有りませんよ!魔力操作が上達するほど、魔力抵抗は減ります!その為魔法の威力も上がります!」


「ええええ!?そんなの習って無いんですけどー!」


「幼年学園で習うはずですよ?まぁ幼年学園では威力との関係までは習わないかも知れませんが、少なくとも魔力抵抗の話はされたと思いますが?」


「えー?されたかなー?」


「魔力操作と魔力抵抗は授業で習いましたが、その二つが関係してくる、とは習ってないと思います」


「それはいけませんね!魔力操作を訓練する大事な時期に、教えるべき事を教えていないとは!その後の魔法の質に大いに関係してくる問題です!一度学園長と話さなければ!」


「なーるほどー、テイルスミヤ先生!今から魔力操作って鍛えたら、魔法の威力は上がりますか?」


「当然上がります!魔力操作の訓練は何時から始めても効果は変わらず上がりますからね!早速始めますか?」


「あ、その前に、アールスハイン王子の魔力操作のレベルを知りたいです!参考にしたいので!」


「それは良いことです!が、参考に、と言うか目標にするなら是非ともケータ様の魔力操作を、見せて頂いた方が良いでしょう!ケータ様、魔力錬成の玉はお持ちですか?」


「ありゅよー」


「では、色変えを皆に見せて上げて下さい」


「はーい」


 何となく持って来たリュックの中から玉を取りだし、色変えを始める。

 最初はスイッチを切り替えるように、パッパッと色を変える。

 続いてグラデーションに、最後にお手玉をしながら。

 アールスハイン、テイルスミヤ長官は見慣れているので特に反応無し。

 ユーグラムとディーグリーは、午前中に色々驚かせたので、今回はそれほど。

 インテリヤクザな担任は、色男が台無しな、眉間に皺を寄せ、目を見開き、大口を開けた顔でこっちを見てる。

 テイルスミヤ長官は、その顔を見て密かに笑いを耐えている。

 俺が一通り色変えを済ませると、ディーグリーが難しい顔で、


「これを目標にって、目標が高すぎて途中で心折れそうなんだけど……」


 とか呟いている。

 ユーグラムは俺に拍手してくれてる。


「あくまでこれは目標ですよ!このレベルで色変えが出来れば、初級の魔法玉で、中級の槍なら相殺出来ます。」


「ケータ殿、魔力錬成の玉をお借りしても良いですか?」


「どーじょー」


 ユーグラムが近寄ってきて言うので、貸してあげましたよ。

 ディーグリーとテイルスミヤ長官が手を出すので渡したら、テイルスミヤ長官は

 インテリヤクザな担任に良い笑顔で差し出した。

 苦虫を噛み潰したような顔で受け取ったけどね!

 3人が色変えを始めてしまったので、アールスハインと俺は、テイルスミヤ長官と、中級魔法の練習をします!

 中級魔法は、簡単に言うと、魔法玉を槍の形にするだけで、貫通力と飛距離を伸ばすための魔法なんだとか。

 同じ中級の魔法でも、槍では無く、鳥の形にしたり、虫の形にする人もいて、形は自分のやりやすい形で良いらしい。

 とにかく速く遠く鋭くするのが目的なので、飛んでくる的をいかに打ち落とすかを練習するらしい。

 前世のテレビで見たクレー射撃みたいな練習ですな!

 テイルスミヤ長官が、リモコン的な物を操作すると、舞台の隅に射出口が現れて、そこから的が打ち出される。的は平べったい円盤型のブヨッとした何か分からない素材だった。

 初めはゆっくりの速度の的を、槍形にした魔法玉で打ち落とし、段々速度を上げていくんだって。

 まずは、魔法玉を槍の形にしてみましょう!

 魔法玉を掌に造ってー、先っちょを尖らせてー、お尻の部分を伸ばしまーす。

 小さな槍の完成。そしてこれを的に向かってぶん投げます。トリャー!

 ………掠りもしません。これなら魔法玉を投げる方が速いし飛ぶね。

 俺に槍は向きません。

 じゃあどうする?クレー射撃を思い出したんだから、ライフルの弾は?

 いいねー、先っちょを尖らせてー、テレビで見たように、螺旋に溝を彫りまーす、これを指先から撃ち出すように。

 チュンと可愛らしい音をさせて撃ち出された弾は、目にも止まらぬ速さで飛んで、パキャッと的を撃ち抜いた。

 五木恵太選手的中です!

 わーパチパチパチ。

 一人ではしゃいでいたら、両肩をガシッと掴まれ、グルンと振り向かされる。

 正面にはテイルスミヤ長官。近いよ?


「ケータ様、先程の魔法は何ですか?あんな目にも止まらぬ速さで飛ぶ魔法など見たことも無いのですが?」


「エヘッ」


「可愛いい顔をしても誤魔化されませんよ!さ、説明して下さい!」


 逃げられないように抱っこされました。

 助けを求めてアールスハインを見たら首を振られました。

 仕方が無いので説明しましょう。

 この世界に銃は無いので、弓矢って事にしよう。


「たまを、やじりのたかちにちてー、ゆびのしゃきからひゅんてちた!(玉を、矢尻の形にして、指の先からヒュンてした!)」


「矢尻、ああそんな感じでしたね!ですがあの速さは?ひゅんて何ですか?矢を飛ばす仕草はされてませんよね?」


「とぶとこだけまにぇちた!ひゅんて」


「飛ぶ瞬間だけを真似した……それで出来ますかね?」


「やっちぇみちゃりゃ?」


「そうですね、一度やってみましょう!」


 テイルスミヤ長官は、俺を降ろすと、掌に矢尻を造り、さっき俺がやったように、指先から矢を飛ばす。

 ヒュンと、弓矢と同じ速さで飛んでパンと音を立てて的に当たる。

 成功して驚いているテイルスミヤ長官に、イエーイと手を出せば、笑ってハイタッチしてくる。


「ケータ様程の速度は出ていませんが、概ね成功ですね」


「にゃんかいもしゅりぇば、はやくなりゅよ(何回もやれば、速くなるよ)」


「そうですね、練習します!」


 俺達二人のやり取りを呆れた目で見るアールスハイン。

 それでも自分も真似をして、玉を飛ばし始める。


「成る程、そうやってアールスハイン王子は強くなったのですね。ケータ殿が規格外な魔法を使って、テイルスミヤ先生が分析し真似をして、更にそれをアールスハイン王子が真似をする」


「ああ!だからケータ殿を見てれば強くなる、なんですね!でも、間にテイルスミヤ先生挟まないと、やっぱ無理じゃね?」


「ですが参考にはなるかと」


「あーまー、参考ってか目標にはなるかも?」


 何やら納得したもよう。

 その間もずっと手を止めること無く色変えを続ける3人。

 皆ってば非常に真面目ですな。

 アールスハインもさっきからずっと、歪な玉を飛ばしてるし。

 今一速度が出ないのは、形が歪なせいだと思うよ。

 アールスハインの所に飛んでいって手元を覗く。

 やはり、ちょっと尖っただけの歪な玉を力業で飛ばそうとしている。

 なので、見本を見せてあげましょう!

 小さな掌に弾を造り、アールスハインに見せてみる。

 アールスハインは、繁々と俺の造った弾を見て、自分の玉を改良していく。

 隣にはいつの間にか、テイルスミヤ長官までいて、ガン見してるけどね!いつもの事なので気にしなーい。

 その後、アールスハインの玉は格段に速くなったよ。

 イエーイ!とハイタッチして今日の訓練は終了です。

 ディーグリーとユーグラムは、色変えが大分上達して、スイッチを切り替える色変えは出来るようになりました。

 グラデーションはもう少し練習。

 インテリヤクザな担任は………もう少し頑張りましょう!

 教師二人と別れて、そのまま皆で食堂に、お腹すいたー!







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4巻の発売日は6月9日で、公式ページは以下になります。 https://books.tugikuru.jp/202306-21551/ よろしくお願いいたします!
― 新着の感想 ―
[良い点] おもしろい! [気になる点] クレー射撃は多分散弾じゃないかな?
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